2005年11月01日

☆ 私も「「?rel=rss」がウザい」と思った

そうか, そうやればいいのか。 さっそく del.icio.us の Bookmarklet に変更を加える。

実は /.J もなんだよなぁ。 ホント, ウザい。

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2005年11月02日

☆ インストール作業中 8

いやぁ失敗失敗。 せっかくなので Google Desktop にも手を出そうと思ったわけよ。

ところがこれらを入れたとたんものすごい頻度で HDD へのアクセスをはじめた。 何かする度にガリガリ言うし。 Becky! のプラグインに至ってはアクセスランプが点きっぱなしの状態に。 削除しましたよ, ソッコーで。 よくみんな使えてるなぁ, それとも私だけ? これ。 いくら便利だからってこんなにマシンに負荷かけるのはダメ。 BOINC だってなるべく負荷かけないように HDD へのアクセスは3分毎と抑え目に設定してるのに。

ようやく OpenOffice.org 2.0 日本語版が BitTorrent で正式に配信され始めた。 早速ダウンロード。 って誰もおらんじゃん。 まぁいいや, Peer は開きっぱなしにしておこう。 こういうのみんなもっと活用すればいいのに。

最近は自宅でほとんど仕事をしないので MS-Office は不要になりつつある。 職場でも OO.o が制式になるといいな。 どうせ客先に納めるときは PDF にしちゃうんだから OO.o でも構わないと思うんだけど。

...と思ったけど, こりゃあかんわ。 リソース食いすぎる。 表示するのに数十秒かかるようじゃダメだろう。 う〜ん, まだ実用じゃないのかなぁ...

☆ 『ハッカーと画家』がつらい

仕事の合間にちょこちょこっと読むが, 辛すぎる。 今のところ2章の途中。 面白いのは5章以降だからそれまでは我慢して読めっちうことか。

1章は特に辛い。 「君はチャーリー・ブラウンか」ってツッコミそうになる(私より少し下の世代なら尾崎豊?)。 のっけにこんなヘビーな内容をもってきて本当に後の章は面白くなるんだろうか。 本の感想は読了してから(できるのか?)書くとして, 読む前も読んでる今もそしておそらく読了後も一貫して思うことは, 私はハッカーになれないしなろうとも思わないってことかな。

というわけで次の記事に続く。

☆ 『Winny の技術』の読書感想文

『Winny の技術』[bk1] 読了。 ページも内容も比較的薄めなのでサクっと読めてしまった。 もう少し濃い内容を期待していたのだが, まぁ出るだけでも有難いということなのかも。

読後の第一印象は「もし Winny のソースコードが公開されても見る気しないだろうな」だった。 まぁ作者の金子勇さんは良くも悪くも(上記記事の意味での)「ハッカー」なんだと思う。

P2P に関する記述は既にネットに出回ってる情報と重複している部分が多いため特に新鮮味はない。 今年の初めに出版されていればもう少し印象も違ったんだろうけど, これはしょうがないか。 個人的には P2P の参考書のつもりで買ったのでちょっと期待はずれ。 そういうのが欲しいなら他をあたれということだろう。

Winny の実装については「酷い」の一言に尽きる。 特に暗号化と通信プロトコル。 しかし Winny の真価は設計や実装の美しさではなく, インターネットを使った大規模実験とその成果ということらしい。 確かに運用を通じて行った数々のチューニングは注目に値すると思う。

本をざっと読んだ印象だが, Winny の設計に関しては「匿名性」が完全に足を引っ張っている。 設計コンセプトとして「匿名性」よりも「共有効率」を優先しているように見えるのに, 実際には「匿名性」を意識しすぎてエラく中途半端な実装になっている。

たとえば暗号化の機能。 私はこの本を読む前は暗号化が Winny の匿名性を担保するものだと思っていたが, どうもそうではないらしい(Winny で匿名性を担保するのはデータの暗号化ではなく遍在化だ)。 はっきり言って Winny の暗号化はとても「暗号」と呼べるものではない。 既存の暗号アルゴリズムを使ってはいるが, 単にデータを符号化しているだけである。 それはこの本にも明記されていて, どうやら心理的な安心感を得るためだけに暗号化を行っているらしい。 ありがちな「やらないよりはやったほうがマシだろう」という発想である。 しかしこんな中途半端な実装を行うくらいなら暗号化なんてやらないほうがマシである。 今や Winny の暗号は解読され当たり前のように Firewall 等でハネられるようになったが, 当時私が思ってたよりも解読に手間はかからなかったのかもしれない。 それまで解読されなかったのは単にその需要がなかったからだ。

P2P の肝であるはずの通信プロトコルもエラく中途半端に見える。 無理に複雑にする必要はないが, TTC の技術参考資料や 3GPP の仕様書などを見慣れている身としては「甘い」と言わざるを得ない。 もしかしたら肝心な部分は公開しないようにしているのかもしれないが。

これは外野の戯れ言だが, 最初は匿名性を意識しない形で実装していき, ある程度仕様が固まったところで匿名性をアドオンしていくアプローチのほうがもの作りとしては良かったんじゃないだろうか。 でもそのアプローチではおそらく日本のユーザは誰も見向きもしなかったろうけど。 まっその辺が日本のダメなところなんだよな。

☆ 「クリエイティブ・コモンズはあなたのコンテンツを自由なものにするのか?」

「Does Creative Commons free your content?」の日本語訳。

この辺の話のポイントは「誰にとっての自由か」を考えることにあると思う。 で, CC/CCPL はコンテンツを利用する人にとっての自由を提供するものだってことだ。 だから「貴様ら衆愚に自由など必要ない」と思えば従来どおり「All rights reserved」でもいいのだ。 それを許しているのが著作権なのだから。

おそらく上述の記事をコンテンツを利用する(つまり「消費者」の)側に立って書いたのが 『人の集まる「場」を支えるための「コード」』 という解釈でいいと思うのだがどうだろう。

☆ OpenPKSD Trusted Keyserver

登録した公開鍵に対して公開・非公開を設定できたり公開鍵への第3者の署名を鍵所有者がコントロールできるようにした公開鍵サーバ。 運用はこれかららしい。

日本だけの事情かもしれないが, OpenPGP に関しては専門家と私たち一般ユーザとの乖離が大き過ぎるのが問題だと思う。 「(仮) 日本の公式 PGP ホームページ」も凍結されちゃったし pgp-ml も終了しちゃったし。 専門家と一般ユーザを繋ぐチャネルがない状態で普及などありえない。

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2005年11月03日

☆ 「はやぶさリンク」

「はやぶさリンク」に参加中。 詳しくは Weblog にて

サイドバーも少し模様替え。 最近さっぱり Wiki を使わないので, お薦め Bookmark 集を作ってみる。

☆ インストール作業中 8 Reloaded

ツッコミをいただきました。 どうもです。 みんな Google が好きなんですねぇ。

ちうわけで説得されてみるテスト。 一週間ほど試用してみます。

☆ IPBL に登録されてしまった

うちの ISP のメールサーバが IPBL に登録されてしまったらしい。 おかげでうちに来るメールが全て spam 判定されてしまった。 えらいこっちゃ。

とりあえずうちの ISP のメールサーバの IP アドレスをホワイトリストに登録する。 迷惑な話。

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2005年11月05日

☆ 天文関連

「はやぶさ」のリハーサルはうまくいかなかったようです。 残念。 まっでもまだリハーサルだし。 詳しくは spiegel/HAYABUSA からどうぞ。

AstroArts も Podcasting やってたんだねぇ。 ついでに NASA や TPS の番組も subscribe する。 JAXA はやんないのかな。 昨日の記者会見とか Podcasting で流せばインパクトあるのに。

☆ Grid

Podcasting といえば David Anderson 氏が BOINC や分散コンピューティングについて発言している。 そういや IBM も BOINC ベースのプロジェクトを発表している。 興味のある方はご参照あれ。

☆ pgpdump のビルド

MinGW/MSYS の動作確認も兼ねて pgpdump のビルドをやってみる。 基本的な手順は以下を参照のこと。

なお現時点での bzip2 の最新版は 1.0.3, zlib の最新版は 1.2.3 である。 またこれらをビルドしたあとのインストールも make コマンドで大丈夫。 bzip2 の場合は

$ make install PREFIX=/mingw

zlib の場合は

$ make install prefix=/mingw

でいける。 どうでもいいが大文字と小文字どっちかに統一して欲しい(だから UNIX 系は云々...)。 なお bzip2 ではバイナリがコピーされる際に拡張子(exe)が無くなってしまうので, バイナリを使うなら後で手動で修正する必要がある。(strip もかけておくとよい)

その後の pgpdump のビルド作業は問題なし。 pgpdump のソースコードとビルドしたバイナリを「ファイルアーカイブ」に置いておくので, 欲しい方は勝手にどうぞ。 「IIJ 研究所の PGP に関するページ」が更新を凍結してしまったので, なんとなく pgpdump のソースコードもいっしょに置いてみる。 「MinGW と MSYS を使った Windows 用 pgpdump の作り方」 にも同等のものがあるが, あちらは多少アレンジしてある。

そうそう, コマンドラインでファイルのハッシュ値を取得するなら「FSUM」が便利。 サポートしているアルゴリズムも「MD2, MD4, MD5, SHA-1, SHA-2(256, 384, 512), RIPEMD-160, PANAMA, TIGER, ADLER32, CRC32」と豊富。 ハッシュ値といえば NIST もようやく重い腰を上げる模様。 だけど実際にどうするかはまだ決めてないみたい。

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2005年11月06日

☆ 牛丼大統領

「J-RCOM」最新情報の 11/5 の記事にバカウケ。 やりそうだなぁ, 亡国某国大統領および子分の亡国某国首相なら。

なんでこの手の話は日本ではあまり話題にならないのだろう。 いかにもワイドショウっぽい話題なのに。

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2005年11月07日

☆ RFID 関連

yomoyomo さんの翻訳記事

今や RFID はどこにでもある。 子供のランドセルにだってついている(アメリカじゃ RFID による管理は評判悪いけどね)。 実は私も RFID 関連の仕事をしている(ランドセルじゃないよ)。 RFID の話題Wiki のページもご参考に)はなくなったわけではない。 日本の流通で RFID が普及するためには UHF 帯 RFID が解禁にならないと無理だろう(もうなってんのかな)。 ポテチの袋で撹乱されるような代物じゃ使えないし。

アメリカではプライバシーの問題に関しては「Real ID Act」とか Google とか他にも色々あって, RFID への懸念はそのうちのひとつでしかない。 日本でもパスポートに IC チップを埋め込むだとか言っていて相当リアルな話なはずなんだけど, 「プライバシーは舶来の概念で日本にはない」だとかごちゃごちゃ言う人々がいるせいかまともに議論にならない。 どこの国でも消費者が引き受けさせられるリスクは同じだろうに。

☆ 「イトカワ」はどのくらいちっちゃい(おっきい)か?

最終ボスに立ち向かう勇者の図? もっともラスボスを攻略しても(RPG ゲームと違って)「地球に還る」というこれまた難題が待ってるんだけど。

☆ 『ハッカーと画家』読了

読書感想文はなし, 書きづらいので。

読んでて面白かった章は 5, 10, 11, 12, 14, 15 章かな。 後はイマイチっていうか読んでてかなり辛い章もあるし。 読後感は前回の予告とさして変わるものではないが, 加えて言うなら, やっぱり「ネットは水もの」だってことかな。 読んでてひしひしと伝わるよ。

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2005年11月08日

☆ VS が無償に?

まぢですか?

今の仕事って Windows 上のクロス環境なので Visual Studio は要らないんだけど, ちょっとコンパイルだけしたいってことはある。 あと Windows 版の BOINC Manager が Visual Studio を前提にしているので, どうしようかと思案していたところ。 リリースの暁にはぜひ使いたい。

ってか, これって MS 離れを加速させるんじゃないだろうか。

(11/10 追記)

ふむむむむ。

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2005年11月09日

☆ なんだかなぁ

そこで 「じゃあこれから理論と実績を積み上げてアピールしていきましょう」 とはならないのがいかにも日本的(というか「一億二千万総お役所体質」というか)。 別に Wiki に限らないが, これだから(「はてな」を含めて)日本のサービスは使いたくないっちうの。 やっぱり日本は2003年から(ひょっとしたら「明治維新」から) 1フィートも進んでないということかな。 その舶来品はいつまで経っても舶来品のまま。

Wiki がダメだというのなら「オープンデータ」と「マッシュアップ」を要件とするほとんどの Web 2.0 サービスはだめっちうことじゃん。 その辺がわかって話し合われているんだろうか。 あと Movable Type と CCPL の話は Movable Type の問題ではなくテンプレートの問題であり既に過去の問題だ。

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2005年11月10日

☆ use-agent が効かない?

GnuPG 1.4.2 で use-agent オプションの扱いが変わったみたいで gpg-agent を使ったパスフレーズ管理ができなくなっている。 「[Announce] GnuPG 1.4.2 released」を読んでもいまいち理解できない。

この辺詳しい方いたら情報ください。

☆ Web 2.0 かどうかはよく分からないが...

何となくモヤっとしててすっきりしないので, 最近頭の中を駆け巡っている単語群をここに吐き出してみる。 まぁ公開マスターベーションみたいなもん? ってここの記事はたいがいそうだけど。

こんな風に感じるのはむしろ正常だろう。 「GMOグループ、Web2.0関連ベンチャーに投資する「ブログビジネスファンド」設立」ってなニュースが出た時点でそれはもはや「説得」のためのマーケティング用語あるいはプレゼンテーション用語となった。 「議論」ではなく「説得」のための用語だから明確な定義などは不要だ。

なんてな話も議論の方向がもはや Web 2.0 自体の技術から離れていっていることを示す例だろう。

というわけでいまだによく分かっていないのだが,

を参考につらつらと考えてみる。 (上記の記事には出てこないが)個人的には「オープンデータ」や「マッシュアップ」といった単語が頭に引っかかっている。 一方, 「ロングテール」とか「ソフトウェア・リリースサイクルの終焉」とかいった単語には興味がない(この辺の話はむしろ『ハッカーと画家』[bk1] の方が面白い。面白いだけだけど)。 私はハッカーじゃない(ただのエンジニアだ)し Web 2.0 で一旗揚げようなどとは考えていない。

「オープンデータ」という単語も実はよく分かっていないのだが, どうやらユーザから見たデータの可搬性を指すらしい。 なんでこれが頭に引っかかっているかというと, 先日 BitTorrent を試してみて感じたこととリンクするような気がするからだ。 データの可搬性を突き詰めていけば, それは最終的に「場所からの解放」へと繋がっていくはずだ。 その結果として一種の逆転現象が起こる。 場所はデータのプロパティになる。 所有者はデータのプロパティになる。 ライセンスはデータのプロパティになる。 データの正当性を保証するために暗号技術が使われるのではなく, プロパティの正当性を保証するために暗号技術が使われる。 DRM はデータを管理するツールになるのではなくプロパティを「検索」するツールになる? (そこまでは言いすぎか)

そして全てのプロパティはオプションだ。 つまり場所を持たない(例えば P2P サービス上の)データや特定の著作者のない著作物(Wiki 上の編集著作物など)といったものが様々な形で顕れてくるはずだ。 そういった大変化に「法」や「市場」はこれから追いついていかなければならない。 「市場」は既に追いつくためのアクションをはじめた。 「法」はどうだろう。

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2005年11月12日

☆ 音楽 CD を入れると rootkit を仕込まれる罠

とりあえずリンクを列挙。

他にもあるけど, この辺で勘弁してやろう。 「rootkit って何?」って方はとりあえず上の記事のうち「Rootkit の話題って目立たないですネ」「ソニーが音楽CDに組み込んだ“Rootkit”とは何者か?」を参照あれ。 面白いのはユーザ側と企業側でまるで認識があっていないこと。 ユーザ側は今回発覚した rootlkit を 「マリシャス・ソフトウェア」(malicious software, 通称「マルウェア(malware)」 ― 最近のいわゆる不正ソフトはウイルスだかトロイの木馬だかスパイウェアだか bot だか区別が難しいものが多いため総称としてこのように呼ばれることが多い) とみなしているのに対し企業側はあくまでも DRM ツールと考えている。 例えば SONY BMG グローバルデジタルビジネス担当社長の「ほとんどの人はrootkitとは何かを知らないのだから、気に掛けたりしないのではないか」などという発言が典型的だ。 わざと言ってるのなら悪質だし素で天然の発言ならあまりにも頭が悪すぎる(そこにユーザが怒っている事に気が付いてるんだかいないんだか)。

こうなってくると日本のレコード会社も怪しいもんだ。 ささやかな自衛手段だが, やはり DVD/CD ドライブの Autorun は無効にしておくべきであろう。 しかしなぁ, 無効にしちゃうと iTunes が怒るんだよなぁ。 迷惑な話。

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2005年11月14日

☆ 英会話には英語の字幕を!

今日は自主的にお休み。 週末はいろいろあった。 あった合間でゲーム三昧。 先日「Xenosaga EPISODE 1 Reloaded」を(中古で安かったので思わず)買ったらハマっちゃったのだ。

Xenosaga の EPISODE 1 は前に実家で弟がやっていたのをちょっとだけやらしてもらったのだが, 序盤にやたらあちこち歩かせられるのですぐに飽きてしまい, その後忘れてしまっていた。 Reloaded はムービーシーンの吹き替えがすべて英語になっている。 オリジナルがどうだったか既に忘れてしまったが, プレイには影響ないし, いい感じである。

私のように英語不得手の人間のためにちゃんと字幕も出る。 どうやら端々にやたらとギミックが表示されるゲーム画面を見慣れているせいか, 字幕もそういうものの一部としてに認識しているようだ。 最近 TV 番組でやたらと字幕が表示されていて「ウザい」と評する人もいるけど, 私はそれほどの嫌悪感はなかった。 これもゲーム感覚で見ているのかもしれない。

英会話のシーンで日本語の字幕はどうしても無理がある。 英語と日本語では語順がひっくり返るので当たり前なのだが, 目から日本語が入り同時に耳から英語が入ってくると酷く混乱することがある。 かといって英語が得意というわけでもないので字幕がないとそれはそれで困る。 で, 思ったのだが, 英会話の字幕は英語の文章にならないものだろうか。 私は基本的に英語不得手なのだが, 仕事の関係で(だって公用語が英語なんだもの)文章を読むのと人の会話を聞くだけであればパッと見でも半分くらいは分かるようになった。 会話と字幕で補完し合えば更に理解度は進むはず。 そういう人は意外に多いんじゃないだろうか。 例えば洋画の場合, 日本語吹き替え版と英語字幕版をセットで提供するってのはないものか。 あるいは DVD で字幕を英語または日本語に切り替えれるようにするとか。 既にある?

☆ iCommons から CCi へ

今年の夏の再編で CCi (Creative Commons International)が誕生Creative Commons Japan の動向が気になっていたが, 遂に GLOCOM が降りることになったらしい。 これで日本もようやく「次のフェーズ」に向かうことになるかどうか。

GLOCOM を中心とした初期の CC-jp の活動は注目に値すると思うし, それを集大成した日本版 CCPL および書籍『クリエイティブ・コモンズ』[bk1]はネットで活動する上で是非知っておくべき知識だと思う。 それを忘れないためにも, ネット上のこれまでの CC-jp のコンテンツは(どういう形であれ)残しておいて欲しいものである。

☆ rootkit 話の続き

一昨日の話にリンクを追加するだけにしようかと思ったけど, もうちょっとだけ。

私は DRM にまったく反対というわけではない。 それが必要な分野もあるからだ。 しかし今回のようにユーザのマシンに rootkit を仕込む方法を DRM 技術と主張するのは明らかに方向が間違っている。 これは DRM が「セキュリティとのトレードオフ」であると思わせるための悪質なプロパガンダだ。 DRM のような管理ツールとセキュリティはトレードオフの関係にはならない。

このようなネガティブ・キャンペーンは逆効果だ。 仮に DRM とセキュリティとがトレードオフになるとユーザが信じた場合, 捨てるのは DRM の方に決まっているからだ。 その意味で Microsoft の対応は正しい。 これは SONY BMG だけの問題ではなく音楽業界だけの問題でもなくあらゆる分野のコンテンツ産業全体に悪影響を及ぼす。

SONY BMG が採るべき最善の策は, セキュリティ上の脅威を呼び込む XCP-CCCD を「間違った技術」と認め, これまでの XCP-CCCD 製品をリコール対象としてすべて回収し, セキュリティとのトレードオフを生じさせない DRM の仕組みを提案していくことだ。

☆ 「この本を読んでない技術者はモグリ」

www.textfile.org の記事から。

ウケた。 まぁソフトウェアに関しては分野やレイヤごとに専門化が進行していて, 自分の専門じゃないところは何だかよく分からなかったりするからなぁ。

例えば 「No.7 信号方式や ATM (Asynchronous Transfer Mode の方ね)も知らないでネットのエンジニアを気取るな」 みたいなことを言うようなもの?

☆ うわぁ

みんな Note マシンで仕事してる。 こんな職場では働きたくないなぁ。 私は Note が嫌いだ。 特にあのへたれなキーボードと狭いモニタ。

席を自由に変えられるってのは確かに便利。 その日のプロジェクトや打ち合わせによって寄り合って仕事ができるし。 実際固定席で一番面倒だと思うことは, 打ち合わせをするのにわざわざ相手の席に行ったり会議室を予約して集まったりする手間だもの。

☆ 「やる気のない個人情報保護」

みんな何のために個人情報を保護すべきか分かってないんじゃないんだろうか。 個人情報保護法に違反するから個人情報を保護するのではない。 個人のプライバシーを守るために個人情報を保護するという手段を用いるのだ。 日本におけるプライバシーの定義や問題点に関する議論を全て棚上げにし, 場当たりで体裁を整えただけのものを作るからこういう運用になる。

☆ 「企業は Skype の利用を禁止すべき」

理由として挙げられた項目を以下に引用する。

  • 各種標準技術を使っていないため,ファイアウオール越しでもぜい弱性を悪用できる
  • Skypeの暗号化技術は公開されておらず,仲介者(man-in-the-middle)攻撃を受けやすい。暗号化鍵の管理方法も不透明である
  • Skypeの利用が既に禁止されている国や組織とのあいだで通信できてしまう
  • Skypeは利用状況が管理できないので,法令順守の妨げになりかねない
  • IP電話による通話が業務上の記録となりうるかどうかについては,法的にはっきりしない

このうち2番目と5番目は連動している。 固定電話やケータイと違い「キャリア」が存在しない P2P ベースの Skype では当然出てくる問題だ。 まぁ実際には「企業としては禁止だけど事実上黙認」というスタンスじゃないかと思うけど。

☆ インストール作業中 9

さて, 今日は記事が多いぞ。 何せ2日分だからな。 ずいぶん間があいたが, 今までの作業については「HsbtDiary」の記事でまとめられている。(記事をだしに使ってすみません)

いよいよ wxWidgetswxGlade を入れることにする。 インストール手順については(ちょっと古いが)「wxWidgets でクロスプラットフォーム GUIアプリを作ろう」が参考になる。 実は wxWidgets のインストールについては以前相当苦労した覚えがある。

なのであまり触りたくなかったのだ。 嗚呼, トラとウマが鳴く。

MinGW/MSYS のインストールは既に終了しているので割愛する。 ちなみに「C-Compiler Wiki MinGW/インストール」にスナップショット付きで解説があるので, こちらのほうが参考になる。 「C-Compiler Wiki」はなかなか内容が充実していて便利。

wxWidgets の現時点の最新版(安定版)は 2.6.2。 Windows プラットフォーム(9x, ME, NT, 2000, XP, および CE)用には wxMSW というインストールパッケージが用意されている。 このパッケージには Windows Help 形式のマニュアルや TeX2RTF なんかも入っている。 なお, このインストーラでインストールするとアンインストール用のレジストリ情報とユーザ環境変数 WXWIN を書き込まれる。 (インストール直後は環境変数が有効になっていない場合があるので一度ログオフする)

MSYS の shell を呼び出して以下の手順でビルドする。 インストールフォルダを汚さないため, 適当なフォルダ(下記の例では spiegel)を掘り, その中で作業を行う。

$ cd $WXWIN
$ mkdir spiegel
$ cd spiegel
$ ../configure --prefix=/mingw --disable-shared --disable-threads
$ make
$ make install

--disable-shared を付けない場合は DLL を生成する。 また --disable-threads を付けないとビルド時の gcc オプションに -mthreads が付くようになる。 MinGW の場合, -mthreads を付けると mingwm10.dll をリンクしてしまうのが悩みどころである。 C++ の例外処理で mingwm10.dll が必要になるという話も聞くのだが, --disable-threads を付けたからといって g++ でエラーになるわけじゃないし, 再配布を考えるとできるだけ mingwm10.dll への依存は減らしたいところではある。 まぁ --disable-shared を外して DLL を生成するのなら, あとひとつ DLL が増えたってどうってことないという判断もあり。

"--prefix=/mingw" を指定しないと /usr/local 以下にインストールされてしまう。 "make install" 時に prefix を指定することもできるが, その場合 wx-config (/mingw/bin 内にコピーされる)の記述と合わなくなる。

次は Python のインストール。 現時点の最新版は 2.4.2 で Windows 版はインストールパッケージになっている。 更に wxPython のインストール。 こちらの最新版は 2.6.1.0。 Unicode 版の wxPython2.6-win32-unicode-2.6.1.0-py24.exe を選択する。 更に更に wxGlade のインストール。 こちらの最新版は 0.4。

最後に 「wxWidgets でクロスプラットフォーム GUIアプリを作ろう」 を参考にして簡単な "Hallo, World" プログラムを作ってビルドしてみる。 これでちゃんとビルドができて実行できれば大丈夫。 ちなみにビルド時のコマンドラインは

$ g++ hello.cpp `wx-config --cppflags --libs` -o hello

ってな感じで一行で書くこともできる。

☆ TOMOYO Linux

「SAKURA Linux」に「TOMOYO Linux」。 更に「SYAORAN」に「CERBERUS」か。 やっぱ CCさくら だったのか。

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2005年11月16日

☆ 電卓買っちゃった

ポケコンが使えなくなって久しいのだが, やはりいつでも手元に電卓がないと不便なので, 遂に関数電卓を買ってしまった。 CASIO の fx-991ES ってやつ。 だって好きなんじゃもん, CASIO。

実は先日近所で文房具フェアをやっていて, そこで展示されていた関数電卓を見て目星をつけていたのだ。 希望としては, 最低でも n 進数計算ができること, モニタが見やすいこと, 太陽電池駆動が可能なこと, であった。

したら, まぁ, 最近の電卓は賢いね。 特に数学自然表示機能は凄い。 結果も分数は分数のままで出るし。 60進数計算も簡単なので勤務表の検算とかしやすいし。 度量衡の単位変換もしてくれるし。 簡単な連立方程式くらいなら勝手に解いてくれるし。 ニュートン法までできるし。

...というわけで当面の玩具ができてしまった。

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2005年11月17日

☆ ボジョレ・ヌーヴォ解禁

行きつけのお店から 「12時にボジョレ・ヌーヴォ解禁のイベントをやるから飲みに来い」 と言われ仕事後にいそいそと出かける。 お祭りは参加してなんぼだからね。

とはいえ, 実は赤はあまり好みではないので(白が好み。特にドイツワイン)味のほうはよく分からん。 ちうわけで, 今朝はちょっぴりお酒が残っているのであった。

☆ Classic 版 SETI@home 打ち止めのお知らせ

SETI@home サイトより。

November 15, 2005
The old SETI@home Classic project will stop issuing work on December 15, 2005. Anyone still running SETI@home Classic should deactivate it and install SETI@home/BOINC (see instructions under 'Getting started' on this page).

というわけで, Classic 版は 12/15 (日本時間で 12/16 あたり?)を以って打ち止めとなります。 BOINC 版への移行はお早めに。

これで Classic 版ユーザが大量に BOINC 版へ流入してくることになるのだが, 果たしてその負荷に耐えられるのかどうか。 BOINC プロジェクトの真価がここで問われる。 ある意味楽しみである。

☆ rootkit 話の続きの続き

遂にリコールとなった模様。 まっ当然だわな。 明らかに欠陥品なんだもん。

「感染」って, もはやウイルス扱いだよ。 DNS の調査では日本がもっとも影響を受けている(アメリカよりも多い,ただし保留つき)みたいなので「対岸の火」では済まなそう。

ふと思ったのだが, 日本で似たような事例が発生した場合, 企業側はちゃんとリコールしてくれるのか, ユーザ側はちゃんと要求できるのか。 ユーザは泣き寝入りで企業はなかった振りをするというのがありそうなパターン。

津田大介さんは「IT業界のプライドと音楽業界の傲慢さの争い」と評されているけど多分ちょっと違う(まぁプライドはあるんだろうけど)。 アメリカなどは専門家の社会的責任に対する意識が高い。 「CPSR (Computer Professional for Social Responsibility, 社会的責任を考えるコンピュータ専門家の会)」なんてのはその典型だ。 果たして日本ではどうなのか。 専門家が「選択可能な商品」でありつづける限り彼岸の出来事として片付けられそうな気がする。

組み込みエンジニアは今回のケースを教訓とすべきだろう。 Web アプリケーションやオンラインで配布される「パソコン」用のソフトと違い, 組み込みソフトウェアには「納期」や「リリース」というマイルストーンが存在し, そのマイルストーンにおいて製品に欠陥がないことを顧客に証明しなければならない。 そして製品がいったんリリースされるともう取り消すことができない。 取り消すためには「リコール」しなければならない。 更に(因果関係がはっきりしているので)賠償責任も厳しく追及されるだろう。

XCP-CCCD に仕込まれた DRM ソフトは Windows や MacOS X 向けの言わば「パソコン」用のソフトだが, リリース後は取り消すことができないという点で組み込みソフトと同等のリスクを背負う。 今回の SONY BMG の場合は CD を買ったユーザと XCP-CCCD でパッケージ販売されたアーティストの両方から賠償責任を追及されるに違いない。 そして件の DRM ソフトを作成したなんたらいう会社は SONY BMG から何らかのペナルティを課せられる可能性がある(アンインストールのツールでもポカやってるからね)。 総額でいくらの金が動くやら。 ぞっとする話である。

「組み込みエンジニア」と一口に言うが今ではその範囲は大きくなっていく。 XCP-CCCD のように見かけは到底「組み込み」とは思えないものもある。 一方, ケータイのソフトのように一見「組み込み」に見えるソフトでも, (「あとでファームを書き換えればいいや」ってなノリで)適当に作られているその辺の業務アプリと大差なかったりすることもある(全てのケータイソフトがそうだといっているわけではないけど, そこはまぁ「広島」という土地柄そういう話も耳に入ってくるわけで...)。 もしかしたら組み込みエンジニアに求められる資質というのは「そのソフトウェアをリリースする覚悟があるか」ということなのかもしれない。

☆ さくらのブログ

というわけで早速試してみたのだが, う〜ん...

初心者向けにわざと自由度を下げているんだろうけど, テンプレートくらい自由にならないのかなぁ。

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2005年11月18日

☆ PodcastJuke

なんちうか cocolog ができてからの @nifty のスピード感は素晴らしいね。 「パソコン通信」時代のニフティは「大手で安定してるけど鈍重」ってな感じで大企業そのもののイメージだったんだけど, cocolog ができてからは cocolog をメインに据えた新しい試みがポンポン出るようになってきた。 やっぱ最初の設計が大事ってことかな。 あとタイミングもね。 「2003年内に Typepad ベースの Weblog サービスを開始する」という決断が結果としてすごくいい方向に転んでいる。

☆ 胡子講

広島市内はきょうから「えべっさん」で一週間くらい前から街はお祭りモード。 私も今日は友人とふぐを食べに行くんじゃ☆

胡子神社はビルにはめ込まれたような格好になっていて(こんな感じ), 私も広島に来てから数年はあれが神社だとは分からなかった。

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2005年11月19日

☆ Phishing 体験

「高木浩光@自宅の日記」より。

まつもとひろゆきさんが Phisshing に引っかかってしまったらしい。 そういう引っかかり方もあるのか。 気をつけないとね。

☆ 本当 geek なんか必要なの?

どうなんだろ, これ。 geek が寄り付かないのはそこが最先端の現場でないからではなく, 「製造」の現場だからでしょ。 製造の現場ではきちんとプロセスをふんで Audit をパスすることが何よりも重要。 そんなところで geek が働きたがるとは到底思えん。 富士通やソニーがやったヘマは技術力の問題ではなく製造の現場で押さえるべきことを押さえてなかっただけに過ぎない。 GD3 を実践しているトヨタあたりが見れば鼻で笑うような話だ。

それに日本だけが特別にレベルが低いわけでもない。 まぁソフトウェア技術的には確かに日本は後進国だけどさ。 やっぱダントツに凄いのはインド人でしょ。 私は二度ほどご一緒したことがあるけど彼らは本当に凄い。 何せ日本人の3倍の理解力で3倍の量働く。 頭がよくてタフなのがインド人。 2桁の九九ができるのはダテじゃない。 次がアメリカと欧州の一部(イスラエルもかな。あっちの人達とは仕事したことがないのでよく分からないけど), それから日本や中国や(中国人は日本をなめてかかってる節があるので実際にはもっと凄いのかもしれないけど)その他大勢の国って感じかなぁ。

☆ セキュリティ管理の難しさ

Bruce Schneier さんによる記事。

いや〜ん, そこで「つづく」なの。 意地が悪いぞ。 あと

もウケてしまった。 CCCD のようなタイプの DRM 技術はこれから常に疑いの眼差しで見られてしまうんだろうね。

それはまぁともかく, 今回の件でにわかに rootkit の存在が注目されだしたのだが,

ってな感じでこれから頭の痛い問題になりそうである。 今ネットワーク管理者やってなくてよかったよ。 ウイルスに spam に bot にスパイウェアに加えて rootkit の監視までメニューに追加しなくちゃいけなくなるなんて考えただけで発狂しそう。

ここからは完全に邪推なので読み飛ばしていただいて構わないのだが, 今回の First 4 Internet のソフトの挙動はどう見てもおかしい。 自分自身を隠す Cloaking 機能。 特定のサーバとの通信機能。 更にアンインストールと称して任意のサイトと通信できる ActiveX モジュールを埋め込むなど怪しすぎる感じ。 これらの機能って botnet の要件を満たしているんだよね。 特に MacOS X にもインストールされてしまうという通信機能についてはリバース・エンジニアリングでも何でもして一度徹底的に洗い直したほうがいいかもしれん。

☆ 「さよなら? グーテンベルク」

「新聞のビジネス的問題点を洗い出した書籍「新聞がなくなる日」」を見て興味が湧いたので早速購入。

  • 『新聞がなくなる日』 歌川令三 著 (草思社)[bk1]

面白かった。 一気に読んでしまった。 「Web 2.0」だの「ロングテール」だの胡散臭いマーケティング用語を一切使わずネットの外から見たネットの分析が(個人的には)斬新な感じであった。 これを読むと「Web 2.0」や「ロングテール」といったものが実は今起こっている大変化のほんの表層に過ぎないことが理解できる。 まぁ外からの視点だけに細かいところでは「???」な部分もあるのはご愛嬌。

私は今まで「ディジタル・デバイド」というのは地域間格差を意味するものだと思っていたが, どうもそうではないらしい。 もの知らずでごめん。

私も新聞は(職場にある経済新聞や産業新聞を読むくらいで)基本的に読まない(=興味がない)人なので, 新聞業界(あるいはもっと広くジャーナリズム)を取り巻く状況, 特に海外の状況などはまったく知らなかった。 そういえばかつて livedoor が「日本の OhmyNews を目指す」とかなんとか言って失笑を買ってた気がするが, これを読んでようやく意味が繋がった。

難を言えばネット上の情報については URI を付記して欲しかった。 ネットにおいて一次情報を示しておくことは重要。

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2005年11月20日

☆ 大量生産される「一品もの」

折角なので昨日の話をもう少しだけ。 最近考えていることをつらつらと書いてみる。

ソフトウェア業(といってもホント色々あるけど)と他の製造業との違いは何だろう。 と考えて思いついたのは, ソフトウェア業というのは基本的に「開発」と「製造」が未分離である, ということだ。 他の製造業を見回してみてもこんな形態の業界は珍しいんじゃないだろうか。 この違いはソフトウェアとハードウェアの違いに根ざしたものだ。

ハードウェアというのは「開発」と「製造」が明確に分離されている。 何故なら「開発」に必要なノウハウと「製造」に必要なノウハウは相容れないからだ。 「開発」というのは如何にリソースを投入してものを「創る」かということが問われる。 一方, 「製造」はより最適化されたリソースとプロセスでものを「造る」ことが問われる。 「大量生産」は製造工程の最適化の結果のひとつだ。 しかし, より安価で大量にものを造るために莫大な開発コストがかけられていることを考えたことがあるだろうか。

ソフトウェアにはそういったものがない。 何故ならソフトウェアは基本的に「一品もの」だからだ。 ソフトウェアは(ハードウェアに比べれば)格段に安いコストで自身を正確にコピーすることができる。 つまり「製造」について頭を悩ませる必要がないのだ。 少なくとも20世紀末まではそう思われてきた。 しかし今ではそうではないことが分かっている。

例えばソフトウェアには「完成品」がない。 (少なくとも開発者たちが give up するまで)無限に続く改良があるだけだ。 その結果大量の「β版」が創られることになる。 つまり「一品もの」が大量生産されるわけだ。 新しい「一品もの」が創られるたびにそれまでのものは obsolete なものとして捨てられる運命にある。

またソフトウェアの品質保証は開発工程では担保できないことも分かってきた。 無限に続く改良があるといってもユーザはそれらの「一品もの」のうちのいずれかを選択しなければならない。 だが選択した「一品もの」は既に obsolete になっているかもしれない。

しかし20世紀末に大きな転機を迎える概念が登場する。 「オープンソース」だ(ここでいう「オープンソース」はいわゆる OSD に則ったものだけを指すものではない。 あるいはレッシグ教授風に「オープンコード」と言うべきか)。 ソフトウェア業界から見た「オープンソース」の効用は「開発」と「製造」を分離できる点だろう。 開発と製造を分離し, 開発はオープンソース・コミュニティーで行い製造工程で品質保証を行う。 製造工程で得た情報はオープンソース・コミュニティにフィードバックする。 いったんこのサイクルが出来上がると強力だ。 このサイクルがうまく回るためには開発現場(=オープンソース・コミュニティ)と製造現場(=ソフトウェア企業またはユーザ企業)と消費者が密に繋がる必要がある。 だから IBM をはじめ大企業はこぞって「オープンソース」に参加(コントロールではない)しようとする。 日本の企業(多国籍企業以外)でこれができてるところがどれだけあるのやら。

製造の現場に geek がいないのは geek を正しく評価している証拠だ。 製造の現場に開発のエキスパートを置いても役に立たない(製造においてもエキスパートであるというなら別だけど)。 今 geek たちがやっていることに製造の現場が追いついた頃には彼らの興味はとっくにあさっての方向を向いているだろう。 むしろ開発と製造をチャンポンにしてどちらも中途半端なものしか創/造れない現場の経営にこそ問題があると考えるべきだ。

☆ HAYABUSA Live

blog で実況中継モード。 特に凄いのが 「松浦晋也のL/D」TPS の blog。 いまちょっと大変な状況みたいだけど, ライブ感いっぱいでわくわくする。

(追記) タッチダウンはうまくいかなかった模様。 いやいや, まだ次回はあるぞ。

☆ del.icio.us を使ったリンク集ページ

Weblog でも告知したが, 2つほどリンク集ページを作成する。

セキュリティに関するリンク集はインシデントが急増する2002年から始めたが, 当時は呑気に手書きだった。 昨年は PukiWiki に切り替えたdel.icio.us を使うようになってからはさっぱり更新しなくなった。 道具が変わればスタイルも変わる。 スタイルが変われば文化も変わる, ってか。

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2005年11月21日

☆ 海外から見た HAYABUSA

タッチダウンはうまくいかなかったけど, ターゲットマーカはうまく着地したみたい。 これで私の名前も「イトカワ」に届いた。 次こそはタッチダウンですな。

今回の件で改めて思ったよ, 広報の大切さを。 特に海外の注目度は高い感じ。 私は TPS しかチェックしてなかったんだけど(私の「はやぶさ」リンクを参照), 5thstar_管理人さんのところの記事によると, 主に欧米からかなりのアクセスがあったようである。

「はやぶさ」とは関係ないが

といったことを考えている方もいるようだ。 例えばやっつけでもとりあえず英文で書いて, そのあとで他の方に(ネイティブの方や英語が得意な方に)添削してもらう, とかいったステップがいいのかもしれない。

ちなみに私の英文は職場で添削されまくる。(だって苦手なんじゃもん)

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2005年11月22日

☆ 闘病日記 ...もう一度減塩生活

今日は定期検査の日。 飯を抜いて来いと言われ空腹で泣きそうになりながら病院に行く。

検査後, 病院の食堂で昼食。 久しぶりに焼き飯(断じて「炒飯」などではない)なんか頼んでみる。 あれ? 味が薄い?

がぁ〜ん! これを薄いと感じるということは, またもや味覚が「塩味」に慣らされてしまったのか。 うう, かなり反省。 今年の春から仕事が忙しくなってコンビニの弁当を食らうようになってきたのが拙いのだろうか。 もう一度食生活の見直しじゃあ!

減塩生活については

も参照あれ。

☆ お買い物

久しぶりに本をまとめ買い。

  • 『宮台真司 interviews (インタビューズ)』 宮台真司 著 (世界書院)[bk1]
  • 『生協の白石さん』 白石昌則,東京農工大の学生の皆さん (講談社)[bk1]
  • 『インターネット図書館 青空文庫』 野口英司 編著 (はる書房)[bk1]
  • 『波状言論S改 社会学・メタゲーム・自由』 東浩紀 編著,大澤真幸・北田暁大・鈴木謙介・宮台真司 著 (青土社)[bk1]
  • 『天文年鑑 2006年版』 (誠文堂新光社)[bk1]

2006年版の『天文年鑑』の表紙はディープ・インパクトの瞬間のテンペル第一彗星の写真。 来年は「イトカワ」の写真だったりするだろうか。 だったらいいな。

『生協の白石さん』は解説文目当てで購入。 えっ, IT戦士の文章目当てで買うのはダメダメですか。 そりゃすまん。

『宮台真司 interviews』は病院で読もうと昨日のうちに買ったのだが, 何故か今日に限って待ち時間なし。 いつもこうだといいのにねぇ。

著作権保護期間延長に反対する方は是非『青空文庫』を買ってアピールを!

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2005年11月23日

☆ Skype のセキュリティ

「BINET戦略セミナー051208「Skype!企業導入への可能性を探る」 ってのが 12/8 にあるそうだ。 行ってみたいなぁ。 無理だけど。

個人的には Skype が 「「企業はSkypeの利用を禁止すべき」,カナダの調査会社が警告」 で言われているようなことをどうクリアするつもりなのか(あるいはしないつもりなのか)知りたい。 前にも書いたが, 問題のうちのいくつかは P2P に特有の問題であり Skype のやり方如何によっては他の P2P サービスにも影響を及ぼす(故にビジネスチャンスであるともいえる)。

後で読む:

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2005年11月24日

☆ 忘年会シーズン

さて, そろそろ忘年会シーズンである。 私の今期最初の忘年会は「てんまみち」であった。 来週は月曜日にある(なんで月曜日なの?)

そういえばその「てんまみち」の忘年会で聞いた話なのだが, 本醸造の「アル添」というのは日本酒をアルコールで「薄める」のではなく, 発酵を止めるために添加するのだそうだ。 発酵過程をコントロールできるので場合によっては純米酒よりも美味いらしい。 たしかに旭菊水とかは本醸造でも美味いものなぁ。 私はブレンディングの妙だと思っていた。 いわゆる「三倍醸造」時代の洗脳を受けている私たちは「アル添」という言葉に対する拒絶反応が強いけど, 真実は別のところにあったのだった。 勉強になるなぁ。 (ちなみに「てんまみち」では純米の原酒しか置いてません。念のため)

まだ12月にならないのに, もう「しぼりたて」が出ていた。 九州のお酒(銘柄忘れた)。 しかも美味いんだ。 早い! ありえねー!

「もう一度 減塩生活を!」と誓ったばかりなのに, 最初の1フィートで挫けそう。 ちなみに今日は私の記事を見て「カレーが食いたい」とのたまった友人とカレーを食いに行く。

☆ "Big News for Hayabusa: It wasn't hovering, it landed!!"

既にいろんなところで報じられているけど。 TPS のタイトルが見てて一番うれしかったので, これを引用させてもらった。

着陸というより墜落(不時着?)だったみたいだけど, 壊れもせず再離陸できたんだから運の強い子である。 サンプル採取はできなかったみたいだが, 今日から明日にかけて再チャレンジが行われるので期待しよう。

参考: 「はやぶさ」リンク

☆ 「子どもは CM がすき?」

あはは。 この記事は私も見た。 切込隊長さんほどは分析的に読まなかったが「なんじゃこりゃ」という印象。 これが『新聞がなくなる日』を読む前なら多少印象は違ってたかもしれないけど。 私は TV 番組をほとんど見なくなったが, 日本では今もっとも影響力のあるメディアは TV だ。 将来もそれは変わらないだろう。 少なくとも地上波ディジタルに切り替わる2011年までは。

『新聞がなくなる日』[bk1]では地上波ディジタルが本稼動になれば誰も新聞の TV 番組欄を見なくなり新聞離れが加速すると予言していた。 データ放送で詳細な番組情報を取得できるからだという。 実際にそうなるかは分からないが, ありえない話じゃない。 でもそのためには各 TV 局がデータ放送にどれだけ本気に取り組めるかが鍵になると思う。 極論を言うなら地上波ディジタルにおいてはデータ放送をポータルにしてこれまでの TV 番組はサブディレクトリに置くべきだ。 データ放送をポータルにすればデータ放送で CM を流せるようになる。 Google Adsense のような仕組みを取り入れれば TV CM で「Long Tail」ができるようにもなる。 いっそのこと Google と手を組んだら?

なんてのはどうだろうか。 livedoor や楽天がそこまで構想しているかは知らないが, もし上記のようなことをやるならこれまでの TV のセンスではうまくいかないだろう。

番組録画で CM をカットしようとするのは当然の行動だが, それは CM が嫌いだからカットするわけではない。 小さい子どもなんか番組よりも CM の方を一生懸命見る。 だから「テレビのCMなんて、誰も見たいとは思わないでしょう」っていうのは少し違うと思う。 この辺の話を読むと竹本泉さんの『ちょっとコマーシャル』[bk1]を思い出す。 マンガだからネタになる話であって, こういうことを現実の中でベタに言う人がいるとは思わなかった。

☆ よかった探しリース

今年も参加します。

そうそう, 今年も「NORAD Tracks Santa」をやるらしい。

☆ 今気が付いたけど

日付を1日間違えちゃった。 まぁいいや, いまさらだし。

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2005年11月26日

☆ 腐敗と発酵

梅田望夫さんの記事経由。

腐敗と発酵の比喩が面白い。 生物学的には腐敗と発酵に違いはない。 しかし「人によるコントロール」が加わるとそれは発酵と呼ばれるようになる。

納豆やチーズはよく知らないが日本酒でなら(蔵元の方の話を聞きかじったことがあるので)いろいろ連想することができる。 日本酒の醸造の現場はとにかく徹底的に清掃をする。 お酒の酵母以外の雑菌を繁殖させないためだ。 無菌室に近い状態を作りながらなおかつ目的の酵母が活動しやすい「環境」を作っている。 わずかな雑菌の繁殖も味に影響する。 これは単に無菌室を作るより難しい。

これを今風に言うなら, 従来の無菌室で作った製品は規律訓練型権力を指向し Web 2.0 などの発酵食品は環境管理型権力を指向する, といったところか。 発酵に使われる酵母は自由に活動しているように見えるが, それは発酵を阻害する要素をシステム的に排除しているからだ, と言うこともできる。 つまり発酵を維持するために必要なものを議論する際にはシステム論的な視点が欠かせない。

しかし新しい発酵食品型の環境を用意できたとしても, その環境へ必要な酵母(=構成員)をどうやって誘導させるかという問題が残る。 いわゆる「ブートストラップ問題」というやつだ。 「クリエイティヴ・コモンズに関する悲観的な見解」なんかも(振り返って考えると)「ブートストラップ問題」であると一言で要約できる。 「ブートストラップ問題」では多様性をどうやって確保するかが重要になる。 ソフトウェアの分野における多様性は比較的確保しやすい。 「プロトタイピング」という手法が使えるからだ。

しかしハードウェアでは「プロトタイピング」が難しいことが多い。 たとえ最初の設計が拙いことが後で分かっても簡単に変更することが(リファクタリングすら)できない。 結局ハードウェアにおいては最初の設計が非常に重要ということになり, それを上手くやるには規律訓練型権力を動員してガチガチにやるしかないという結論になりやすい。 そしてまた振り出しに戻るのである。

☆ XCP-CCCD 詳細

必見!

結局セキュリティ・ベンダが提供できるのは rootkit の検出・削除のみで XCP は削除できない。 アンインストーラもない。 無理やり手動で削除しようとするとシステムにダメージを与えることになる。 とまぁかなり最悪な状態のようである。

やはり DVD/CD ドライブの Autorun は無効にしておくべきか。 ちなみに以下のようにレジストリを直接いじる必要がある。

Autorun を無効にする設定:
  [HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Cdrom]
  "Autorun"=dword:00000000

なお, 適用した結果について当方は責任を負えませんので取り扱いは慎重に。

☆ 経県値

流行りもの。

ちなみに私の経県値はこれ。 偏ってるなぁ。

☆ ようやく日本でも

ようやく日本でも実装例が出だしたか。 こっから発展があるかどうかは分からないけど。

やっぱこういうことに関しては「はてな」の腰は重い。

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2005年11月27日

☆ おうちに着くまでが遠足

ちょっち実家に帰ってました。 実家ではネットに繋がなかったので「はやぶさ」のタッチダウンおよびサンプル採取成功の報を翌日の新聞で知ることになる。 (ちなみに実家では誰も TV を点けないので TV 報道も見ていない)

見たのは松江市の地方紙だが, 一面トップの扱いでしかもかなり好意的な文面になっていたのに驚いた。 日本のマスコミそれも特に新聞は国内の宇宙開発に対して冷淡で, 失敗すれば「ほれ見たことか」な記事を書くし, 成功しても皮肉としか思えないような内容しか書かないからだ。 やっぱ「文部科学大臣談話」の効果なのか?

さて, 「はやぶさ」の旅はまだまだ続く。 「おうちに着くまでが遠足」である。 しかし, まずは「運用チームもセーフモードに」入ってもらってこれからのハード・ワークに備えて欲しい。 ご自愛を。

参考: 「はやぶさ」リンク

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2005年11月28日

☆ 「政治が悪い」

「本当 geek なんか必要なの?」「大量生産される「一品もの」」の続き。 ってか「Hena Hena Nikki」の記事を見て, 「これって要は「自分の問題」と考えるか「環境の問題」と考えるかということ」だと思い至る。

個人的には「甘い!」と思うが, まぁ一般的に日本人は「昼の仕事」をまじめにやりすぎる傾向があるからね。 その辺から改善していかなきゃダメなんじゃないだろうか。

それで昔よく聞いた言葉「政治が悪い」を思い出す。 この言葉って全共闘な世代にとっては「リアル」な言葉で, その後の私たちより上の世代では「「あえて」なネタ」になっていて, その後の人達には「ベタなネタ」になっていて, 今では「死語」になっている(まぁ世代できっちり分かれているわけではないだろうけど)。 それとよく似た匂いを感じるよ。

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2005年11月29日

☆ cocolog を解除

休眠中だった cocolog を解除する。 あまりにも spam trackback がウザいので。

まぁバックアップは取ってあるし, 記事のいくつかは現行の Weblog に収録しているので (古い記事で cocolog にリンク張ってるやつは unreachable になってしまうけど) 大きな支障はないかと。

今のところ復活する予定はない。

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