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Last Modified: 2004/03/17

せち日記 2nd − 2004年01月


2004年01月05日

☆ 望遠鏡の話

明けましておめでとうございます。 本年も引き続きよろしくお願いします。 ちょいとワケがあってアクセス解析サービスを乗り換えました。 突然で申し訳ありません。

さて年末年始は実家に帰っていたのだが, そこで従姉に望遠鏡の調整を頼まれた。 望遠鏡といっても懸賞の賞品に出てくるようなオモチャみたいな小型屈折望遠鏡である。 それに調整といっても稼働部分はほとんどなく固定されているので, 組み立ててちゃんと見えるかどうかチェックすればそれで終わりになる筈だった。

しかし, 実際に組み立てて見え味をチェックしてみて驚いた。 これはいくらオモチャでも酷すぎる。 いくつか指摘しておこう。

まずレンズそのものがひどい。 オモチャ故に周辺の収差は覚悟していたが, 実際に覗いてみるとまんべんなく色収差が発生し映像がにじんでしまっている。 久し振りにこんな酷いレンズにあたった。 きょうび虫めがねでももう少しまともだぞ。

もうひとつはアイピース(接眼レンズ)。 なんと 12.5mm がひとつっきゃないのだ。 ちなみに対物の口径は 5cm 程。 実質は 3cm 程度だろうか。 そんなものに 12.5mm のアイピースを付けるとどうなるか想像して欲しい。 しかもこのオモチャ望遠鏡には稼働部分が殆どなく, カメラ三脚より使い勝手が悪いのだ。

最後にバーローレンズ。 驚くなかれ。 上記のようなスペックに加え, このオモチャ望遠鏡には3倍バーローレンズが付属しているのだ。 バーローレンズと組み合わせて150倍になるというのがこの商品の「売り」なのである。 しかしバーローレンズ越しの映像は「酷い」の一言に尽きる。 無理矢理たとえるのなら, 寿命間近でバックライトもいかれた液晶ディスプレイの画像を見るような感じ, とでも言えばいいだろうか。

断っておくが, 「バーローレンズは悪」なわけではない。 バーローレンズについての考察は以下のページが参考になる。

取り敢えず従姉にはバーローレンズを諦めてもらい, 更に 20mm のアイピースを買うように指示した。 もちろん最終的な倍率は落ちるが, 無理矢理倍率をあげて何だかよくわからないものが映るよりはマシだという判断だ。 小型の安い望遠鏡はとにかく倍率の高さをキャッチフレーズにしていることが多い。 しかし口径の小さい望遠鏡で無理矢理倍率を上げても画質が落ちるだけだ。 望遠鏡を買ってすぐに飽きてしまう人の中にはこのような粗悪品を掴まされている人もいるのではないだろうか。 だとすれば残念な話である。

ここを読んでくださる方で, これから望遠鏡を買おうと思っておられる方はもう少し考えてからにしても遅くない。 大きな本屋の天文学コーナーには初心者向けの望遠鏡の解説本がいくつかあるので, まずそれらを手にとって欲しい。

予算がないという方は望遠鏡より双眼鏡の方をお薦めする。 天体観測にも使える口径の大きい F 値の小さい(視野が明るい)双眼鏡をカメラ三脚に取りつけ, まずは明るめのメシエ天体を追いかけてみてはいかがだろう。

2004年01月17日

☆ BOINC core client 2.18

BOINC コアクライアントの 2.18 がリリースされている。

Released core client version 2.18 for all platforms. All users should upgrade as soon as possible.

ということだそうなので, アップデートはお早めに。

...と思ったら起動時にエラーになるじゃないか。 あっ BOINC の ML でも報告されている。 とほほ。

(1/18 追記) バージョン 2.19 (Windows 版のみ)で修正されている。

☆ 私を月につれてって

イラクに対する失政を覆い隠すために, この時期になって途方もない宇宙開発計画がぶち上げられた。 ともっぱらの噂である。

まぁはっきり言って今回の計画はアメリカの財政状況 (アメリカは 9.11 以降軍事費の増大などにより大赤字を抱える国に転落している) から見てもまるで現実感がないので, 仮にブッシュ氏が再選しても実行されないような気がする。

しかし, この計画を「政治的プロパガンダ」として揶揄する一連の報道にはいかがわしさを感じてしまうのである。 だって政治的・軍事的思惑の伴わない宇宙開発なんてありえないじゃない。 あのアポロ計画だって「ミサイルギャップ論」による危機感から発動されたものだ。 当たり前のことをさも意味ありげに報道するマスコミの真意がよく分からない。

2004年01月24日

☆ ハッブル宇宙望遠鏡物語

私が今日書いた Weblog 記事について 5thstar 管理人さんからコメントとトラックバックをいただいた。 ちょっと嬉しかったのでこちらにも書いておく。 ちなみに 5thstar というのは, 1995年に(当時の) NASDA で行われた宇宙飛行士募集に二次選抜まで残ったメンバーの集まりなのだそうだ。

「天文民俗学のページ」にある「ハッブル宇宙望遠鏡物語」について, 「今こそ多くの人に読まれるべき」とコメントしてくださったのだが, 私もその通りだと思う。

もちろん HST はアメリカの「持ち物」だし最終的にどうなるかはアメリカ次第なのだが, HST が与えてくれた恩恵はアメリカ国内に止まらず世界が共有するものだろう。 であるなら, 私達は HST の延命に向けてもっとアピールしてもいいのではないか, と思ったりするのである。

NHK のなんとか X とかで特集組んだりしないかな。 まぁでも, あの番組はすっかり国内企業のプロモーション活動の場になってるからな。(あれだけ効果的なコマーシャルメッセージはあるまい)

☆ 大丈夫? スピリット

火星探査機「スピリット」がなかなか大変なことになっているらしい。

なかなか上手くはいかないですなぁ。 惑星探査は難しい。


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