← 先月分 | 翌月分 →

Copyright © 1999-2002 Yasuhiro (Spiegel) ARAKAWA
このページは GNS を使用して作成しています

せち日記 (2002年01月分)

2002年01月06日

年賀状を送らなかった方々へ

明けましておめでとうございます。 今年もよろしくお願いします。

音信不通

突然ですが, 年明け早々出張になってしまいました。 更新が滞ります。 あらかじめご了承ください。 く○ったれ (←下品)

有人宇宙飛行

前回の話は従来の 「使い捨て型」 での話だが CNNの記事 (産経新聞発) ではスペースシャトルのような再利用型のものを推進していくようだ。 どちらが良いかはよく分からないが, スペースシャトルのようなものを作るのはめちゃめちゃ大変らしいので, 使い捨て型からアプローチしていくのが現実的のように思われる。 少なくとも企業や官僚のエゴに偏らないアプローチをして欲しいもの。 (いや,商業的にペイできるかどうかは大事なことだと思うけどね)

天文現象は予測可能か

いや, そんなこと言う人もいるんですねぇ。 全ての現象が完全に予測可能なら *観測なんて必要ない* でしょ。

正直に言って, 私はマクノート・アッシャー理論はかなりマユツバだと思っていた。 あまりに具体的過ぎて山師的な匂いがしたものである。 しかし実際には予測は見事に的中した。 この理論はけっして山勘などではなく, 過去の観測データをもとにこれまで知られていた計算手法を応用し, ミクロ (流星群は太陽系規模ではごくミクロな現象といっていい) の精度で予測し得ることを証明した画期的な理論である。 分かってみれば 「なあんだ」 と言うようなことも, そこに思い至るまでのプロセスが如何に大変かという好例と言ってもいい。

科学は, 少なくとも天文学は, 過去の膨大な観測記録をもとに仮説を立て予測し, それをさらに未来の観測結果と照合・検証し新たな仮説・予測を立てる, その繰り返しの過程だと思っている。 そして,その過程の中にこそ天文学 (=科学) の面白さがあると思っている。 単に結果を見て批判するだけの行為は *科学ではない* と言いきっていいのではないか。

今後,比較的若い流星群について今までの観測データを洗い直す作業が発生するだろう。 またしし群についても完全に予測通りの振る舞いをしたわけではない。 その辺の検証はここ1年以内に行われるだろう (希望的観測)。 まだまだ注目のしし群である。

火星はぼくらの惑星なの?

1/3 に BS-hi で放映された 「火星はぼくらの惑星だ!」 は 1/13 に BS-2 で再放送されるらしい。 どちらも映らない私の環境ではどうでもいい話。

2002年01月12日

逃亡中

連休中お休みにしてお家に帰ってみた。 しかも帰りがけにちょっと流川に寄ってみたら例によって朝までハマってたり。

今年はトルコ石が流行るとか

宇宙の色はビリジアンではなく ターコイズ だそうな。 実際にはターコイズよりちょっと緑がかった色 (RGB値から計算するとこっちの色の方が近いと思うけど) らしい。

面白いのでバックを宇宙色に変えてみた。 こっちが論文

肉眼彗星なるか?

肉眼で見えるといいな。

光害

なんだかなぁ。 確かに天文観測を行うものにとって光害は死活問題だが, 光害の問題の本質はそういう部分だけではない。

ひとつはエネルギーの問題。 夜間の人工光の多くが空に向けられている。 こういう光はどこも照らさない。 つまり無駄に消費されるエネルギーなのだ。 ライトアップなど愚の骨頂である。 (広島じゃバブル時代,道路に照明を埋め込んでライトアップしようなどと本気で考えていたバカ政治家がいた) お前ら19世紀人か!! 街灯などの照明の構造をちょっと工夫することによって, 虚しく空に放たれる人工光のかなりの部分を地上に集中させることができる。 これにより少ない消費エネルギーで効率的に地上を照らせられる。

もうひとつは人間を含む生態系への影響。 「ヒト」を含め地上に生きる生物のほとんどは昼と夜の繰り返しに適応した身体構造になっている。 夜間照明はそうした地球種たちに確実な悪影響を与える。

夜間照明を無くせといっているのではない。 照明のあて方に問題があるのである。 ちなみに日本では光害の影響を受けない地域は, 北海道および沖縄の一部を除いて, どこにも存在しない。 この議論は私の知る限り1980年代には既にあった。 蛮国ニッポンもそろそろちゃんとしたルールを作って欲しい。

2002年01月14日

2次利用

SETI@home で解析した膨大なデータ。 宇宙人探しのみに使うのはもったいない。 と言うわけで様々な2次利用がされている模様。

この辺の内容で1ページできそうだなぁ。 惑星協会の記事ってなかなか面白いんだけど, 日本支部で訳してくれたりしないのかな?

マンネリかぁ

私の環境では SETI@home 解析は完全に日常化してしまってるからなぁ。 全自動だし。 でも, Team NIPPON や Team EDGE さんなどの大所帯は最低限のモチベーションは維持し続ける必要があるかも。 大変。(他人事)

成人式なんて

止めちゃえばいいのに。 虚礼廃止。 そもそも, 法的にはともかく, 今時20歳やそこらで 「成人」 ていう方が変。 大概の20歳は小僧に小娘だぞ。 (私の20歳の頃もそうだった) 社会にも出ずチンタラ学生やってる連中に 「成人」 の自覚を促す方が無理!

2002年01月15日

闘病日記 ...くたくた

今日で逃亡生活も終わり。 本当は今日中に客先に帰る予定だったが, 疲れ切っているので明日に延期。 雨降ってるし。 何で病院行って検査と問診受けて薬貰うだけなのにこんなに疲れるんだろ。 待ち時間中寝こけてるから? (はっ! 寝疲れ?)

色々BOOK

今回はこんなもの:

ウィンスロウ大活躍! やはり猫が主人公のマンガだったか。 広田さんは相変わらず壊れててよい。

野尻ボードで絶賛されていたので 『エレガントな宇宙』 を買ってみる。 確かに殆ど数式を使わずに解説を進めていっているのは凄い。 私ののーみそは量子力学あたりで止まってる。 つか,超ひも理論なんて習わんかったもん,学生時代。 今のところ相対性理論と量子力学の解説のところまでは読んだ。 懐かしいキーワードが出てきて学生時代の記憶が蘇る。 この調子なら最後まで読めるかな。

図を提供している Andrew Hanson のページ も面白いぞ。

Word文書添付は悪か?

「We can put an end to Word attachments」 (日本語訳) だが, なんだかなぁ。 彼の文章は面白いといえばそうかも知れないが, 酷く癇に障るところがある。 もし (まぁあり得ないが) 隣に本人がいらっしゃったら左手の甲で 「ほっとけ!」 とツッコミを入れてるかも知れない。

確かにファーストコンタクトの相手に事前の承諾もなくいきなりWord文書を送るのは失礼だろう。 でもそれはHTMLやPDFやその他のプレーン・テキスト以外の文書フォーマットでも同じことだ。 逆にお互いにWord文書を許容する環境なら (合意の上で) 添付したってかまわないじゃない。 Word文書が非公開で一貫性のないフォーマットだとか, Word パッケージを持ってないために履歴書が書けないとか, ここでは関係がない。

別にMSの肩を持つわけではないが, (客先とかで) MSのパッケージで最適化されたグループウェア環境を使う時, 非常に便利に思える一瞬がある。 これは事実だ。 アンチMSな人達はこの「感触」についてもっと真剣に考えるべきだ。 そうしなければ本当の意味で 「Wordファイル添付に終止符を打つ」 ことなどできないのではないか。

2002年01月20日

ただいま

帰りやした。 気がつきゃ1月も下旬。

小さなPDFファイル

この日記に書くネタじゃないけど...
「サイズが小さいPostScriptファイル及びPDFファイルをTeXから作る方法」 はよくできてるがちょっとネタが古い。 やはり今時はTXフォントと日本語版 dvipdfm で決まりでしょ。 圧縮にも対応してるし。

SETI@home データの収集と解析

ここのところ EDGE BBS で話題になっていたが, じんべさんデータ収集・解析ツールはかなりよさげな感じ。 が,まだ私のマシンでうまく動作しない。 取り敢えずレポートを投げておく。 多分セッティングの問題だと思うけど, Java用のXMLパーサなんてまず使わないからどうやればいいのかよく分からん。 「SAX2 って何だ?」 てな状態。 うまくいったら改めて紹介します。

データをXMLで持たせるってのがいいよね。 ありそうでないんだよな,こういう仕様のアプリケーション。 (業務アプリとかでは普通になりつつあるけど) これからはCSVなんか捨ててXMLを使おう!

Reg-Ren

Club-HUAAのメンバでもある Mag.さん の新作ソフトが早速窓の杜で紹介されている。 公開翌日に記事にするとはマメだよなぁ,窓の杜。 例によって全く売り込みしなかったのに勝手に紹介してくれてるらしい。 あぁ,でもこりゃ便利だわ。 いや,さすがです,Mag.さん。

いつも翻訳ありがとうございます

惑星協会の SETI@home Update は日本支部では翻訳の対象になっていないらしい。 もったいない。 現在 ML で一部翻訳が進められていて, 日本惑星協会と翻訳作業について提案してみようか, という話もある。 腕に覚えのある方は参加してみてもいいだろう。

バーチャル天文台

SETI@home のような分散型の解析システムを天文学の他の分野でも応用しようという動きがあるらしく, 全米科学財団がこの研究に1000万ドル出資することを決定したとか。 面白そうだな。 これは要チェックかも知れない。

2002年01月24日

Mozilla & JRE

じんべさんのツールを動かすために 最新のJRE を適用した。 ついでにしばらく使ってなかった Mozilla最新版 (0.9.7) にする。 0.9.7より前のバージョンにはセキュリティ上の問題があるらしいので, まだアップグレードしていない人は即ダウンロードだ。

XMLパーサ (SAX2) は Xerces で問題ない。 前回の問題は, やはりセッティングの間違いだった。 xerces.jar ファイルをインストールディレクトリ下の lib\ フォルダに入れて CLASSPATH 環境変数で無理矢理通そうとしたのがよくなかったらしい。 lib\ext\ フォルダに入れるだけで (環境変数の設定もせずに) あっさり動いた。 じんべさんのアドバイスに感謝。

さて,どんなものやら

取り敢えず MultiSeti に仕掛けておいた。 私のマシンは2日に1WUが精一杯なのでノンビリ結果を待とう。 今までに溜めている大量の result.sah があるのだが, これを取り込む方法を考えねば。

ビュアの方は申し分ない出来だと思う。 更に星図上にプロットする機能も作成中との事なので非常に楽しみである。

Java Plug-in 導入

前にも書いたが, Microsoft の JavaVM は現在維持されていない。 Windows の IE ユーザは, この機会に Java Plug-in の導入をお薦めする。

以前の Java Plug-in では <APPLET> 要素に対応していなかった (Java VM Selector が必要だった) のだが, 最新のJRE に付属する Java Plug-in は <APPLET> 要素をうまく処理してくれる。 JRE をインストールする際に Java Plug-in のセットアップもやってくれるので, 簡単に導入できる。

ただし, Java Plug-in を導入しても Microsoft JavaVM は削除されない (W2Kでは削除できない)。 何とかならん? これ。

そうそう, MozillaJava Plug-in を適用しようとしてもうまくいかないことがある (私はうまくいかなかった)。 0.9.7 のリリースノートに手動での適用方法が書いてあるので参考になるだろう。

SETI@home Update 翻訳

ML によると, 日本惑星協会から翻訳のGOサインが出たそうな。 志あらば改めて ML に参加して SETI@home Update の翻訳に協力するというのもあり。 (いや,個別で協力してもいいのだろうけど,大勢でやった方が楽しいでしょ)

2002年01月25日

今日も Java & XML

例のツール。 星図表示機能を追加した 0.71 が出た, とのことなので早速取りに行く。 が,何故か http://vane-isles.dip.jp/ にアクセスできない。 ネット上をガサゴソ探すと http://www6.ocn.ne.jp/~jimbe/SETIatHome/index.html にあった。 朝のうちに取ってくればよかったか。 星図表示もいい感じである。 ちょっとした要望を投げておく。

さて, 実は2000年6月中旬くらいから result.sah のバックアップをとっている。 これを JScafa.xml に取り込みたい。 しかし, JScafa.java をちょっと眺めてみたら SETI@home 実行環境 (要するに *.sah ファイルがそろってる状態) でないとダメらしい。 そこで result.sah 以外のファイルは現在解析中のフォルダから失敬して適当なフォルダにコピーし, 更にバックアップした result.sah ファイルを1つずつコピーして, そのワークフォルダに対して JScafa を実行することにした。 DOSのFORコマンドなんか随分久し振りに使うので思い出すのに苦労する。

このバッチ処理を実行すると, なんと JScafa.xml のサイズが2.8MBにもなってしまった。 WUの数としては四百個ちょっとなのだが... う〜ん,ちょっとデカすぎるかも。 しかも実際にビュアで眺めてみるとWU情報以外 (つまり解析結果) が表示されなかった。 どうやら空の state.sah を使ったのがいけなかったらしい。 (いや,もう少しちゃんとソースコードを見れば分かりそうなものなのだが,マヌケだ>私)

単純なDOSのバッチコマンドではダメそうである。 しかし JScafa.xml のフォーマットは分かっているので適当なインポートツールをでっち上げれば出来そうな感じでもある。 さって, どしよかなぁ。

2002年01月26日

Saturn Eclipse

九州方面って聞いてたので寝ちまいました。 西はりま天文台美星天文台 の動画を観ながら後悔する。 まっ, もっとも, 私の機材は双眼鏡だけなのでこれらの動画のようには見えなかっただろうけど。

日本人は理科離れしているか?

「この国で真に理科離れしているのは大人の方」 には私も共感します。 しかし, この問題を見る限り正答率が悪くても仕方ないんじゃないかという気も... 私,もし 「この10問を5分以内に答えろ」 といわれたら多分半分くらいしか答えられないかも。

受験シミュレーション

具体的に考えてみよう

大陸は何万年もかけて移動している

真ん中の部分を抜いて 「大陸は移動している」 なら答えられるかも知れない。 (それでもツッコミどころ満載だが) 駄菓子菓子, わざわざ「何万年もかけて」と言っているのは何故だろう。 この設問にはきっと罠がある。
悩んだ末に思い至った。 この設問では, 「万年」という具体的なタイムスケールを提示しておきながら, 「何が」と「何処へ」が欠けているのだ。 この設問に答えるためには具体的な大陸名と移動先の経緯度を試験官に訊かなくてはならない。

現在の人類は原始的な動物種から進化した

これも 「現代の人類は動物種の進化の典型のひとつである」 と大胆な意訳するなら答えることができる。 しかしこの設問はそうではないような気がする。 「原始的」であるとはどういう事だろう。 ある種が進化する前の種を「原始的」であると解釈するなら, この設問はかなり妙であると言わざるをえない。 (定義から定義を導けと言ってるようなものだ) これもやはり試験官に訊いてみなくては。

地球の中心部は非常に高温である

また出た。 「非常に高温」 とは何と情緒的な表現であるか。 前の設問もそうだったが, 「高温」とかいった比較表現の単語が出ているのにもかかわらず比較対象が存在しない。 こんな設問にどうやって答えろというのか。 しかも 「非常に」 ときたもんだ。 ここでも試験官に尋ねなければなるまい。 「温度を比較する対象は何ですか?」 「「非常に」とは温度差何度以上をさすのですか?」

我々が呼吸に使う酸素は植物から作られた

いやぁ,奇問続出で頭がスポンジになりそう。 確かに見た目では光合成をする植物は二酸化炭素から酸素を「作ってる」ように見える。 だが待て! 私達は学校でそういう風に習ったのか? 違うだろう。 実際には二酸化炭素 (やその他の物質) を材料に,より高エネルギーの炭水化物を「合成」し,分離して残った酸素を「排泄」している, と習った筈である。 しかも地球に存在する酸素は何十億年もの昔のどこかの星の誕生から消滅に至るプロセスの中で「作られた」ものである。 いよっしゃ,これは「×」だ!!
ええっ!? 「○」なのぉ。

すべての放射能は人工的に作られたものだ

この問題は簡単である。 理科の問題で 「すべての○○は××だ」 という形式の場合はたいてい「×」である。 知識以前の基本的な受験テクニックやね。
ほら,あってるでしょ。 「放射能」を「作る」なんて表現に惑わされてはいけない。

ごく初期の人類は恐竜と同時代に生きていた

考古学のことはよく知らないが, 恐竜時代には人類はおろか原人も猿人もいなかった筈である。 ほっ,あってる。 博打な設問やねぇ。 まぁ例え将来,恐竜時代の地層から人類の化石が見つかったところで 「誰かが故意に埋めた?」 として見捨てられるだけだろうけど。 オー・パーツ。

電子の大きさは原子の大きさよりも小さい

よしよし, だんだん頭を使わなくても解ける問題になってきた。 原子の内部構造を習っていれば分かる話。

レーザーは音波を集中することで得られる

これも簡単。 もっとも光線銃と音波銃の描き分けのできないSF (風) マンガで育った私らの世代にはかえって難しいかも?

男か女になるかを決めるのは父親の遺伝子だ

これも「ヒト」の染色体の知識があれば分かる話。 ってこれ「ヒト」の遺伝子の話なの? いやいや,考えまい。 そろそろ時間切れだ。

抗生物質はバクテリア同様ウイルスも殺す

これも単純な知識の問題。 もっとも私は学生時代に抗生物質の効果と副作用についての講義は受けなかったけど。

ちうわけで,運がよければ百点満点で「ごじってん」くらい? 特に前半の設問はメタメタで意味不明。 いや, この問題を解くためには理科の知識というより, 試験官との「交渉能力」とか時間内に問題を解き終える「受験テクニック」の方が大事なんじゃないだろうか。 私のようにシャイで (所作が) 鈍い人間にはとうてい解けません。

結局

社会が (もっと言えば産業が) 大衆に期待する 「問題解決能力」 とは 「与えられた課題を制限時間内に解くこと」 であり, それは今も昔も変わらないような気がする。 先の問題だって設問の内容なんか吟味しないで, カルタの絵あわせのようにスパスパッと答えれば10秒とかからない筈である。 そういう「スパスパッと答えられる」ヒトが求められている。 理科など必要ないのだ。 今の状況は社会が (産業が) 望んだ姿を (昔に比べて) より最適化された形で実現しているに過ぎない。

2002年01月27日

元ネタ

元ネタは 「科学技術に関する意識調査 - 2001年2〜3月調査 -」 だそうで。 いや,本当に昨日書いたようなペーパーテストみたいなやり方なら問題あるけど, 面接方式の調査らしいので問題あるまい。 (昨日の記述を本気にする人はおらんと思うけど) てか, 「科学」 じゃなくて 「科学技術」 なのね。

世界ランキングも (調査年がバラバラだし) あまり意味ないような。 あんな無意味な統計を並べても「調査報告」として通用しちゃうところがお役所仕事だよな。 十年前に比べて日本人全体の「理科離れが進んでる」ことは確かだろうけど, それ以上のことは何も言えないような。 それに厳密にその辺を議論・評価するためには過去十年間の世の中や景気の変化などを併せて考慮すべきだと思うぞ。 景気悪くて一定の社会的地位を持っている人ですらいつ職を失うかも分からない状況で 「理科離れが進んでる」 とか言われても。

今の子供の世代や私らの世代更に私らより上の世代 (うちの親とか) では, 受けてる教育のポリシーも質も量も全然違う。 それぞれ背負ってるものが違うのだ。 それをごっちゃに引っくるめて統計らしきものをとられても, そこに有意な情報があるとは考えにくい。

「科学 (理科)」と「科学技術」

異論は多いだろうけど, 私は 「科学」 と 「科学技術」 は似て非なるものだと解釈している。 少なくとも学生時代にはそう習っている。 しかし,実際には両者は混同されて議論されることが多い。 この前の記事なんか典型的だ。 そしてこの混同により日本の教育では (少なくとも「理系」と呼ばれる分野については) 「科学技術」者を養成するのはうまくても「科学」者は全く育っていないのではないか, とさえ思ってしまう。 これは高等教育になるほど顕著のように見える。 本当に問題なのはそういうことではないか。

学ぶ方だって科学を単なるスキルアップのための手段として見ている節がある。 ○×問題を解いたり数学公式を使いこなすのはうまくても「何故そうなのか」を知らなければ, その知識には何の価値もない。 価値のない知識を持っていてもその先には何もない。 あの報告書にそれが反映されているのかどうか。 そういえば,私やボスが「数学公式を殆ど知らない」と言ったら驚く人が多かった。 数学問題は公式を知らないと解けないと思ってる人が多いらしい。 なかなか笑える話でしょ。

(科学技術ではなく) 科学への関心度という点に関しては SETI@home の国別ランキングなんか面白いと思うぞ。 (人口における参加者の割合では日本は226ヶ国中71位だ) もっともこれは天文学という分野 (それも特殊な分野) に限られるし, 登録情報の信頼度も考えないといけないし, そもそもコンピュータやインターネットの普及率をさっ引いて考えないといけないので, 生の値をそのまま使うわけにはいかないけど。

昨日今日と

重い話になってしまった。 これも現実逃避か (^^;)
明日はきっと戻るから。

あっはっは

みんな同じ事考えてるんだなぁ。

向うの夜間は

UCBが夜間の間はスループットが確保されるらしいので, SETIQでのアクセスを夕方18時頃に設定してみる。 これで2,3日様子見だな。

2002年01月29日

「田中宇の国際ニュース解説」にて

「テロリストの肖像」「テロをわざと防がなかった大統領」 に続いて昨夜発信の 「テロの進行を防がなかった米軍」 と一連を読むと面白い。 つまり,今回 *も* 米国はいつもの手口で戦争状態を作り出し, 「黒い幽霊団」達は儲けさせて貰った, とこういう要約でいいかな。 いやぁ,ブッシュ一族も「黒い幽霊団」の一味だったとは,これはこれは。 (てなことを書くと「「陰謀論者」というレッテルが貼られ」るとか)

「アルゼンチンの悲劇」「アルゼンチンの悲劇(2)」 も面白い。 かじ取りを間違えれば日本だって 「世界金融界のジャイアン」 ことIMFのお世話になるとも限らないし。

2002年01月30日

帯域問題

あちこち巡回してみると色々誤解があるようなので,この場で解説。 (いや,見てないだろうけど,私も色々忘れてるし)

まず今回の帯域に関するポリシー変更だが, 「バークレイはSETIに対する優先度を下げた」 と思われている節がある。 が,とんでもない誤解である。 確かに帯域の優先度は下げられたが, 一方で空いている帯域を SETI@home のために全て解放してもらっている事をお忘れなく。 ネットワーク管理をやっている人なら分かると思うが, ネットワーク運用ポリシーを考える際に使える帯域を全て使い切るような設計は普通しないものである。 これはかなり異例の事であるといってよい。

SETI@home は何を探しているか

この前 Team 2ch (かな?) あたりを見て笑ってしまったが, 今これだけ色々資料が出揃ってるのに SETI@home で何を探しているかよく分かっていない人が多いような気がする。

まず「電波観測」と聞いてTV放送のようなものを観測していると思っている人が多そうな事である。 でもそれは (少なくとも現在までのSETIにおいては) 間違い。 現在までの電波観測によるSETIの拠り所としては, コーネル大学のジュゼッペ・コッコーニとフィリップ・モリソンが「ネイチャー」誌で発表した 「恒星間通信の探索」(1959.9)という論文が有名である。 つまり,これまでの SETI で探しているものはTV放送のような漫然と放たれた雑電波ではなく, 恒星間通信として明確なメッセージ性を持った電波「信号」なのである。 この辺は,手前味噌だが 「SETI@home とその技術的解説風解説」序文でも書いている。

ただし,SETI観測の手法として電波観測を用いる事に懐疑的な人も多いのは確かである。 この辺について割と手に入れやすい文献としては 文献 [23] がお薦めである。 SETI@home が期限付きなのは, こうした色々な人の間で交わされる議論や新しい技術要素を取り入れ, (電波観測のみならず) 様々な方法で実験・観測を続けていく必要があるからにほかならない。

ETI はいるのか

系外生命体に対してコミュニケーションや干渉をしようとする存在は本当にあるのか, と問われれば 「分からない」 としか答えようがない。 そういえば, 「日経サイエンス」 3月号 ではETI存在の可能性について書かれているらしい。 (でも,今買えないんだよなぁ,精算が終わるまで)

ETIの存在確率については 「ドレイクの方程式」 が有名だが, これは実際のパラメータ値が特定されているわけではないので, いくらでも解釈のしようがあるのが難点である。 文献 [23] にもあるように, 間接的な考察から (地球から観測しうる範囲での) ETIの存在に否定的な人もいる。 またNHKスペシャルでは, ETIの存在可能性についてかなり悲観的な見解を示しているのが印象的だった。 (ただし,あの番組は (特に後半は) 宗教的で情緒的な表現が多く, あまり真面目に考察する気になれない。 この辺は 「日経サイエンス」 3月号 を読んだら見解が変わるかも知れない。ので,今は保留しておく)

ただ,ETIが 「存在する」 とも 「存在しない」 とも明確に証明されていない以上 (たとえ細々としたものでも) SETIは続ける必要がある,と思う。 考えてみれば電波観測によるSETIが始まってからたかだか40年ちょっとしか経ってない。 しかもごく限られた帯域の更に限られた時空間しかカバーしていないのである。 判断を下すにはあまりに材料が乏しすぎる。

茶番

なんつうか, 面白いっちゃあ面白いのかも知れないが... 日本の国会運営はTV放送作家がシナリオを書いてるに違いない。 あぁ,そういや 「ワイドショウ内閣」 とか呼ばれてるんだっけ!?

HTMLコーディング規約

/.J の記事 にもあったが, 「日本トップ・ウェブサイト テスト プロジェクト報告書」 はコンテンツ作者は一見の価値あり,かな。 しかし,ここにある感想文などを見ていると 「何だかなぁ」 という気も。 これって要するに 「HTML/CSSにはちゃんとしたコーディング規約がないからコーディングミスがおこるんだ」 ということだよね。 まぁ分からないこともないではないが, 発想がプログラマ的。 Webコンテンツを書いてる人ってのは, むしろプログラマじゃない人が多いと思うのでアプローチとして正しいのかどうか疑問である。

私,インデントって嫌いなんだよね。 TeXなんかで昔そういうスタイルで書いてた時期もあったけど, 何年かたって見直すと読みにくいのなんの。 「ミスを少なくする書き方をする」 という点では納得できるが, インデントがどうとかまで言われる筋合いはない。 他人のコードが汚いなんて大きなお世話である。 (1年前にも書いたが) 世界中で一番キレイなコードとは「自分で書いたコード」なのである。


[Top Page] [日記最新版]