試しに Club-HUAA のコンテンツである 「SETI@homeとその技術的解説風解説」 をリライトしてみた。 以降,気がついた点を幾つか。
あらかじめ言っておくが, 私は SmartDoc を大変気に入ってる。 こういうコンセプトのドキュメントシステムは今まで殆どなかった。 これから書くことは細かい問題で,致命的なものではない。
まず, SmartDoc そのものではないが, tex2sdoc について。
以前に書いたドキュメントで試してみたのだが, これはちょっと実用的とは言いがたい。 作者の方も 「アーカイブの中にあるソースを書き換えて」 みたいな事を言っておられるので, もう殆ど使っていないのかもしれない。 複雑な pLaTeX2e ドキュメントはまず間違いなく変換に失敗する。 簡単なものについても殆どのコードを native 要素に変換しているため, 賢いとは言いがたい。 手持ちの文書を SmartDoc に自動変換するのは無理そうである。
SmartDoc 最大の不満がこれ。 とにかくエラー出力が不親切。 SmartDoc の処理は最初に文書ファイルの構文解析を行って, エラーが無ければ指定した文書フォーマットで出力するのだが, 出力フェーズでエラーが発生するとまず間違いなく例外を吐いて落ちる。 また解析フェーズでエラーが発生しても処理を続行する場合と中止する場合がある。 続行する場合にはかなりの確率で出力フェーズで落ちる。 (念の為に言っておくと, アプリケーションが落ちるだけでシステムに影響を与えるわけではない) 例外を吐いて落ちても文書のどこをどう直していいかさっぱり分からない。 結局「文書のデバッグ」みたいなことをやらされる羽目になり, その間作業が中断してしまう。
一応バージョンは 1.0 となっているが, stable とは言えないのかも。 少なくとも Java の例外を吐かない程度には完成度を上げて欲しい。
同梱のリファレンスには 「LaTeXで出力する場合は挿入する図のファイル形式はEPSのみ」 のように書かれていたが, PNGファイルでも問題ない。 ただし, LaTeX 文書に変換する場合は何故か横幅一杯に resize されてしまう。 あとで手動で直してもいいのだが, そうすると文書のバージョン管理がおかしくなってしまうので, できれば避けたい。 figure 要素で図を挿入する場合は貼り付ける図のサイズを指定できるとありがたい。
equation 要素内で数式を書くと, HTML出力の場合は強制的に MathML に変換される。 現時点で SmathDoc の出力する MathML コードを表示できるブラウザは Amaya くらいである。 Mozilla with MathML は MathML に対応しているが, SmartDoc の出力した形式では表示できない。 これは SmartDoc の出力が XHTML ではなく HTML なのが原因らしい。
他に MathML を表示できるものとしては techExplorer がある。 techExplorer の Introductory Edition はフリーで利用でき, IE や NN のプラグインとして動作する。 ただし, この場合は MathML 部分を別ファイルにしておき, プラグイン (embed 要素を使う) でそのファイルを呼び出す必要があり, SmartDoc の出力形式と合わない。
いずれにしろ HTML 出力を視野に入れる場合には数式は使えないと考えたほうがよい。
上の話に関連するが, SmartDocでは HTML の 3.2 と 4.01 には対応しているが XHTML には対応していない。 3.2 はともかく 4.01 は位置付けとして非常に中途半端な立場になってしまっているので, はやく XHTML に対応して欲しい。
SmartDoc には参考文献を列挙する機能があるが, BiBTeX のような文献管理とまではいかないようである。
SmartDocには文書を複数のファイルに分け親ファイルからインポート (単純なインクルードではない) する事によって統合する機能があるが, これが bibliography および bibliopole 要素の場合だけうまくいかない。 bibliography 要素については div 要素でインポートする事で可能だが, bibliopole 要素はこれでもうまくいかない。 参考文献を管理する上で bibliopole の内容を独立したファイルで管理できることは必須なのであるが, これは少し残念である。
公式リファレンス本なるものがあるらしい。
実はまだ買ってない。 近所の本屋さんにないのだ。 (本屋さんのデータベースにもなかった (^^;)) これを読めばまた考え方が変わるかも知れない。
以下の本を査収。 (本当は少し楽になったので,会社には休むといって,本屋さんに行ってたり)
市街の電気屋の書籍コーナーでは平積みになっていて, 100万冊あると自慢する近所の本屋ではデータベースにすら載ってないとは, どゆこと? SmartDoc の公式リファレンスでは, インストールパッケージに同梱されているリファレンス以上の内容は無かった。 ただしこの本では, 開発動機や設計ポリシーなども詳しく書かれているため, SmartDocを使おうという方は買っておくとよい。
暗号関係の本はこれから読む。 外をうろつき回ったら,また風邪が悪化したような...
(3/7 追記) レビーの方は読んだ。 エンロン疑惑が 「ウォーターゲート事件以来」 と言われる今日この頃。 今の情勢と見比べて何となく因縁を感じてしまうのは私だけ?
実はこのところ以下の本をずうっと探している。
「リスクを市民に伝達する役目を負うすべての専門家へ」 や 「BSE騒動の本質」 でも紹介されている。 私も (場末だが) エンジニアの端くれとして読んでおくべき,と思ったのだが, どうやら版元にも在庫がなく重版の予定もないらしい。 地道に古本屋をまわるしかないのか。 1999年に発売になってもうこんな状態とは, よっぽど売れなかったのか?
チラッと見たがよさげな内容。 新人教育用にいいかも。 どうせならPDFファイルをまとめてダウンロードできるようにして欲しかった。
USB に挿すアレである。 RSA 暗号方式を使うらしい。 たしかうちの営業が持ってたような (ノートパソコン持ち歩くから)... 今度どんな感じか聞いてみよう。
PGP の販売を停止したらしい。 (原文記事と日本語訳 ← ZDNet の日本語訳は誤訳が多いので注意) 全ての PGP ユーザは GnuPG への乗り換えチャンス (企業ユーザも今なら上層部を説得できる?)。
おおっ! /.J の記事 にすずきひろのぶさんがコメントしておられるぞ。 個人ユーザに限ればおっしゃる通り。 特に日本語版の PGP Desktop なんか2つくらいバージョンが古いし, サポートもいまいちな感じ (Web上から見てだが)。 U/I が日本語であるという以外は, あってもなくてもいい存在だったように思う。
問題は商用版なんだよなぁ。 まぁ組織経営で PGP コンセプトが本当にうまく運用できるのかどうかについては, 正直よく分からない。 やはり PGP Desktop は 「売れるはずのないビジネスモデル」 なのだろうか。
(3/11追記: 「PGPは儲からない――Network Associatesの結論」)
S/MIME の普及率がさほどではないのは, 日米の「プライバシー」に対する感覚の差は別にして, やはりかつての 「輸出規制」 の影響ではないかと推測する。 個人ユーザはともかく, 企業ユーザなら掌握しにくい 「信用の輪」 よりは枠組みのきっちりした X.509 の 「システム」 の方を好むような気がするからだ。 (X.509 のスペック通り稼働していると仮定しての話だが) 3,000円/年 (税別) のランニングコストもそれほど高価とは思えないし。 (もう一桁安ければ...)
「SunがMSを提訴。10億ドル以上の損害賠償とJavaサポートを要求」, 「Sunは何を訴え,何を求めているのか」
Sun のこういうところが嫌いなんだよなぁ。 「MS は Java 取り込みを諦め捨てた」。 これでいいぢゃん。 Java 黎明期の頃のWebアプリケーションは, ブラウザ側つまりクライアントサイドにいかに機能を持たせるかが鍵だった。 初期の Javascript や Java Applet はそういうコンセプトの下に登場したものだったが, 今は制御の主体がサーバサイドに移っている。 Java Applet も数ある Plug-in モジュールのひとつに過ぎなくなった。 (そういう風に業界を誘導していったのは Sun 自身だ) この状況で Java を切り捨てたMSの決断は (その裏に .NET 構想があるにせよ) ユーザとして歓迎すべきだ。
Windows ユーザは少なくとも 「どちらの Java を選択すればいいのか」 悩まなくてもよくなった。 そして更に 「Java を選択しない」 自由もあるのだ。 もっとも現実にはこの自由は不完全だ。 完全に Java を排除するには (今のところ) WinXP を導入するしかないからだ。 (いや,Win95に戻してIEを削除するという手もあるにはあるんだけど) 従って, MS に要求するとすれば 「過去に遡って」 Microsoft JavaVM を放棄させる (ユーザが放棄することを可能にする) 事だろう。
Java から Java2 への移行にあたり Sun は戦略を変更した。 Java は単なるコンピュータ言語ではなく, コンピュータネットワークを基盤としたソリューションサービスのコア技術として位置づけられるようになった。 当時 COM/ActiveX をようやくモノにしかけていた MS は, この戦略変更の意味するものを理解できなかったように見える。 Java のスペックを過小評価していたに違いない。 しかし, MS は .NET により, ようやく Java 追撃を始めようとしている。 (実際に .NET で追撃可能かどうかは別だが)
今回の訴訟や 「Apache と Sun、 Java licence で交戦」 に見る Sun のやり口は (ユーザから見て) あまりにあざとい。
この前の内容をMLに投げてみた。
「図の挿入」 だが, attribute 要素を使うとサイズ指定ができるらしい。 なるほど,そういう使い方をするのかぁ。 全く気付かなかった。
「文献管理」 についても bibliopole 要素を外部のファイルからインポートする方法を教えてもらった。 ソースコードに埋めこむのではなく, コマンドオプション bibdb で外部ファイルを指定するらしい。 将来的にはソースコードに埋めこめるようにしたいとの事。
「エラー出力」 の例外を吐く件については, 具体的な現象を報告すれば対処していただけるとの事。 しまった,ちゃんとメモっとくんだった。
MathML については当面はどうしようもない感じである。 HTML 出力の場合は数式を使わないように構成を工夫するしかない。 そういえば Mozilla 0.9.9 では遂に MathML が正式サポートになった。
Win32版 GnuPG が 1.0.6-2 に, ckt版 PGP が 6.5.8build07 にアップデートされた。 1.0.6-2 は例の zlib 問題の修正である。 ckt版 PGP は WinXP に対応した。 PGP を使うなら今後ckt版の方がいいだろう。 (商用で使えないのがアレなのだが)
問題は PDF/PostScript 関連のツール。 まぁ GnuPG ほど緊急性はないけど, また大量ダウンロードしなくっちゃ。
またお馬鹿なバグが発覚してしまった。 手元の版は直した。 パッケージをビルドして明日 (3/21) の夜にはリリースする予定。
いつの間に STLportが 4.5.3 になっていた。 BkGnuPG をリリースする前に気付いてよかったよかった。 あぁ,またモジュールサイズが増えてしまったやん。
言うのを忘れていた。 (掲載伺いを貰ってから2ヶ月以上経ってるんだもの。忘れてるって) 以下の雑誌を献本していただく。
BkGnuPG 1.0.1 を掲載していただく。 が, ちょっと説明文に問題ありかなぁ。 最近の問い合わせで 「gpg.exe がないというメッセージが出るがどうすればいいのか」 というのが多いのはこの辺の雑誌の所為か? GnuPG が何だか知らないで導入する人もいるんだろうなぁ。
上記の雑誌をパラパラめくってて気付いたが, Win32-Native 版 の PostgreSQL というのがあるらしい。 こりゃすげぇ。 取り敢えずダウンロードしておく。 (雑誌のCD-ROMからコピーしないあたり...)
てぇことは, Windowsプラットフォームで 次世代 OpenPGP Public Keyserver が構築できるって事かな。 いや,だからどうってわけじゃないけど。 でもイントラネットで公開鍵サーバが構築できるのは色々遊べそうなんだけど。
無事に 1.0.2 をリリースできました (と思う)。 久し振りなので,またもインストール版のビルド方法を忘れる。
おおっ! dvipdfm-cjk とかある。 日本語版 dvipdfm のページは今月で閉鎖。 コンテンツはミラーサイトへ。
山根信二さんの日記より: GNU Privacy Projekts (GnuPP)
なんだかんだ言ってWindowsを (単なる端末としてかも知れないが) 使ってる人は多いんだから, Windowsでできる事をきちんと示すことは大事。 GnuPP が素晴らしいのは具体的に道具を提示してみせている事。 Windowsプラットフォームでだって上手く使えばちゃんとプライバシーを守れるのだ。 こういう活動に政府が積極的に関与しているってのは素晴らしい。
それに比べて日本ときたら... 芸能人ばりにゴシップに塗れる政治家や官僚。 重要法案はサラッと流して,まるで子供の「揚げ足取り大会」のような国会。 見かけ倒しの総理大臣。 これでますます IT (ていう言葉自体すでにアレゲなのだが) 後進国に...
というわけで GnuPP パッケージを試してみた。 GPA の Win32-Native 版があるとは知らなかった。 画面は見やすいが機能的には WinPT に見劣りするかも。 Sylpheed も試してみた。 いや全然日本語が使えないのですぐに削除してしまったけど。
ところで日本語圏でも Sylpheed for Win32 開発の動きがあるようだ。 早速最新版を入れて試してみた。 細かい問題はあるが基本的な機能は問題なく動作しているようである。 やはり日本語が使えるのはいい。 残念ながらまだ暗号メールは扱えない。 今後に期待だ!
BkGnuPG 1.0.2 のベクタへの更新 (ページ上は明日更新)が完了。 相変わらず手間のかかる事。 前回 (1.0.1) のダウンロード数は 1,054 でした。 日に2人以上もここからダウンロードしてるの? 多謝。 こんな拙いソフトでもこんなに使って貰えるということは, それだけ暗号化メールへの関心が高いという事なのか?