「学問バトン」崩れ

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なんか呼ばれたような気がしたので, ご要望にお応えして。 といっても私, そんなに真面目に学問を修めたわけじゃないんですよね。 「大学の頃何を専攻されていたのか」 と言われてもねぇ(笑) でも, まぁ, せっかくだし, 何か書いてみますか。

あなたの専門・専攻・得意教科は?

大学時代に所属していたのは理学部化学科。 でも好きなのはむしろ物理。 それも宇宙論。 じゃあなぜ物理学科に行かなかったのかというと, 頭が悪かったから。 共通一次(嗚呼,懐かしい)の点が悪くてねぇ。 まぁでも今にして思えば私にはそれでちょうどよかったと思います。 当時ある教官が言ってました。 「昔の大学はアカデミックエリアだったが今はレジャーランドだ」と。 今から20年以上前の話です。 今はどうなんでしょう。

あなたは、どのようなテーマに関心がありますか?

上述のとおり宇宙論。

あなたは、なぜその専門・分野を選んだのですか?

上述のような状況でしたので, 私は専門・テーマを「選んだ」ことがありません。 どんな状況でもそのとき私のやりたいことをやりたいようにやる。 中途半端上等! 大学という「レジャーランド」はそんな私にうってつけの遊び場でした。 心理学や環境科学の講義など卒業単位に関係ない講義も山ほど受けました。 いや当時の教官や親などには迷惑かけましたけどね。 良い子は真似しちゃダメです。

ちなみに高校時代も理数科でした。 確かに中学時代から理科や数学(数学は中3になってようやく)は得意だったけど, 理数科に入った唯一の理由は(誰も受験したがらなくて)受験勉強しなくても入れる学科だったから(親は工業高専に行かせたかったらしい)。 実際, 試験当日は大風邪引いて何答えてたか覚えてないくらいの状況だったのに受かってたし。 高校時代は大学時代に次いで楽しかった。 学年トップと学年最下位が同居するクラスなんて進学校ではありえないでしょ。 人生で大事なことはタイミングに C 調に無責任ですよ。

あなたが最も影響を受けた人と、その理由を挙げてください(複数人可)。

すみません。 多すぎて挙げきれません。 これまで書いているテーマとはリンクしませんが, ここ10年くらいで言うなら, 法律娘の真紀奈さんと山根信二さんと東浩紀さんと白田秀彰さんを挙げておきましょう。 いや, 山根信二さんは SETI@home で大変お世話になっているので全くリンクしないわけではないですが。 いずれの方も(ネット上で一方的な話ではありますが)私がこれまであまり興味を向けてこなかった分野に惹かれるきっかけになった方々です。 ここでお礼を申し上げます。

あなたが影響を受けた本とその理由を、何冊か挙げてみてください。

天文学関連では2冊挙げておきましょう。 最初はこれ。

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宇宙創成はじめの三分間
スティーヴン ワインバーグ Steven Weinberg 小尾 信弥
ダイヤモンド社 1995-02
評価

エレガントな宇宙―超ひも理論がすべてを解明する 物理法則はいかにして発見されたか (岩波現代文庫―学術) なぜビッグバンは起こったのか―インフレーション理論が解明した宇宙の起源 不思議宇宙のトムキンス 新版 電子と原子核の発見 20世紀物理学を築いた人々 (ちくま学芸文庫)

by G-Tools , 2007/08/01

(広島大学の前の学長だった)牟田泰三先生の当時の授業(宇宙論)のテキストがこれだった。 今でも本棚に並んでいます。 まぁ実際には内容が古すぎて最近の知見とは合わない部分もあるんだけど入門用としてはいいかも。

そして, もう1冊がこれ。

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星三百六十五夜 夏 (中公文庫 BIBLIO 天空の世界)
野尻 抱影
中央公論新社 2003-05-23
評価

星三百六十五夜 春 (中公文庫BIBLIO) 星三百六十五夜 秋 (中公文庫BIBLIO) 星三百六十五夜 冬 (中公文庫BIBLIO) 新星座巡礼 (中公文庫BIBLIO) 日本の星―星の方言集

by G-Tools , 2007/08/01

本当は4分冊になってるんだけど, 今は夏なので夏編を挙げておきます。 昔は2分冊だったのよ。 これを高校の図書館で見つけて読んだときは衝撃を受けたね。 で, 天文民俗学に転ぶきっかけになってしまった。 野尻抱影さんの本はそりゃあもう集めまくりました。

基本的に他人の影響を受けやすい性質なので, 他にも影響を受けた本はたくさんあるけど省略。 最近のならここの Book カテゴリに記事を挙げてるし, 本のタイトルが知りたいだけなら Vox に陳列してるので, よろしければご覧あれ。(かなりコミックスが混じってるけどご容赦)

入門者に、その分野の「入門書」として一冊お勧めするとしたら何を薦めますか?

もしある分野にのめり込みたいのなら, 「入門書」など買わないことである。 それよりも自分には荷が重そうな本を1冊ドカンと買う。 そしてその本を理解するために苦労しまくるのである。 そのほうが絶対に面白い! なのでここでは紹介しない。 前の節で「入門用としてはいいかも」と書いたのも忘れてくれ(笑)

あなたが考える、その専門・分野の「武器」はなんですか?

想像力。 人は本当に想像を絶するものは想像できない。 それを克服するためには想像力を鍛えるしかない。 妄想力じゃないよ, 想像力。 妄想は既存のフレーム(世界観)の中でしか生きられないが, 想像は時にそのフレームを壊すことができる。

他人に「君、大学では何を研究してたの?」等と聞かれた場合、なんと答えるようにしていますか?

「天文学」と答えることにします。 所属学科とギャップがありすぎるのがポイント。 ギャップ萌えを狙うわけですな(少しウソ)

あなたがその専門・分野に関して、一般の方に知ってもらいたいところは何ですか?

最初に書いたように, 私は専門・テーマを選んだことがないので私自身が「一般の方」であると言える。 でも学問は特定のエリートだけのものじゃない。 「一般の方」こそ自分の興味の赴くままにそれを極める努力をするべきだろう。 結城浩さんの『数学ガール』からあの名文を引用しておこう。

「僕たちは好きで学んでいる。 先生を待つ必要はない。 授業を待つ必要はない。」

あなたがその専門・分野に今後期待することはなんですか? あるいはあなたがその分野で達成したい目標はなんですか?

私は不遜にも「専門家不全症」を唱えている人間なので, この質問はパス。 何か目標を立てて突っ走るタイプじゃないし, 私。

次に回す人たち

さて, 次に誰か回さないといけないのでしょうが, 交友関係狭いもんですみません。 まわしていいもんかどうかも分からんし。 ちうわけで, バトンはここに置いておきますので「我こそは」という方はバトンを持っていって続きを書いていただけると嬉しいです。

では。 (こんなもんでいいですか, inflorescencia さん