Android 勉強会に行ってきた
実は Android 勉強会に参加したのは今回で2回めで,しかも前回の参加は2010年だった。 前回のときはちょうど Android が面白くなり始めたところで興味本位で参加したが,実は今回も興味本位だった。
今回のメインはやはり「Androidで車関係いろいろ挑戦してみた」だろう。 登壇者はブリリアントサービスの杉本礼彦さん。
最近の殆どの車には故障診断用のコネクタが付いているのだが,これの規格が OBD2 というらしい。 昔は故障診断のキットやスペック等は公開されてなかったと思うが,最近は標準規格があって OBD2 用のアダプタも市販されていて Android からでも読めるそうな。 これを Google Glass につないだら面白いんちゃう? というのが今回の実験の趣旨(安全を考慮して実験はサーキット・コースで行ったそうだ)。
結果から言うと,バイクでは使い物にならなかったらしい(バイクでは体移動が大きいのでメガネが邪魔)。 んで,自動車ではそれなりに使い物になったが,一番良かったのは Google Glass の骨伝導スピーカーだそうだ。 つまり,一定の回転数まで上がったら骨伝導スピーカーから音がなるように設定しておけば,ギアチェンジのベストタイミングがわかるというわけ。
OBD2 からは様々な情報が取れるが,一番重要な油温は,取れる車種と取れない車種があるらしい。 昔と違って今の車は油温が上がり過ぎると一発でエンジンがオシャカになるので,この情報はほしいところだ。
(余談だが,アメリカの自動車保険には被保険者の OBD2 の情報を(スマホ経由で)で常時取得し査定に使ってるところもあるそうだ。 アメリカが(リーマンショック以降ガソリンの値上げで車の利用率は減少傾向とはいえ)車社会であることを考えると,つまるところ,保険会社に日常生活のほとんどを見られているのと変わらないわけだ。 確かに被保険者の日常生活を一部始終知ってれば保険会社はありがたいだろう。 凄い時代になったものである)
この「バイクでは使い物にならない」というのは結構重要なポイントで,つまり, wearable 製品は汎化が難しいのではないか,というのが杉本礼彦さんの見解である。 逆に言うと,そこにビジネスチャンスがあるわけだ。 one off の一品物を作る技術は(刀鍛冶からはじまり)日本のお家芸とも言えるわけで,アイデアさえあれば色々できるのではないかと思う。
私の車載ソフトウェアの知識は10年前で止まっていて,最近はどうなってるの,ってのが今回の勉強会の興味の中心だった。 私のときは ECU (Engine/Electronic Control Unit)のプログラムをベクタテーブルの記述からフルスクラッチで書いていて,私がこの分野から離れるちょっと前くらいにようやく OS が整備され始めたってところだった。 それが今や MirrorLink で CommonAPI で SBP の時代ですってよ。 (SBP が実装されるようになれば OBD2 はお払い箱になって直に無線でつながるようになるらしい)
もともと車載 LAN はハーネスの省線化の要求から来ていた。 それが最近では「もういっそのこと無線でいいぢゃん」ってことになり始めているらしく,大丈夫なんだろうか,と思ってしまう。 「無線はしょせん有線の代わりにはならない」というのは,私たちソフトウェアエンジニアが身にしみて分かっていることだ。 ECU やそれらを繋ぐ車載 LAN は外部からの干渉を考慮して作られているわけではない。 その辺をどう対応していくのかが見ものである。
片田舎の広島でも少しづつイベントが立つようになったみたいで,今月末は Firefox OS の勉強会があるし,来月には DevLove のイベントもある。 DevLove は行ってみようかな,と思っている(「地方で働く(仮称)」というタイトルにちょっと惹かれる)。