【速報】 Winny 作者 無罪確定
よーーーーーーーーやくだよ。
金子勇さんの逮捕が2004年10月。んでもって京都地裁で罰金刑の有罪を言い渡されたのが2006年12月。大阪高裁で逆転無罪になったのが2009年10月。そして今回の最高裁への上告が棄却されたのが2011年12月。
長すぎるよ。しかも棄却された理由が
「最高裁判所は12月19日付けで、「多数の者が著作権侵害に利用する可能性が高いと認識していたとはいえない」として、検察側の上告を棄却した。」(「「Winny」開発者、無罪確定へ--検察側の上告を棄却 - CNET Japan」より)
って何だよ,それ。何のための7年だったんだよ。
この7年の間に何が起こったか。
- Winny はセキュリティ脆弱性が発見され,(作者は手を付けられないため)ウイルス散布システムとなり果てる。 暴露型ウイルスが大流行し Winny を中心とした匿名議論は消滅した。 かつての Winny ユーザの多くは Winny を捨てて Share や Perfect dark などの類似のツールに移行する。 ただし Share や Perfect dark の作者が逮捕されたという話は聞かない。
- 世界で主だった P2P ファイル交換サービスがほとんど滅ぶ。 残ってるのは BitTorrent くらい。 しかもその BitTorrent を使って Sony Pictures Entertainment, Fox Entertainment, あるいは NBC Universal といった企業が海賊版コンテンツのダウンロードを行っているというカオスっぷり (BitTorrent を用いた海賊版ダウンロード、Sony、Universal、Fox からも行われた事が判明 | スラッシュドット・ジャパン YRO)。 おっと,ダウンロードが違法だなんて阿呆なことを言ってる国は日本くらいだった。
- 違法なアップロードは P2P にとどまらない。 YouTube や ニコニコ動画などでも横行していたが,サービスプロバイダが罪に問われることは殆どなく,最終的には放置されるか金で解決されている。
- Google が Google Book Search によって従来の著作権のルールをぶっ壊す。 今や著作権のルールはオプト・インからオプト・アウトへと変わろうとしている。 またアメリカ DMCA の例外規定についても緩和の方向に向かいつつある (速報! 米著作権庁、合法利用の範囲を大幅拡大―iPhone脱獄など全6項目)
- 一方,日本では,硬直した著作権法のせいで世界の IT トレンドから取り残される。 音楽サービスやビデオサービスの中には日本をシャットアウトしているものも多い。 特に,現在普及期に入りつつあるクラウドだが,日本ではいまだにグレイまたは NG である。 おかげで日本の Apple ユーザは iCloud の恩恵に預かれないなどの弊害が起こっている。
- 更に日本では今だに CCCD の夢を捨てきれず,鋭意新技術を開発中である(DNP、違法音楽コピー再生時に妨害雑音を発生させる技術 -AV Watch)。 懲りないなぁ。 あるいは自炊代行業者を訴えるとか,実害がほとんどありそうもない瑣末なことに目くじらを立てて怒っている。 情報の価値が機器間あるいはサービス間の mobility にあることがどうにも理解できていないようだ。
とまぁ,こんな感じで,日本は着実に黄昏時に入っている。
おそらく,この件については続々と分析や評価が行われると思うので,面白いネタでもあればまた紹介していこうと思う。
過去の参考記事: