Apple はソフトウェアの管理ができていないのではないか?
iPad を iOS 5 にアップデートしようとしているのだが,バックアップ・フェーズから先に進まない。 明らかに iPad の中身以上のものを取ろうとしてるように見えるのだが,どうなっているのだろう。 このままではアップデートが完了する前に iPad のバッテリが切れそうだったので,いったん中断して充電中である。 ホンマに大丈夫なんかいな。
それはさておき,今回の iCloud/iOS 5 のリリースに関連し,一連の Apple 製品に対してセキュリティ脆弱性の報告が出ている。
- About the security content of iTunes 10.5
- About the security content of iOS 5 Software Update
- About the security content of Safari 5.1.1
- About the security content of Apple TV Software Update 4.4
- About the security content of OS X Lion v10.7.2 and Security Update 2011-006
- About the security content of Pages for iOS v1.5
- About the security content of Numbers for iOS v1.5
つまり,これらの製品に関しては「アップデートしてもよい」のではなく「アップデートしなければならない」。 メディアの報道は機能改善または追加ばかり強調されているが,これがセキュリティ・アップデートでもあることを忘れてはいけない。
それにしても,インシデント多すぎだろ! なんでこんなになるまで溜め込むんだ。 思うのだが, Apple はソフトウェア製品の管理がまともに出来てないのではないだろうか。
ソフトウェアのメジャー・バージョンアップの際は,そのバージョンをトランクからブランチし,保守フェーズに入れる。 その一方でメインのトランクでは次のバージョンに向けての開発を行う,というのが普通である。 これは企業製品でもオープンソースの製品でもだいたい同じである。 でも Apple 製品はそうやっているように見えない。 リリースしたバージョンがほとんど保守されず(最近はユーザに暴露され緊急性の上がった脆弱性は fix されるようになったが),不具合や脆弱性の修正は次バージョンに含まれてしまうのだ。 これが1つか2つのそれも軽微な内容なら「次のバージョンに含めてしまえ」という判断もアリかも知れないが,上のリンク先を見るように, Apple 製品においてはインシデントがあまりにも多すぎる(インシデントに対してしかも脅威の大小も示されない)。
よく Android と iOS の対比で Android を Microsoft に喩える人がいるが,私に言わせれば,現在の Apple に最も近いのは1990年代の(つまり最も悪名高い時代の) Microsoft である。 あの時代の Microsoft はインシデントに対して積極的ではなく機能の改善や追加に躍起になっていた。 そのせいでセキュリティ上の問題が後回しにされユーザを不安に陥れている。
セキュリティ・インシデントを後回しにするような(そんな管理体制を敷くような)企業はユーザを軽視しているのと同義であり,そんな企業はク◯ッタレである(下品でゴメン)。
というわけで, iPad がメジャー・バージョンアップするたびに後悔するのだが(次は Android タブレットを買う!),ン万円もするものをひょいひょい買い換えられるほどお金持ちでも無いので,しばらく苦行は続きそうである。 おれは Apple 教の在家信者じゃねーっての!