2004年の重大ニュース

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以前の「もっと辺境から戯れ言」Baldanders.info/RandomNote で収集していた「気になる話題」をまとめてみました。

集めてみると結構記事があって, とりとめのないものになってしまいました。 このなかから主なものをいくつかピックアップしてみましょう。

昨年話題になった Creative Commons Japan ですが, 今年の3月に日本版 CCPL がリリースされた後は完全に尻すぼみ状態になっています。 ただしこの現象はどうやら日本だけのローカルなもののようで, 国外では特にヨーロッパを中心に非常に盛り上がっている印象を受けます。 CC/CCPL を利用したアプリケーションやサービスもいろいろ出てきました。

日本だけが盛り上がらない理由の一つは, CCPL が先行しすぎて肝心の CC についての議論が置いてけぼりになっている(あるいは議論することを忌避している)からではないかと考えたりします。 CC から少し離れたところでは iSession Creativeised@glocom といった動きがあるので, 今後はこれらの活動がどう展開されるか期待してみていきたいと思います。 (iSession Creative では Creative Commons の blog 記事の翻訳も行われています)

著作権関連では今年は「輸入権」関連の改正案が強行採決されました。 更に今年後半からは著作権保護期間の延長に向けて動きが始まっています。 このように権利のバランスが産業サイドに傾いていく傾向は今後も強まりそうです。 「輸入権」のときと同じく手遅れにならなければいいですが... (著作権保護期間の延長については改めて記事にしたいと思います)

アメリカ国内の話題なので日本ではあまり取り上げられないようですが, 「ブッシュ政権と科学界の対立」も注目されるところです。 この件については, 私の興味範囲では, 特に天文学や宇宙開発への影響が懸念されています。

一方で今年は惑星探査の年になりました。 特に NASA が送り込んだ2機の火星探査車の成果は素晴らしいものでした。 日本の「のぞみ」はちょっと残念でしたが。 太陽系内の惑星や小惑星・彗星などの探査はまだまだ続きます。 来年も期待してみていきましょう。

天文学関連ではもうひとつ。 太陽系外探査の大きな成果があげられます。 日本の「すばる」望遠鏡もこれらの観測に貢献しています。 更に太陽系外探査といえば SETI@home ですが(少し強引), ついに BOINC/SETI@home が本稼動をはじめています。 ただしサーバサイドのパフォーマンスの問題などがあり Classic 版からの完全移行はまだ先のようです。

セキュリティ関連では, やはり Phishing が筆頭に挙げられるでしょうか。 今年を「Phishing 元年」と呼ぶ人もいるようです。 日本語による本格的な Phishing メールも登場しています。

以上, マスコミニュースとはちょっと違った切り口で「重大ニュース」を挙げてみました。 皆さんにとっての「重大ニュース」はどんなものがあるでしょう。 この一年を振り返って考えてみるのも面白いと思います。