List of market - Baldanders.info
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2015-04-26T09:00:00+00:00
バルトアンデルスは連続的な怪物,時間の怪物である。(ホルヘ・ルイス・ボルヘス 『幻獣辞典』より)
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「顧客が満足する」とはどういうことか
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2015-04-26T09:00:00+00:00
2015-04-26T09:00:00+00:00
もう「消費は美徳」ではないし,私たちは数字で表されるだけの「大衆」ではない。
Spiegel
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<section> <h3>大手出版社による「中抜き」が始まった</h3> <p> 適当な記事が見つからなかったので,新聞記事の切り抜きでゴメン。 </p> <figure> <blockquote> <q>出版大手のKADOKAWA(角川)が4月からインターネット通販大手のアマゾンジャパン(東京・目黒)と紙の書籍・雑誌の直接取引を始めた。出版物を書店に届ける取次を介さないことで物流を効率化。消費者に早く商品を送り届けられるようにする。</q> </blockquote> <figcaption><q><a href="http://www.nikkei.com/article/DGKKASDZ21HPG_R20C15A4MM8000/">KADOKAWA、アマゾンと書籍を直接取引 取次介さず、ポイント還元も :日本経済新聞</a></q>より</figcaption> </figure> <p> 個人的な感想を言えば今さらな感じ。 KADOKAWA 系列の紙の書籍や雑誌は,少なくとも Kindle 日本上陸以降は買ってない(竹本泉さんの単行本は例外かな。 KADOKAWA からはいなくなったけど)。 雑誌はそもそも買わないし,マンガもラノベも Kindle で買っている。 今さら Amazon へ直接卸すと言われても... </p><p> それよりも気になるのは,将来的にこの取り組みを一般の書店に広げようとの目論見があるらしいことだ。 日本の書籍流通は「取次」によって牛耳られているといっても過言ではない。 この状況が変わるかどうか,見ものである。 </p> </section> <section> <h3>「ドイツ出版業の実態調査」</h3> <p> このニュースに関連して Facebook のご近所さんでは「ドイツ出版業の実態調査」が紹介されていた。 </p><ul> <li><a href="http://www.miraiken-web.com/committee/report/">書店未来研究会 ドイツ出版業の実態調査 — 未来研web</a></li> </ul><p> この中で「日本の出版業の課題」として </p><ol> <li>返品率の大幅改善</li> <li>売り逃しを少なくする適正数配本</li> <li>注文品の仕入日数短縮</li> <li>上記もとにした小売書店の粗利率向上・経営改善、出版社の経営改善</li> </ol><p> を挙げている。 たとえば「取次」の項目では </p> <figure> <blockquote> <q>ドイツには、日本の出版取次会社のような出版社と小売書店の間の物流と決済の両方を一手に扱う卸売会社(問屋)は存在せず、問屋は出版社から仕入れた自社在庫を前提に小売書店からの注文に応える存在である。その問屋はとにかく注文品を早く届けることを第一義とし、注文品の97%は翌朝店着する。業界全体では問屋経由の取引は一般的に2割程度である。上記(1)にある通り、問屋は注文システムを提供し、書店と出版社の倉庫業務代行、出版社の配送業務代行もしており、書店と出版社との直接取引にも関与はしているが、その決済は出版業界団体系列の中立的代行会社BAGが代行している。卸売会社である取次がすべての決済を行う日本の仕組みとは大きく異なる。</q> </blockquote> <figcaption><q><a href="http://www.miraiken-web.com/committee/report/s3_2.html">書店未来研究会 ドイツ出版業の実態調査</a></q>より</figcaption> </figure> <p> などと書かれている。 </p><p> さきほどの KADOKAWA のニュースに寄せるなら,出版社と書店との間で在庫管理・流通・決済を制御できるのなら「取次」は要らないが,実際の出版社や書店でそれができるところは限られていて,できない企業・店舗は限りなく「奪われる」だけの存在になる。 KADOKAWA や Amazon はそれができる出版社および書店であり,「奪われる」だけの企業・店舗との格差は広がるばかり,というわけだ。 </p><p> でも書店から客が逃げるのは,そこが理由じゃない(<span class="offrec">ちなみに <a href="https://baldanders.info/blog/000816/">e-book を含めれば「不読率」は減ってる</a>らしい</span>)。 たとえば「タリア急成長の理由」として </p> <figure> <blockquote> <q>再販制があり、価格競争がない環境で宝飾品小売チェーンから書籍小売業界に参入して一気にトップに躍り出た理由は、書店として初めて顧客満足に徹する存在だったからであろう(→タリアでのヒヤリングを参照)。豊富な品揃えならフーゲンドゥーベルがすでにあったわけで、小売店として見栄えやたたずまい、居心地の良さに配慮した書店が、タリアの登場までなかったということである。</q> </blockquote> <figcaption><q><a href="http://www.miraiken-web.com/committee/report/s3_1.html">書店未来研究会 ドイツ出版業の実態調査</a></q>より</figcaption> </figure> <p> と書かれている。 じゃあ,書店に来る客(=読者)にとって「満足」とはなんなのか。 </p> </section> <section> <h3>Amazon は「ショッピング・モール」じゃない</h3> <p> Amazon では様々なものを売っているが,ユーザ側は「スーパーの品ぞろえを見てその日の夕飯メニューを決める買い物客」のようには利用しない(全くないとは言わないけど)。 ユーザが Amazon に来るときには既に何を買うか決まっており,サイトには「最後の1クリック」を押しに来ているに過ぎない。 だからいくら Amazon の中身を見てもそこに客が来る理由は分からない。 なぜなら,ユーザが Amazon に来る理由は Amazon の外側にあるからだ。 </p><p> たとえば私がこのブログで,ある<a href="https://baldanders.info/blog/book.shtml">本の感想を書いて</a>末尾に Amazon へのリンクを張ったとする。 もしこのリンクから Amazon へ飛んで本を買った人がいるとするなら,それは多少なりとも私の文章が(共感なり嫌悪なり)影響を与えたということだ。 そのプロセスにおいて Amazon 自身は購入動機を与えておらず,単なる「購入ボタン」に過ぎない(<a href="http://www.advertimes.com/20150414/article188954/">stealth marketing</a> でなければねw)。 本は(紙であれデジタルであれ)読者と読者,読者と作者,あるいは作者と作者をつなぐ medium であり, Amazon はそのつながりを細大漏らさず捉えることでユーザとのビジネス機会を得る努力をしている(かつてこれは「ロングテイル理論」と呼ばれていた)。 </p><p> はたして日本の他の書店がそこまでの努力をしていると言えるのか。 </p> </section> <section> <h3>ものを売る「だけ」のお店になったら試合終了</h3> <p> ちょっと話が逸れるけど,最近こんな記事があった。 </p><ul> <li><a href="http://hanamizukilaw.cocolog-nifty.com/blog/2015/04/post-dda8.html">「『ご自由にお取りください』ラーメン店でネギを大量に食べたら『出禁』」問題の法的説明のありかたについて: 花水木法律事務所</a></li> </ul><p> 「ご自由にお取りください」のネギを食い散らかした客を出禁にできるかどうかの法的な解釈はリンク元の記事を見ていただくとして,個人的に惹かれたのは最後の文言。 </p> <figure> <blockquote> <q>とはいえ、「まず店主の面接をパスしないと入店できないラーメン店」って、案外流行るかも。</q> </blockquote> <figcaption><q><a href="http://hanamizukilaw.cocolog-nifty.com/blog/2015/04/post-dda8.html">「『ご自由にお取りください』ラーメン店でネギを大量に食べたら『出禁』」問題の法的説明のありかたについて</a></q>より</figcaption> </figure> <p> 私(面接まではしないけど)近い店なら知ってるよ。 ラーメン屋じゃないけど。 たとえば「隠れ家」として知る人ぞ知る店。 たとえば「会員制」の札を掲げた飲み屋さん。 昔は「会員制」の札はチンピラ除けだったりしたんだけど,最近はそれとなく一見客を除けるための手段として使ってるところがあるよね。 </p><p> これはどんなお店でも同じだと思うけど,お店にとって一番重要なことはリピート(常連)客を離さないことだ。 「一期一会のおもてなし」は「次も来てくれるかもしれない」という期待と背中合わせになっている。 そのために敢えて一見客を避ける店構えにする戦略もあるのである。 </p><p> 10年近く前の話だが,行きつけのお店の店主が変わり,クーポンを積極的に使って客寄せした結果,1年も経たずに店をたたむことになった。 理由は簡単だ。 (私を含め)常連客が逃げてしまったからだ。 クーポンを使ったやり方は瞬間最大風速は稼げるものの,止めれば無風になる。 クーポンを握りしめて来る客はお店目当てで来店しているわけではなく,常に「お店の間」を渡り歩いている。 だからリピートしなかった。 </p><p class="offrec"> (もちろんクーポンを発行するサービス・プロバイダは端からそれを目論んでいる。 クーポン客がその店の常連になったらクーポンを使わなくなるからね。 客もお店もクーポンに依存するよう仕向けることが,彼らにとって最善なのだ) </p><p> もちろん新規のお客さんを獲得するのは大事。 特に広島市みたいな「支店都市」では頻繁に客層が変わるので,それに追随しなければならない。 でも,そのためにリピーターを離してしまったら,後に何も残らなくなってしまう。 </p><p> お店なんだから最終的にはものを売らなくては話にならない。 でも,ものを売る「だけ」のお店になってしまったら,そこで試合終了なのである。 これは書店も同じ。 本を売りたいなら,本にまつわる affordance を構築する必要がある。 あるいは(本らしく)「文脈(context)」と言い換えてもいい。 (<span class="offrec">これってつまり branding の話なんだよねぇ。 Branding の話では最近見た <a href="http://wired.jp/2015/04/10/mazda-1/">Mazda の記事</a>が面白かった</span>) </p> </section> <section> <h3>私たちは「大衆」ではない</h3> <p> しみじみ「ヒトは社会的動物なんだなぁ」と思うのは,人は人との間に自然に「文脈」を創り,無意識にそれを維持しようとすることだ(時にそれが「絆し」として強く作用してしまうのだが)。 特に「つがりっぱなしの日常を生きる」今の私たちはその傾向が強い。 であるなら,「ものを売る」人もそこに適応していく必要がある。 </p><p> 先日,<a href="https://baldanders.info/blog/000830/">地元のお酒の蔵開きに行った</a>。 お酒は人の技術の結晶であり,またその後ろにいるお百姓さんや研究者の方々との「協働(collaboration)」でもある。 私たちは「それ」を知ることで更に美味しくいただくことができるし,また「それ」を別の文脈に乗せて伝えることもできる。 単にものを買って飲んだくれているだけではない。 </p><p> なんだってそうなのだ。 今はもう昭和時代の「消費は美徳」ではないし,私たちは<a href="https://baldanders.info/blog/000638/">数字で表されるだけの「大衆(big data)」ではない</a>。 </p> </section> <section> <h3>参考図書?</h3> <div class="hreview"><a class="item url" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B009IMAGYQ/baldandersinf-22/"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51z%2BiAd-8QL._SL160_.jpg" alt="photo" class="photo"/></a><dl><dt class="fn"><a class="item url" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B009IMAGYQ/baldandersinf-22/">犬とハサミは使いよう 1</a></dt><dd>更伊 俊介 鍋島 テツヒロ </dd><dd>KADOKAWA / エンターブレイン 2011-02-28</dd><dd>評価<abbr class="rating" title="4"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/G/01/detail/stars-4-0.gif" alt=""/></abbr> </dd></dl><p class="similar"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00CFJIZYM/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/B00CFJIZYM.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="犬とハサミは使いよう2"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00CFJJ01O/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/B00CFJJ01O.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="犬とハサミは使いよう3"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00CFJJ05A/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/B00CFJJ05A.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="犬とハサミは使いよう4"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00CFJJ03M/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/B00CFJJ03M.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="犬とハサミは使いよう5"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00CPEB6PW/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/B00CPEB6PW.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="犬とハサミは使いよう6"/></a> </p> <p class="description">犬になっても本を読む!</p> <p class="gtools">reviewed by <a href="#me" class="reviewer">Spiegel</a> on <abbr class="dtreviewed" title="2015-04-26">2015/04/26</abbr> (powered by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html">G-Tools</a>)</p> </div> <div class="hreview"><a class="item url" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4794220871/baldandersinf-22/"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61UiSBsShrL._SL160_.jpg" alt="photo" class="photo"/></a><dl><dt class="fn"><a class="item url" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4794220871/baldandersinf-22/">つながりっぱなしの日常を生きる: ソーシャルメディアが若者にもたらしたもの</a></dt><dd>ダナ・ボイド 野中モモ </dd><dd>草思社 2014-10-09</dd><dd>評価<abbr class="rating" title="4"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/G/01/detail/stars-4-0.gif" alt=""/></abbr> </dd></dl><p class="similar"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344979516/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4344979516.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="ソーシャルメディア中毒 -つながりに溺れる人たち- (幻冬舎エデュケーション新書)"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4761920971/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4761920971.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="わたしたちのLINEハンドブック"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478022925/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4478022925.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="依存症ビジネス――「廃人」製造社会の真実"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4022735643/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4022735643.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="ソーシャルメディアの何が気持ち悪いのか (朝日新書)"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4335551630/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4335551630.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="〈つながる/つながらない〉の社会学-個人化する時代のコミュニティのかたち"/></a> </p> <p class="description">まだ3分の1も読めてない。もう少し頑張る。</p> <p class="gtools">reviewed by <a href="#me" class="reviewer">Spiegel</a> on <abbr class="dtreviewed" title="2015-04-26">2015/04/26</abbr> (powered by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html">G-Tools</a>)</p> </div> <div class="hreview"><a class="item url" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00DIM6BE6/baldandersinf-22/"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/519%2BkIHb71L._SL160_.jpg" alt="photo" class="photo"/></a><dl><dt class="fn"><a class="item url" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00DIM6BE6/baldandersinf-22/">インテンション・エコノミー~顧客が支配する経済</a></dt><dd>Doc Searls 栗原潔 </dd><dd>翔泳社 2013-03-14</dd><dd>評価<abbr class="rating" title="4"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/G/01/detail/stars-4-0.gif" alt=""/></abbr> </dd></dl><p class="similar"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00W535LOU/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/B00W535LOU.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="HARD THINGS 答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうか"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00TXZXE5Q/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/B00TXZXE5Q.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="パーソナルデータの衝撃"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00T3YFXJM/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/B00T3YFXJM.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="UX侍 スマホアプリでユーザーが使いやすいデザインとは (impress Digital Books)"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00J9ZGYQQ/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/B00J9ZGYQQ.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="位置情報ビッグデータ (NextPublishing)"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00LTCR0IS/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/B00LTCR0IS.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="起業のエクイティ・ファイナンス"/></a> </p> <p class="description">時代はソーシャル CRM から VRM へ。<a href="https://baldanders.info/blog/000794/">俺達がインターネットだ!</a></p> <p class="gtools">reviewed by <a href="#me" class="reviewer">Spiegel</a> on <abbr class="dtreviewed" title="2015-04-26">2015/04/26</abbr> (powered by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html">G-Tools</a>)</p> </div> </section>
貧すれば鈍す; 『ニッポンの個人情報』を読む
tag:Baldanders.info,2015-02-19:/blog/000808/
2015-02-19T09:00:00+00:00
2015-02-19T09:00:00+00:00
「プライバシーフリーク」によるトークショウを収録。日本の「プライバシー(権)」の現状を垣間見るには面白いかもしれない。
Spiegel
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<p> 本日2月18日に個人情報保護法の改正案が出た。 今国会での成立を目指すらしい。 批判のあった「利用目的の変更を事前の同意なしに変更できる(オプトアウトで対応)」とした部分については </p> <figure> <blockquote> <q>政府が今国会で成立を目指す個人情報保護法改正案の概要が18日、明らかになった。本人同意がなくても個人情報の利用目的を変更できるとしていた当初案は、消費者の懸念を踏まえ撤回。企業側が難色を示していた個人情報の定義拡充も見送り、消費者、企業双方に配慮した。</q> </blockquote> <figcaption><q><a href="http://jp.wsj.com/articles/JJ11644224941768374445717948595381413215656">「同意ない目的変更」を撤回=個人情報保護法改正案—政府 - WSJ</a></q>より</figcaption> </figure> <p> ということで,一応回避されたらしい。 他の論点についてはおいおい記事が出てくるだろう。 </p><p> 今日は体調不良で1日臥せってたので『ニッポンの個人情報』を読んでいた。 我ながらなかなかタイムリーだ(笑) </p><p> この本は(地方在住者から見て)東京ローカルで行われた「プライバシーフリークカフェ」なるトークイベントの内容を収録したものらしい。 そういうのがあったことは知っていたがメンツがメンツなので完全にスルーしていた(東国は遠いしね)。 このメンツでこんなトークショウを見たがるのってオタクか変態であろう。 まぁでも, Kindle 化されていたので「とりあえず読んでおくかなぁ」くらいで。 </p><p> 実際,あとがきでは真面目なことも書かれているが,基本的には「ネタ本」以上のインパクトはなかった。 個々の著者の方々の仕事には敬意を払うし(やまもといちろうさんは本気で何する人か知らないけど),今回の個人情報保護法改正の議論にも少なからず貢献されているのだろうが,それをこんなトークショウで「ネタばらし」したところで「それで?」くらいの感想しかない。 </p><p> いやもう,ウンザリなのよ。 著作権法改正にしてもサイバーセキュリティ基本法にしても,今回の個人情報保護法改正にしても。 はっきり言おう。 </p><p class="center caution"> まともな議論がしたいならリポジトリを GitHub に公開しろ!<br/> そして pull request を募集しろ!<br/> パブコメとか緩いこと言ってるんじゃねぇ! </p><p> である。 法律こそ code driven で議論すべきなんじゃないのか。 私たち国民の頭の上で空中戦やってんなよ。 </p><p> 日本は本当に「貧すれば鈍す」(この言葉は本文中に出てくる)なんだなぁ,と改めて思う。 文化的にも経済的にも「黄昏時」のこの国は,もはや自分自身を切り売りするしかない。 そんな思惑が透けて見えるのが今の著作権法であり個人情報保護法である。 そもそも背骨となる「プライバシー権利法」と呼べるものがなにもないあたりに日本のダメさ加減うかがい知れる。 </p><p> (「プライバシー(権)」に関する議論もろくにないまま「個人情報保護」とかどんだけ本末転倒なんだよ) </p><p> 日本国にも(それを動かす)政府にも,そして市場にも何も期待しない。 自分の身は自分で守るしかない。 私は「悪法も法」とは思わない。 </p><p> そんな気持ちを新たにする読後であった。 </p> <div class="hreview"><a class="item url" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4794220871/baldandersinf-22/"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61UiSBsShrL._SL160_.jpg" alt="photo" class="photo"/></a><dl><dt class="fn"><a class="item url" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4794220871/baldandersinf-22/">つながりっぱなしの日常を生きる: ソーシャルメディアが若者にもたらしたもの</a></dt><dd>ダナ・ボイド 野中モモ </dd><dd>草思社 2014-10-09</dd><dd>評価<abbr class="rating" title="4"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/G/01/detail/stars-4-0.gif" alt=""/></abbr> </dd></dl><p class="similar"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344979516/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4344979516.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="ソーシャルメディア中毒 -つながりに溺れる人たち- (幻冬舎エデュケーション新書)"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4761920971/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4761920971.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="わたしたちのLINEハンドブック"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478022925/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4478022925.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="依存症ビジネス――「廃人」製造社会の真実"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4794968698/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4794968698.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="インターネットが普及したら、ぼくたちが原始人に戻っちゃったわけ"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4166609955/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4166609955.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="インターネット・ゲーム依存症 ネトゲからスマホまで (文春新書)"/></a> </p> <p class="description">プライバシーについて考えるのならむしろこちらを読むことをお薦めする。</p> <p class="gtools">reviewed by <a href="#me" class="reviewer">Spiegel</a> on <abbr class="dtreviewed" title="2015-02-19">2015/02/19</abbr> (powered by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html">G-Tools</a>)</p> </div> <div class="hreview"><a class="item url" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4622077655/baldandersinf-22/"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41M81mMGOkL._SL160_.jpg" alt="photo" class="photo"/></a><dl><dt class="fn"><a class="item url" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4622077655/baldandersinf-22/">プライバシーの新理論―― 概念と法の再考</a></dt><dd>ダニエル・J・ソローヴ 大谷 卓史 </dd><dd>みすず書房 2013-06-26</dd></dl><p class="similar"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798139769/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4798139769.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="ニッポンの個人情報 「個人を特定する情報が個人情報である」と信じているすべての方へ"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4003900014/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4003900014.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="民主主義の本質と価値 他一篇 (岩波文庫)"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4890780335/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4890780335.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="OECDプライバシーガイドライン―30年の進化と未来"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478064830/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4478064830.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="パーソナルデータの衝撃――一生を丸裸にされる「情報経済」が始まった"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480016155/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4480016155.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="法哲学講義 (筑摩選書)"/></a> </p> <p class="description">まだ読みかけで積ん読中。すみません。</p> <p class="gtools">reviewed by <a href="#me" class="reviewer">Spiegel</a> on <abbr class="dtreviewed" title="2015-02-19">2015/02/19</abbr> (powered by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html">G-Tools</a>)</p> </div> <div class="hreview"><a class="item url" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00TFETR3I/baldandersinf-22/"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51BSccJXzPL._SL160_.jpg" alt="photo" class="photo"/></a><dl><dt class="fn"><a class="item url" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00TFETR3I/baldandersinf-22/">ニッポンの個人情報 「個人を特定する情報が個人情報である」と信じているすべての方へ</a></dt><dd>鈴木 正朝 高木 浩光 山本 一郎 </dd><dd>翔泳社 2015-02-19</dd><dd>評価<abbr class="rating" title="3"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/G/01/detail/stars-3-0.gif" alt=""/></abbr> </dd></dl><p class="similar"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00TIK9PL8/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/B00TIK9PL8.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="スマホに満足してますか?~ユーザインタフェースの心理学~ (光文社新書)"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00T5YU8X6/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/B00T5YU8X6.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="プライバシー大論争 あなたのデータ、「お金」に換えてもいいですか?"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00BIXNMMG/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/B00BIXNMMG.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="メディアとテロリズム(新潮新書)"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00RSVS0IS/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/B00RSVS0IS.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="捏造の科学者 STAP細胞事件 (文春e-book)"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00R5LER10/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/B00R5LER10.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="Windows100% 2015年 1月号 [雑誌]"/></a> </p> <p class="description">「プライバシーフリーク」によるトークショウを収録。日本の「プライバシー(権)」の現状を垣間見るには面白いかもしれない。</p> <p class="gtools">reviewed by <a href="#me" class="reviewer">Spiegel</a> on <abbr class="dtreviewed" title="2015-02-19">2015/02/19</abbr> (powered by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html">G-Tools</a>)</p> </div>
au WALLET × note ≠ ♥ (残念ながら)
tag:Baldanders.info,2014-06-21:/blog/000704/
2014-06-21T09:00:00+00:00
2014-06-21T09:00:00+00:00
note で使う気になれる小額決済用クレカ,と考えて Web Money を選択したんだけどなぁ。でも note でダメってことは決済に GMO を使ってるところは全部ダメってことかしら。
Spiegel
/profile/
<p> 現在,自身の経済基盤の見直しを図っていて,特にクレカ依存体質の現状をどうにかしたいと思っているのだが,いろいろ調べてみて「<a href="http://www.webmoney.jp/masterwm/">Web Money Card</a> でいいじゃない」ってことになった。 今なら初期費用ゼロみたいだし。 </p><p> というわけで申し込んだのだが,同じ頃に au が <a href="http://www.au.kddi.com/au-id/au-wallet/">au WALLET</a> を launch してて,そっちも申し込んじゃったのよ(いや au WALLET は冗談だったんだが,もらえるとは思わなかったし)。 </p><p> したら,同時期に2枚とも来ちゃって「あっちゃあ」と思いつつ改めて au WALLET の約款をよく読んだら,これって中身は Web Money Card なのね。 じゃあ,どっちか片っぽでよかったぢゃん orz </p><p> とりあえず Web Money のほうは<a href="https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.webmoney.app">カードケース</a>に登録だけして封印することにし, au WALLET の方をメインで使っていくことにした。 </p><p> さて,こういうのを使うのは(恥ずかしながら)初めてなので,色々と試してみる。 </p><p> とりあえず Kindle での買い物はできた。 Google Play での買い物もできた(ちなみに買ったのは <a href="https://play.google.com/store/apps/details?id=eu.siacs.conversations">Conversations</a>)。 セブン-イレブンでも買い物出来た。 多分ポプラでもいけるだろう(まだ試してない)。 </p><p> 問題は <a href="https://note.mu/">note</a>。 どうしても通してくれない。 Web Money だからだろうか。 それとも私自身の与信に問題があるのか。 </p><p> う~ん。 note で使う気になれる小額決済用クレカ,と考えて Web Money を選択したんだけどなぁ。 でも note でダメってことは決済に <a href="https://www.gmo.jp/">GMO</a> を使ってるところは全部ダメってことかしら。 う~ん。 </p> <div class="hreview"><a class="item url" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00I6IT1U8/baldandersinf-22/"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41PrUBQnZ5L._SL160_.jpg" alt="photo" class="photo"/></a><dl><dt class="fn"><a class="item url" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00I6IT1U8/baldandersinf-22/">ビットコイン解説本</a></dt><dd>足立 明穂 </dd><dd> 2014-02-01</dd><dd>評価<abbr class="rating" title="4"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/G/01/detail/stars-4-0.gif" alt=""/></abbr> </dd></dl><p class="similar"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00HFF8HBM/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/B00HFF8HBM.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="ビットコイン あたらしいネットビジネスの教科書"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00I17RJRQ/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/B00I17RJRQ.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="ビットコイン完全攻略法"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00IZSH6T2/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/B00IZSH6T2.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="ビットコインとはなにか? いちばんわかりやすいビットコインの解説本 (とはなにか?シリーズ)"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00IZGMCFC/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/B00IZGMCFC.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="ビットコインはどのようにして動いているのか? 数式なしでわかる仮想通貨の仕組みと技術~改ざん防止、採掘、未来の応用まで"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00J8GWMBW/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/B00J8GWMBW.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="ビットコイン「交換所・Mt.Gox」についての基礎知識~ビットコインFAQその1 (ビットコインの基礎知識)"/></a> </p><p class="gtools">by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html">G-Tools</a> , <abbr class="dtreviewed" title="2014/06/21">2014/06/21</abbr></p></div>
『インテンション・エコノミー』を読む
tag:Baldanders.info,2013-06-06:/blog/000638/
2013-06-06T09:00:00+00:00
2013-06-06T09:00:00+00:00
この本を読みたい,と思ったきっかけは, yomoyomo さんの読書記録で紹介されている「クルートレイン宣言(cluetrain manifesto)」だ。この中の最初にある「市場は対話である」を見て,今読みかけの(そして絶賛積ん読中の)『BE ソーシャル!』とリンクしてると感じたのである。
Spiegel
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<p> えーっと,最初に逃げ道を用意しておくと,ちゃんとした書評を読みたいのであれば <a href="http://www.yamdas.org/booklog/intentioneconomy.html">yomoyomo さんの読書記録</a>を読まれることをオススメする(っていうか,この書評を読んで本を買う気になったのだが)。 ここでは『インテンション・エコノミー』を読んで思い浮かんだことをつらつらと書いていこうと思う。 </p><p> で,毎度毎度苦言から始まるのだが,縦書きはやめようよ。 英単語を無理に向きを変えて書くのも読みにくいし,更に言えば英単語をカタカナに変換するのはもっと読みにくい。 いくら私が英語不得手だといっても,わからない単語があったら辞書を引くくらいの知恵はあるって(ひょっとして馬鹿にされているのだろうか)。 カタカナで書かれたら余計に意味がわからんぢゃん。 だいたい『<a href="http://d.hatena.ne.jp/tower-of-babel/20130509/1368110949">憲法ガール</a>』だって横書きで書かれるご時世だよ。 無理に縦書きにする理由なんてないぢゃんか。 </p><p> というわけで,愚痴は終わり。 </p><p> この本を読みたい,と思ったきっかけは, <a href="http://www.yamdas.org/booklog/intentioneconomy.html">yomoyomo さんの読書記録</a>で紹介されている「<a href="http://www2.gol.com/users/jheine/cluetrainj.html">クルートレイン宣言(cluetrain manifesto)</a>」(和書では『これまでのビジネスのやり方は終わりだ―あなたの会社を絶滅恐竜にしない95の法則』というタイトルで刊行されている。私は送料別で100円で発注した)だ。 この中の最初にある「市場は対話である」を見て,今読みかけの(そして絶賛積ん読中の)『BE ソーシャル!』とリンクしてると感じたのである。 </p><p> ちなみに斉藤徹さんの『<a href="https://baldanders.info/blog/000564/">ソーシャルシフト</a>』およびその続編である『BE ソーシャル!』はまっとうなビジネス書である。 巷で「ソーシャル!ソーシャル!」と騒ぐソーシャル・ゴロではない。 企業が,ソーシャルメディアを含むあらゆる「顧客接点」を最大限活用し,「生活者」(斉藤徹さんの著作では顧客や企業の従業員なども含めて「生活者」と呼び「消費者」と区別している)との対話によって経済活動を行うにはどうすればいいか。 それを豊富な事例を交えながら論じていっている。 はっきり言って経営者やそれに近い(もしくはそれを目指している)人たちには是非ともお薦めの本である。 </p><p> とはいえ,私個人としてはいくつかの違和感があって(例えば<a href="https://baldanders.info/blog/000575/">「絆」に関すること</a>とか),それは一言で言うなら,生活者(顧客)から見た「ソーシャルシフト」した企業がどのようなものかよくわからない,ということだ。 この辺のことは『インテンション・エコノミー』では「顧客と企業の直接的なやり取りはパーソナルであり、ソーシャルではない」(p.99)などとバッサリ書いてあって面白い。 </p><p> 「インテンション・エコノミー(Intention Economy; 意志の経済)」とは, <a href="http://www.yamdas.org/booklog/intentioneconomy.html">yomoyomo さんの読書記録</a>から引用させてもらうと </p><blockquote> 「 インテンション・エコノミーとは買い手が価値の源泉となる真の意味でオープンな市場であり、VRM(企業関係管理)が CRM(顧客関係管理)にとってかわり、顧客は企業に囲い込まれることなく、つまり消費者として集合的に扱われるのでなく企業との関係はパーソナルなものになる。<br/> つまり、顧客の側が自分に関するデータの主導権に握り、自らの意思に従い企業との関係を決められる。それには顧客側に立ちそのニーズの代理人として機能する「フォース・パーティ」の存在が必要になるし、顧客と企業の間には対話的でオープンな API が提供されることで市場のオープンさが担保される。」 <br/>(「<a href="http://www.yamdas.org/booklog/intentioneconomy.html">yomoyomoの読書記録 - ドク・サールズ『インテンション・エコノミー 顧客が支配する経済』(翔泳社)</a>」より) </blockquote><p> ということだ(いいまとめなので引用させてもらいました)。 </p><p> (ちなみに「フォース・パーティ」というのは「第四者」という意味。 企業と顧客という関係があるときに CRM を運営する「第三者(サード・パーティ)」は企業側につくことになる。 だから顧客側につく VRM を運営する「第四者」が必要というわけ) </p><p> 違う言い方をしようか。 斉藤徹さんの一連の著作では従来の CRM からソーシャル CRM へのシフトを説いているが,『インテンション・エコノミー』では顧客が市場で真に自由になるための VRM の必要性を説いている。 そしてその中心にあるのが「<a href="http://www2.gol.com/users/jheine/cluetrainj.html">クルートレイン宣言</a>」というわけだ。 (ソーシャル CRM については『インテンション・エコノミー』の第五章に記述がある) </p><p> VRM ってのはちょっと SF 的な感じだよね。 たとえば,随分前に読んだグレッグ・イーガン氏の『<a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4488711022/baldandersinf-22/">万物理論</a>』には VRM ツールっぽい記述がいくつかあった。 私はあまり SF を読まないが,他の作品にもそういうものはあるかもしれない。 現在 <a href="http://cyber.law.harvard.edu/projectvrm/">Project VRM</a> が稼働しているが,英語不得手の私にはよくわからない(もちろんいくつかの VRM の成果については『インテンション・エコノミー』に記述がある)。 今後注意してみていきたいのだが,どうしたものか。 </p><p> もうひとつ面白かったのは「ビッグ・データ」の扱い。 実は顧客が市場で主導権を握るということは,ビッグデータを無意味化する。 </p><blockquote> 「今後10年にわたり、あなたがデータを所有し、シェアできる能力が、我々の業界を変革していくだろう。 あらゆるものが、人々、個人、そして、それらが持つ大量データを中心として形と位置づけを変えていく地殻変動が起きる。 (中略)誰もが「ビッグデータ」について語っているが、これはビッグデータの話ではない。 スモールデータ、つまりマイデータの時代が始まろうとしているのだ。」 <br/>(『インテンション・エコノミー』 p.276-277 より) </blockquote><p> これはもうひとつ意味があって,スモールデータの時代になれば,プライバシーに関する情報を顧客側がある程度コントロールできることになる。 本当にこういう時代になればいいなぁ,と思う。 </p> <div class="hreview"><a class="item url" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798130265/baldandersinf-22/"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/419vFEvsnKL._SL160_.jpg" alt="photo" class="photo"/></a><dl><dt class="fn"><a class="item url" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798130265/baldandersinf-22/">インテンション・エコノミー 顧客が支配する経済 (Harvard business school press)</a></dt><dd>ドク・サールズ 栗原 潔 </dd><dd>翔泳社 2013-03-15</dd><dd>評価<abbr class="rating" title="4"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/G/01/detail/stars-4-0.gif" alt=""/></abbr> </dd></dl><p class="similar"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822225275/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4822225275.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="ユーザーファースト~テレビとスマホの視線争奪戦を生き抜くマーケティング思想~"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/484439584X/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/484439584X.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="顧客を知るためのデータマネジメントプラットフォーム DMP入門 (NextPublishing)"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822249476/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4822249476.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="データ・サイエンティストに学ぶ「分析力」 ビッグデータからビジネス・チャンスをつかむ"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478023492/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4478023492.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="ソーシャル時代の ブランドコミュニティ戦略"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798130877/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4798130877.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="オウンドメディアで成功するための戦略的コンテンツマーケティング"/></a> </p><p class="gtools">by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html">G-Tools</a> , <abbr class="dtreviewed" title="2013/06/06">2013/06/06</abbr></p></div> <div class="hreview"><a class="item url" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532149029/baldandersinf-22/"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51811H1N43L._SL160_.jpg" alt="photo" class="photo"/></a><dl><dt class="fn"><a class="item url" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532149029/baldandersinf-22/">これまでのビジネスのやり方は終わりだ―あなたの会社を絶滅恐竜にしない95の法則</a></dt><dd>リック レバイン ドク サールズ クリストファー ロック デビッド ワインバーガー Rick Levine </dd><dd>日本経済新聞社 2001-03</dd></dl><p class="similar"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798130265/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4798130265.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="インテンション・エコノミー 顧客が支配する経済 (Harvard business school press)"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798103438/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4798103438.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="コミュニティ・オブ・プラクティス―ナレッジ社会の新たな知識形態の実践 (Harvard Business School Press)"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4872579240/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4872579240.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="物語力(ストーリーりょく) ワートマンの「人の心を鷲掴みにする仕事術」 (East Press Business)"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797338121/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4797338121.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則(ソフトバンク文庫)"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4844329588/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4844329588.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="マキコミの技術"/></a> </p><p class="gtools">by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html">G-Tools</a> , <abbr class="dtreviewed" title="2013/06/06">2013/06/06</abbr></p></div> <div class="hreview"><a class="item url" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532318505/baldandersinf-22/"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51Ctd%2BRtglL._SL160_.jpg" alt="photo" class="photo"/></a><dl><dt class="fn"><a class="item url" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532318505/baldandersinf-22/">BE ソーシャル! ―社員と顧客に愛される5つのシフト</a></dt><dd>斉藤 徹 </dd><dd>日本経済新聞出版社 2012-11-13</dd><dd>評価<abbr class="rating" title="4"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/G/01/detail/stars-4-0.gif" alt=""/></abbr> </dd></dl><p class="similar"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532317568/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4532317568.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="ソーシャルシフト―これからの企業にとって一番大切なこと"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797371021/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4797371021.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="ビッグデータ時代の新マーケティング思考"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/414088410X/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/414088410X.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="レイヤー化する世界 (NHK出版新書 410)"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4883352706/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4883352706.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="MEDIA MAKERS―社会が動く「影響力」の正体"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/484439584X/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/484439584X.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="顧客を知るためのデータマネジメントプラットフォーム DMP入門 (NextPublishing)"/></a> </p><p class="gtools">by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html">G-Tools</a> , <abbr class="dtreviewed" title="2013/06/06">2013/06/06</abbr></p></div> <hr/> <p> ところで全くの余談ですが, Google Reader の代替えって皆さんどうしてます。 私は <a href="http://digg.com/reader">digg が Reader をリリースしてくれる</a>のをひたすら待っているのですが,全くさっぱり音沙汰が無い感じです。 しょうがないので <a href="http://www.feedly.com/">feedly</a> を試しています。 意外に使い勝手がいいので,最悪これでいこうかと。 </p><ul> <li><a href="http://feedly.tsukaikata.info/">feedlyの使い方 [PC・アプリ対応]</a></li> </ul><p> さて,そろそろ『BE ソーシャル!』を読み進めないと。 </p>
Square 日本上陸
tag:Baldanders.info,2013-05-29:/blog/000636/
2013-05-29T09:00:00+00:00
2013-05-29T09:00:00+00:00
いやぁ,待ちに待ったという感じである。ただ,友人の見解ではカード決済が簡便になったことよりも Square のレジ機能に興味があるらしい。
Spiegel
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<p> 先週の話なのでちょっと古いのだが... </p><ul> <li><a href="https://www.squareup.com/jp">Square</a></li> <li><a href="https://squareup.com/jp/news/releases/2013/square-arrives-in-japan">Square、日本でサービス提供開始</a></li> <li><a href="http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20130523_600644.html">モバイル決済「Square」が日本上陸、Twitter創業者が開発 -INTERNET Watch</a></li> </ul><p> いやぁ,待ちに待ったという感じである。 ただ,友人の見解ではカード決済が簡便になったことよりも Square のレジ機能に興味があるらしい。 </p><p> というわけで,ちょっと調べてみた。 </p><ul> <li>専用銀行口座や月額料金,初期設定費用が不要</li> <li>Visa, MasterCard はスワイプ1回につき3.25%の手数料を引かれる(カード情報を手入力した場合は3.75%)</li> <li>カード決済による Square からの入金は,通常7営業日以内(三井住友銀行を利用の場合は,通常翌営業日)</li> <li>Square リーダーは無料配布</li> <li>Square レジは Android /iOS アプリとして無料で使用出来る</li> <li>情報管理はクラウド型。アカウントごとに Web ページが与えられ, Web 上で情報管理ができる</li> <li>1店舗1アカウントなイメージ。複数店舗を統括するような機能はない模様(ただしひとつのアカウントに複数の端末をサインインさせることは可能)</li> <li>レシートは電子メールまたは SMS に送信(プリンタと繋げることで紙への出力も可)</li> <li>Square レジと繋げられるプリンタやキャッシャーがある(プリンタとの連動でオーダーシートも出力可能)</li> <li>日報・週報・月報を表示・出力可能(CSVでも出力できるため他のアプリケーションと連携可能?)</li> <li>Square ウォレットが近日リリース?: 現金決済不要,ポイントシステム,店舗検索,他</li> </ul><p> とまぁこんな感じ。 ターゲットとしては個人商店やフリーマーケット,移動販売などといったところか。 ただし,データ管理がクラウド型なのでネットに繋がる環境じゃないとダメだと思う。 </p><p> レジというだけなら他にもアプリはあるような気がする(たしか日本製の iOS アプリもあったはず)。 それらと比べて Square レジがどの程度のものなのかはちょっとわからない。 でもフリマや移動販売でカード決済ができるのは結構強みだと思うのだがどうだろう。 </p>
Facebook ページの「中の人」感
tag:Baldanders.info,2012-03-05:/blog/000590/
2012-03-05T09:00:00+00:00
2012-03-05T09:00:00+00:00
皆さんご存知のとおり,3月末に Facebook ページが大きく変わる。具体的には Timeline を中心とした運用に変わるのだ。
Spiegel
/profile/
<p>
皆さんご存知のとおり,3月末に Facebook ページが大きく変わる。具体的には Timeline を中心とした運用に変わるのだ。これは Facebook ページを運用している企業や組織にとってはかなりインパクトが大きいと思われる。
</p>
<p>
しかしこの動きは厳密に言えば今に始まったことではない。「ファンページ」から「Facebook ページ」に名称が変わったあたりからこの動きは始まっていた。この動きは一言で言うなら Facebook ページの「人格化」といった感じか。
</p>
<p>
もともと Facebook ページはそのページがひとつのキャラクタであるかのように振る舞える。 Facebook ページ名で投稿することもできる。また今度の変更では Facebook ページに対してメッセージを送れるようにもなるらしい。
</p>
<p>
Timeline には比較的大きめのカバー画像を貼ることができる。しかし Facebook ページの場合そのカバー画像に対してもいくつか制限があるらしい。
</p>
<ul>
<li>
<a href="http://smmlab.aainc.co.jp/?p=5728">Facebookページ[カバー画像デザイン70選]新タイムライン移行準備の参考に!</a>
</li>
</ul>
<p>
この記事によるとそれは以下のようなものだそうだ。
</p>
<blockquote>
<p>
カバーフォトには以下のものを含んではならない
</p>
<ol style="LIST-STYLE-TYPE: upper-alpha">
<li>“40%オフ”や“私たちのHPでダウンロードを!”など、価格や購入に関する情報
</li>
<li>ウェブサイトのアドレスやeメール、メールアドレスなどのコンタクト情報、”基本情報”に記載するべき情報
</li>
<li>“いいね!”や“シェア”などのFacebookでのアクションについての言及や、いいね!ボタンへの矢印など
</li>
<li>“今すぐGet!”“友人に紹介してください!”などのアクションを呼びかける表現
</li>
</ol>
<p>
カバーは虚偽やごまかし、誤解を与えてはならない、また第三者の知的所有権を侵害してはなりません。
</p>
</blockquote>
<p>
いやぁ,日本中の Facebook ページ担当者が頭を抱えてる姿が見えるようだよ(笑)
</p>
<p>
(「知的所有権」は正しくは「知的財産権」とすべきだが,まぁ細けぇことはよかろう)
</p>
<p>
要するに Facebook 上での商売や「いいね!」をかき集めるためのマーケティングは今後立ち行かなくなるということだ。「いいね!」の数をもとにした評価もあまり意味がなくなる(まぁもともと意味がないと言われてきたが)。それよりも Facebook ページにコミットしてくるユーザとのコミュニケーションがより重要になってくる。ユーザの側から見れば Facebook ページの「中の人」へ好感度がそのまま Facebook ページ自体の好感度に転嫁されると言っても過言ではないだろう。コミュニケーションの中で自分たちのブランドをいかに育てていくか,というのが今後の Facebook ページ運営の大方針となってくるわけだ。(実はこれは Facebook の中での個人の振る舞いについても同じことが言えるんだけどね。そういう意味でも Facebook ページは「人格化」してると思う)
</p>
<p>
私もひとつ Facebook ページを抱えているが,私自身が Facebook にそれほど addict してるわけではないので,どうやって運用しようか悩んでる。とりえずカバー画像を撮ってこなくちゃ。
</p>
<p>
ちうわけで「中の人」たちは,まずは商売の基本に立ち返り,<a href="https://baldanders.info/blog/000564/">『ソーシャルシフト』を読ん</a>で戦略を練り直すべきだろう。
</p>
<div class="hreview"><a class="item url" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532317568/baldandersinf-22/"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41kbAV%2BnRVL._SL160_.jpg" alt="photo" class="photo"/></a><dl><dt class="fn"><a class="item url" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532317568/baldandersinf-22/">ソーシャルシフト―これからの企業にとって一番大切なこと</a></dt><dd>斉藤 徹 </dd><dd>日本経済新聞出版社 2011-11-11</dd><dd>評価<abbr class="rating" title="5"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/G/01/detail/stars-5-0.gif" alt=""/></abbr> </dd></dl><p class="similar"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140815132/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4140815132.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="パブリック―開かれたネットの価値を最大化せよ"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4774149357/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4774149357.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="メディア化する企業はなぜ強いのか? ~フリー、シェア、ソーシャルで利益をあげる新常識 (生きる技術!叢書)"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478016313/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4478016313.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="ソーシャルメディア進化論"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4839937753/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4839937753.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="ソーシャルメディア・ダイナミクス ~事例と現場の声からひもとく、成功企業のソーシャルメディア戦略~"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/479811782X/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/479811782X.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="グランズウェル ソーシャルテクノロジーによる企業戦略 (Harvard Business School Press)"/></a> </p><p class="gtools">by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html">G-Tools</a> , <abbr class="dtreviewed" title="2012/03/05">2012/03/05</abbr></p></div>
『ソーシャルシフト』を読む
tag:Baldanders.info,2011-11-17:/blog/000564/
2011-11-17T09:00:00+00:00
2011-11-17T09:00:00+00:00
今回はつまみ食いのような形で思いついたことをポツポツと書いていってみる。
Spiegel
/profile/
<p>
楽しみにしていた『ソーシャルシフト』が届いたですよ。
今回はつまみ食いのような形で思いついたことをポツポツと書いていってみる。
</p>
<h3>『ソーシャルシフト』は</h3>
<p>
『ソーシャルシフト』はまっとうなビジネス書である。
奇っ怪な用語だか隠語だかをこねくり回した哲学や社会学の本とは違うし,本屋のビジネス書棚にありがちな自己啓発本でもない。
単純に読み物として読んでも楽しめるが,詳細に読み込んでいくなら実用書としても優れていることが分かる。
</p><p>
もうひとつ重要な点は,この本が日本人によって日本の(ビジネスシーンの)ために書かれたものであるということ。
これ,本当に重要。
似たようなコンセプトの本は翻訳本では何年も前からある(例えば『ウィキノミクス』)のだが,それらは(当たり前だが)日本を念頭において書かれているわけではない。
大抵は米国,せいぜい欧州までが対象となっている。
だから,たとえ本の内容に共感できたとしても,それを実際に応用しようと思ったら「もう一捻り」必要になってくる。
『ソーシャルシフト』にはそんな「捻り」は必要ない。
本の内容に共感できたなら,すぐに実行に向けて行動できるはずである。
</p><p>
もうひとつこの本には大きな特徴がある。
「おわりに」を読めば分かるが,この本の執筆活動のかなりの部分は Facebook のグループ「ソーシャルシフトの会」において議論を進めながら行われた。
海外の本でそういう例はあるが(『Wikinomics』『CODE 2.0』など。こちらは Wiki ベースでの議論だけど)国内では聞いたことがない(私のアンテナ感度が低いだけかも知れないが)。
そして「ソーシャルシフトの会」の運営そのものが,「ソーシャルシフト」が何がもたらすか,その片鱗を示している。
つまり「ソーシャルシフトの会」の参加者は『ソーシャルシフト』リリース前に「ソーシャルシフト」を体験できたわけだ。
「ソーシャルシフトの会」は現在も継続中である。
</p><p>
『ソーシャルシフト』は3部9章で構成されている。
ハードカバーで360ページとかなり分厚いが,読むだけならわりとすんなり読める。
中でも読み応えがあるのは6章と8章だ。
6章は国内企業によるソーシャルメディアへの取り組みがかなり詳細に記述されている。
8章では企業が「ソーシャルシフト」を行うための6つのステップを示している。
このふたつの章を読むだけでも実際のビジネスに役立つ筈である。
もし「興味はあるけど買おうかどうしようか」という方は,(ちょっと反則的だし著者の意には沿わないかもしれないが)とりあえず立ち読みで9章を読んでみることをお勧めする。
そこには「今」起こっていることが生々しく書かれている。
</p>
<h3>「こちら側」vs「あちら側」の境界</h3>
<p>
『ソーシャルシフト』を読んでいて思い出したのが,梅田望夫×平野啓一郎両氏による対談本『ウェブ人間論』だ。
当時の感想は以下に書いている。
</p><ul>
<li><a href="https://baldanders.info/blog/000303/">『ウェブ人間論』を読む</a></li>
</ul><p>
当時はまだ「Web 2.0」というバズワードが君臨していた頃で,さらに「日本でのネットはメタかネタ」だった頃である。
当時と今との差異は, Web 2.0 が陳腐化・後景化したこと,クラウドやソーシャルメディアが普及期に入ったことである。
今でも日本のネットの多くの場所では「メタかネタ」なのだが,そうでない場所もあらわれてる。
それはソーシャルメディアの中にある。
</p><p>
かつてネットは米国でさえも「リアルから地続きの異郷」だったけど,ソーシャルメディアが普及期に入ったことにより,ネットは「異郷」ではなくなった。
今やリアルとネットは完全に連接している。
もはや(梅田望夫さんがかつて言っていた)「こちら側」と「あちら側」を分ける境界線はなくなりつつある。
そして日本では,ネットが「リアルから地続きの異郷」である時代をすっ飛ばしてしまっているためにギャップが大きい。
そこに『ソーシャルシフト』が登場する理由がある。
</p><p>
なくなりつつあるのはリアルとネットの境界だけではない。
例えば,企業や経営者から見た「こちら側」と「あちら側」の境界,政府・官僚から見た「こちら側」と「あちら側」の境界,メディアから見た「こちら側」と「あちら側」の境界,といった(かつて versus 関係で表された)各境界が融解していき「過視的」とも言える状況を作り出している(『ソーシャルシフト』では「透明性の時代」と呼んでいる)。
『ソーシャルシフト』が示すのは,境界が取り払われた過視的な時代における経営であると言える。
</p><p>
(「過視的」に見えるのは「こちら側」と「あちら側」を versus 関係で対置させようとするからだ,とも言える。
そうした古い観念を捨て去ることが最初の一歩なのだろう。<br/>
そうそう,境界といえば私的領域と公的領域の混濁も問題になる。
特にソーシャルメディアは個人の Activity が集まるためプライバシーの問題が発生しやすい。
『ソーシャルシフト』ではこの点についても言及があるが,話がずれまくるのでここではしない)
</p><p>
ちょっと話が逸れるが「<a href="http://blogs.technet.com/b/jpsecurity/">日本のセキュリティチーム</a>」のブログに面白い記事があった。
</p><blockquote>
「PCやUSBの持ち出しの禁止は、ファイアウォールが明確に外部ネットワークと内部ネットワークを分離されており、Good man IN, Bad man OUTである事を前提としている。
しかし、ITの利用形態の多様化により、このような単純なモデルでは実態を捉えにくくなっている。
特に、コンシュマー向け、ビジネス向けのクラウド利用が当たり前になっている現状では、内部ネットワーク、外部ネットワークの境界は、不明瞭になっている。」
(「<a href="http://blogs.technet.com/b/jpsecurity/archive/2011/11/01/3462571.aspx">2011年、これまでの事例にみる脅威とその対策 第3回</a>」より)
</blockquote><p>
このようにセキュリティに関しても従来の「こちら側」に閉じ込める統制型のマネジメントは意味を成さなくなりつつあるというのは面白い。
あるいは以前紹介した「<a href="https://baldanders.info/blog/000557/">「WikiLeaks 以後」における内部犯行者 vs 内部告発者</a>」のように内部犯行(情報漏洩)者が内部告発者に逆転してしまう場合もありうる。
そういう意味でも「こちら側」と「あちら側」の境界は崩れてきていると言えると思う。
</p>
<h3>ソーシャルメディアに関わらないリスク</h3>
<p>
リアルとネットが連接し世の中が「過視的」になってくるとソーシャルメディアに関わらないことがリスクになってくる。
たとえば6章にはオウケイウェイブ武内さんのこんなコメントがある。
</p><blockquote>
「ソーシャルメディアをはじめたほうがいいという点を強調したというより、炎上は企業がソーシャルメディアを活用するしないに関わりなく起こること、ソーシャルメディアと距離を置いていると、そもそも炎上に気づくこともできず、さらに拡大してしまうことなど、活用しないリスク、知識を持っておくことの必要性を説明しました」
(『ソーシャルシフト』 p.166 より)
</blockquote><p>
(セキュリティの世界では既に常識だが)インシデント(incident)への対応で最も重要なのはとにかく早くレスポンス(incident response)を返すことだ。
とりあえず「問題を認識している」と言うだけでも事後の状況は変わってくる。
これは炎上(flaming)だけの話じゃなくて(炎上の際も「非が明らかな場合には、迅速かつ誠実に謝罪する」(p.221)とある),もっと日常的なトラブルや問題であっても同様だと思う。
</p>
<h3>Collective Intelligence</h3>
<p>
『ソーシャルシフト』では「ソーシャル・フィルタリング」を「信頼できる友人による「知っておくべき情報」の選別」(p.39)としている。
私自身はこの考え方に半分懐疑的である。
友人が信頼できることと友人がもたらす情報が信頼できることは別の事象だからだ(情報の信頼性は,その事実性または情報がフックしている知識に依るべき)。
故に「<a href="https://baldanders.info/blog/000530/">情報流通の基盤は web of trust の上に構築される</a>」と考えている。
もっと言うなら個人にとって情報フィルタリングのポイントは「いかに上手く誤配の余地を残すか」だと思う。
誤配があるからこそ「セレンディピティ」の可能性もある。
</p><p>
しかし,繰り返すが,この本はビジネス書である。
ビジネスにおいて匿名的なソーシャルメディアはあまり重要ではないかもしれない。
むしろ Facebook のようなメディアを使っていかに知性を集めるか,つまり “Collective Intelligence”(集団的知性)が重要になってくる。
(だからこそ web of trust ではなく “bond of trust” なんだろうけど)
</p><p>
Web 2.0 の時代には “Wisdom of Crowds”(群衆の知恵,集団知)が重要視された(故に「<a href="https://baldanders.info/blog/000434/">衆愚</a>」なんて言葉も出てきた)。
が,もともと “Wisdom of Crowds” は個々が自律していて周囲に影響を受けないことが前提となっている(市場予測とかがその対象)。
実際にはソーシャルメディアでそのようなことは(たとえ匿名サービスでも)あり得ない。
これからのサービスやプロダクトは,いかに上手く “Collective Intelligence” を実装していくかがポイントになると思う。
</p><p>
(参考: <a href="http://blog.keiichimaeda.com/archives/97">集団的知性(Collective Intelligence)と、群衆の知恵(Wisdom of Crowds)の違い</a>)
</p>
<h3>最後に余談だが</h3>
<p>
実は私も「ソーシャルシフトの会」に途中から参加させてもらった。
仕事仲間の友人に「面白いことやってるから見てみて」と紹介されたのだ。
あまり貢献できたとも思えないのだが,過分にも「スペシャルサンクス」をいただいてしまった。
いやぁ,なんか申し訳ないような。
</p><p>
ちうわけで,「おわりに」のどこかに私の名前が載ってます。
</p>
<div class="hreview"><a class="item url" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532317568/baldandersinf-22/"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51eHDxgIOYL._SL160_.jpg" alt="photo" class="photo"/></a><dl><dt class="fn"><a class="item url" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532317568/baldandersinf-22/">ソーシャルシフト―これからの企業にとって一番大切なこと</a></dt><dd>斉藤 徹 </dd><dd>日本経済新聞出版社 2011-11-11</dd><dd>評価<abbr class="rating" title="5"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/G/01/detail/stars-5-0.gif" alt=""/></abbr> </dd></dl><p class="similar"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4048703005/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4048703005.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="明日のコミュニケーション 「関与する生活者」に愛される方法 (アスキー新書)"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4839937753/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4839937753.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="ソーシャルメディア・ダイナミクス ~事例と現場の声からひもとく、成功企業のソーシャルメディア戦略~"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822227219/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4822227219.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="ソーシャルメディア炎上事件簿"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478016313/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/4478016313.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="ソーシャルメディア進化論"/></a> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/479812365X/baldandersinf-22/" target="_top"><img src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/479812365X.09._SCTHUMBZZZ_.jpg" alt="Facebookマーケティング戦略"/></a> </p><p class="gtools">by <a href="http://www.goodpic.com/mt/aws/index.html">G-Tools</a> , <abbr class="dtreviewed" title="2011/11/17">2011/11/17</abbr></p></div>
スマホなのにスマホなのにスマホなのに!
tag:Baldanders.info,2011-11-06:/blog/000561/
2011-11-06T09:00:00+00:00
2011-11-06T09:00:00+00:00
Facebook で「風来のシレン 虹の迷宮録」が正式リリースされた(いやβテストしてたことも知らなかったのだが)と聞いてさっそくインストールして遊んでみたのだが...
Spiegel
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<p>Facebook で「<a href="https://market.android.com/details?id=jp.co.chunsoft.ShirenRainbow">風来のシレン 虹の迷宮録</a>」が正式リリースされた(いやβテストしてたことも知らなかったのだが)と聞いてさっそくインストールして遊んでみたのだが...</p>
<p>いや,iPhone に代表される全面タッチパネル式のスマートフォンが登場してからもう何年も経ってるわけさ。 タブレット機だって初代の iPad から1年半くらい経ってる。 その間に Infinity Blade とか CHAOS RINGS とか出来のいいゲームも登場してるのよ。 なのにこれはあまりに酷いんじゃないの?</p>
<p>(私はいわゆる携帯ゲームをやったことがない(興味もなかった)ので,間違ってたらゴメンナサイだけど)これって携帯ゲームの操作を安直に模倣してるだけだよね。 十字ボタンとか○×ボタンとか表示してそれらのボタンをタップさせて操作させるとか。 例えば「はい/いいえ」の確認の際も十字ボタンをタップして「はい」または「いいえ」にカーソルを合わせて○ボタンをタップして「決定」させるんだよ。 アホかっての。 スマホなのにスマホなのにスマホなのに!</p>
<p>更にだよ,アイテムを購入する際には「マイページ」に進むんだけど,そしたら Web ブラウザが立ち上がるんだよ。 しかも内蔵のブラウザが強制的に立ち上がる。 Firefox とか使わせてくれないようだ。 なにそれ。 スマホなのにスマホなのにスマホなのに!</p>
<p>(あとちょっとヤバいと思ったのは,アカウントを登録すると,なんと向こうで勝手に決めたパスワードをメールで(平文で)送ってくる。 しかもユーザ側で変更とかできなさそうっぽい。 アカウントを削除したい場合はどうするんだろ。 まさか PSN のときみたいに電話でやりとりとかじゃないよねぇ)</p>
<p>これって明らかに開発側の怠慢だよね。 あるいは開発の中の人はひょっとして自前でスマホを持ってない(あるいは使ってない)んじゃないだろうか。 たとえばこのゲームは縦向き固定になってるけど,これを横向きに変えるだけでもずいぶん操作感が違うはずである(どのみち○×ボタンとかありえんけど)。 まぁ Android アプリなんて玉石混交だが,それにしてもこれほどまでに心の底から呆れてしまったアプリは初めてである。 みんなこんなんでいいわけ?</p>
<p>いや,普通はこんなゲーム,糞ゲー認定して「はい,それまでよ」なんだけど,仮にもタイトルに「風来のシレン」を冠してるのにこれじゃいかんと思うのよ。 トルネコやシレンのシリーズはコンシューマ機では(ローグタイプのゲームが遊べるってんで)結構やりこんできただけに,このガッカリ感をどこに持っていけばいいのか分からない。 というわけでブログ記事で当り散らしてしまったけど,好きなゲームなので,次回は(次回があれば)もっとマシなつくりになることを願うばかりである。</p>
<p>(しかしこうなると「<a href="https://market.android.com/details?id=com.xhachiapps.yukeyusha.android">ゆけ!勇者</a>」の秀逸なゲームシステムには改めて感動を覚えるよ。 まぁ「<a href="https://market.android.com/details?id=com.xhachiapps.yukeyusha.android">ゆけ!勇者</a>」はローグタイプとはちょっと違うので比較しちゃ可哀想かもしれないが)</p>
<p>ところで,ここからは余談だが,消費者庁から「<a href="http://www.caa.go.jp/representation/pdf/111028premiums_1_1.pdf">インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項</a>」(PDF)が公表された。 本体のインストールは無料だがアイテム課金等を行うゲーム等(文書中では「フリーミアム」と呼んでいる)や口コミサイト(いわゆるステルスマーケティングも含むのかな?),フラッシュマーケティング(グルーポン等が有名),アフィリエイトプログラム,ドロップシッピングについて景品表示法の観点から問題点を指摘したものだ。 例えば,アイテム課金方式の有料ゲームなのに【無料】であるとことさら強調したりするのは「問題あり」なわけだ。 GREE とか mobage とか,お互いに潰し合いも結構だが,足元をすくわれないように色々見直したほうがいいんじゃないかな。 もちろんこれはゲームだけの話じゃないけどね。</p>
行動を「名寄せ」しようとするレコメンデーション
tag:Baldanders.info,2008-08-02:/blog/000403/
2008-08-02T09:00:00+00:00
2008-08-02T09:00:00+00:00
私の中で思考が右往左往してしまい収拾がつかなくなってしまったので,これを書きながら一度整理してみる。
Spiegel
/profile/
<p>
例によって Tumblr での話をまとめてみる。
っていうか,
いろいろ勘違いしていた部分もあって,
私の中で思考が右往左往してしまい収拾がつかなくなってしまったので,
これを書きながら一度整理してみようという試みである。
</p><p>
きっかけは以下の記事。
</p><ul>
<li><a href="http://japan.internet.com/busnews/20080729/8.html">ヤフーとオーバーチュアの新広告「インタレストマッチ」が注目を集める最大のポイントとは?</a></li>
</ul><p>
記事を読めば分かるが,
ここで言う「インタレストマッチ」はターゲティング広告を指している。
</p><blockquote>
「インタレストマッチは、Web ページ閲覧中のユーザーの興味・関心にマッチした広告を配信する、いわゆるコンテンツ連動型広告に近い。しかし、これまでのコンテンツ連動型広告は、 Web ページのコンテンツを解析しページの内容に合った広告が自動的に配信されていたのに対し、インタレストマッチは、それに加え、過去の閲覧ページや直前の検索履歴、性別・年代・地域などのユーザープロパティ情報、配信の曜日・時間帯を加味し広告が配信される。すなわち、これまでのコンテンツ連動型広告に比べ、さらにターゲティングの絞り込まれた、高い効果を見込める広告と言えるだろう」
</blockquote><p>
ターゲティング広告自体は昔からある。
不特定多数に満遍なく露出させるのではなく,
より対象を絞り込むことで(ターゲティング),
消費者によりリーチしやすい広告展開を行うのがターゲティング広告である。
これが旧来のマスメディアを使った広告との差別化になっていて,
それ故に各サービスプロバイダは自サービスにターゲティング広告を組み込もうとするわけだ。
</p><p>
ターゲティング広告には色々なやり方がある。
いちばんありふれているのは「サイト・ターゲティング」と呼ばれる手法で,
コンテンツ連動型広告なんかがこれに当たる。
またブラウザ閲覧者(以降「ユーザ」と呼ぶ)のプロパティ(属性)を使うターゲティング広告もある。
mixi のターゲティング広告はこのタイプだ(ここを私が勘違いしてしまったのが混乱の始まりなんだよなぁ)。
サイト・ターゲティングはあくまで表示されるコンテンツと連動したものだし,
プロパティを使ったターゲティングも特定のサービスの中のみで行われるのが建前である。
</p><p>
これに対し,
cookie 等を使ってユーザ(厳密にはユーザが使用するブラウザ)を特定し,
サイト・サービスを跨いでユーザの行動を追跡するのが「行動ターゲティング」だ。
「行動ターゲティング」でもっとも有名な(悪名高い)のが web bug である。
これが発覚した当時,
web bug はかなり議論になっていて,
アメリカのプライバシー保護団体は <a href="http://www.bugnosis.org/">web bug を検出するツール</a>を公開したりと大変なことになっていた。
web bug の評判が悪かったのは追跡用のオブジェクトに不可視の画像データを使っていたからだ。
このオブジェクトをページ上に置いてユーザに踏ませることで隠密裏に行動履歴を収集していた。
文字通りの<a href="https://baldanders.info/spiegel/log/200306.html#d07_t2">「bug (盗聴器)」</a>(っていうかソナーかな?)だったわけだ。
今でも基本的に「行動ターゲティング」のやり方は web bug と同じだけど,
かつての批判を受けて,
こっそり収集するようなことは少なくなった。
そこで今では web bug ではなく web beacon と呼ばれている。
web bug あるいは web beacon による特定のサイト・サービスを超えた情報収集は,
プライバシーの観点からは確かにリスキーではあるけれど,
行動履歴のキー情報(識別情報)が実際のユーザの固有情報と結びつかないのであれば許容できなくもないかもしれない。
</p><p>
さて,
ここでもう一度「インタレストマッチ」の内容を見てみると,
上で述べた3つの手法が全て取り入れられているのが分かる。
しかもユーザ情報(識別情報と属性情報)と行動履歴情報が結合してしまっているのが凶悪である。
Yahoo! Japan は<a href="http://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/0610/13/news01.html">サービス内においては既にターゲティング広告を展開</a>していて,
今回の「インタレストマッチ」を加えることで更なる相乗効果(サービスの外への影響力の行使とより確実なターゲティング)を狙っていると思うのだが,
果たしてユーザはそれを許容するのだろうか。
</p><p>
行動ターゲティングとユーザ情報とのマッチングは今後増えていくものと思われる。
ケータイ分野では早速「iモードID」を使ったターゲティング広告事業が発表されている。
これは「iモードID」によって,
ユーザが何のサービスに加入していなくても,
ただ Web を巡回するだけで確実に契約者単位で情報収集されてしまう点が「インタレストマッチ」よりも凶悪である。
</p><blockquote>
「NeoAdは、携帯電話の3キャリアで展開する広告サービス。広告のクリック履歴やリファラーを元にしたユーザーの行動分析や、掲載サイトのコンテンツ解析によるマッチングを元に広告を配信する。なおユーザーの行動分析は、NTTドコモが携帯電話番号に付与するユニークID「iモードID」を利用することで実現可能となったという」<br/>
(<a href="http://japan.cnet.com/marketing/story/0,3800080523,20376895,00.htm">ウノウ子会社のサノウ、「iモードID」などを利用したモバイル向け広告サービスを運用開始</a>)
</blockquote><p>
海外で有名なのは Facebook Beacon だろう。
</p><blockquote>
「Facebook Beaconとは、Facebookの友人がサイトで商品を購入するなど何らかの行動を起こした場合に、それが友人に通知されるという機能。SNSの新たな広告キャンペーン戦術として注目されていたものだ。しかし、気が付かないうちに自分の行動が友人に通知される可能性があることから、プライバシー団体や一部のユーザーから激しい反発を受けていた」<br/>
(<a href="http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/12/03/17709.html">米Facebook、物議を醸していた「Beacon」プログラムを変更</a>)
</blockquote><p>
Facebook は Facebook Beacon をオプトアウト方式で提供していた上に無効にする設定が分かりにくい状態になっていた。
ユーザの反発を受け Facebook は Facebook Beacon をオプトイン方式に変更せざるを得なかったらしい。
この辺は佐々木俊尚さんの以下の記事が参考になる。
</p><ul>
<li><a href="http://www.itmedia.co.jp/anchordesk/articles/0712/25/news037.html">レコメンデーションの虚実(15)~Facebook Beaconはいつかは受け入れられるのか?</a></li>
</ul><p>
この記事では Facebook Beacon をレコメンデーションの一種とみなして分析されている。
自分の行動を口コミ情報として自動的にばら撒いていく Facebook Beacon はまさに「Viral Marketing (感染性マーケティング)」を文字通りに実装してしまった感じである。
</p><p>
自分の好きなものや興味のあるものに関連する商品を「おすすめする」といえば聞こえはいいが,
レコメンデーションというのはぶっちゃけて言うなら「印象操作」の一種だ。
<a href="http://www.scj.go.jp/">日本学術会議</a>の報告
<a href="http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-20-h60-2.pdf">「電子社会における匿名性と可視性・追跡可能性-その対立とバランス-」(PDF)</a>
によれば,
現代的プライバシー権は
「自己情報コントロール権」(right to control one's own information)
なのだそうだが,
自己情報をコントロールできるどころか自己情報によって(環境管理型に)コントロールされてしまっているというのは皮肉な話ある。
</p><p>
おそらく Facebook が目指しているのはユーザの囲い込みと(環境管理型)コントロールであるが,
同じことは Yahoo! Japan にも言える。
佐々木俊尚さんの2006年の以下の記事では Yahoo! Japan が目指しているものがはっきり分かる。
</p><ul>
<li><a href="http://www.itmedia.co.jp/anchordesk/articles/0610/27/news051.html">ポータルビジネスはソーシャル化されるのか?(上)</a></li>
</ul><p>
要するに mixi のような SNS が持っている「友達関係ダイアグラム」の機能を Yahoo! Japan にも持たせて,
ユーザおよびユーザが吐き出す情報の囲い込みをやろうとしているのである。
この方針が現在も変わらないのなら,
「インタレストマッチ」を得た Yahoo! Japan が Facebook Beacon のような口コミ型のレコメンデーション機能を実装してくるのは時間の問題だろう。
「行動ターゲティングとユーザ情報とのマッチング」にはこれほどの破壊力があるのである。
</p><p>
ネットにおいては「流通」の意味が変わりつつある。
ネット以前における「流通」とは「経路(routing)」の問題であったが,
いまや「流通」とは「注目(attention)」の問題を指す。
私に言わせれば DRM やユーザや情報の囲い込みに固執するサービスプロバイダは,
かつて流通が経路問題だった頃の残滓を捨てきれない懐古趣味者である。
「口コミ」にしても,
それがオープンな場で展開されるから情報として価値を生むのであって,
管理された場で無理矢理起こす「口コミ」なんてのは所詮「感染性マーケティング」に過ぎない。
問題は,
そんなもんを「利便性」と称し,
更に「利便性とのトレードオフ」という言葉を盾に「自己情報のコントロール」を手放すことが本当にユーザにとってベネフィットになっているのか,
ということだ。
それこそ「印象操作」ではないのか,
というのが目下の私の懸念である。
</p>
bk1 ブリーダープログラムが7月で終了
tag:Baldanders.info,2007-03-07:/blog/000292/
2007-03-07T09:00:00+00:00
2007-03-07T09:00:00+00:00
うちにも来ました,そのメール。
Spiegel
/profile/
<ul>
<li><a href="http://www.stellaworks.info/blog/2007/03/bk1_breeder_program_end.html">bk1ブリーダープログラム、7月に終了</a></li>
</ul><p>
うちにも来ました,
そのメール。
知らない人のために一応説明しておくとブリーダープログラムってのは <a href="http://www.bk1.co.jp/">bk1</a> が提供するアフィリエイト・サービスの一種で,
現金ではなく <a href="http://www.bk1.co.jp/">bk1</a> 内でのみ通用するポイントをやり取りします。
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私が <a href="https://www.amazon.co.jp/">Amazon</a> ではなく <a href="http://www.bk1.co.jp/">bk1</a> を使っている理由は,まさしくこの現金のやり取りではないところ。
ブリーダープログラムに参加した当時はアフィリエイトで稼ごうという気が全然なく(今もないですが),
「本を紹介するのに書影が使えてラッキー」くらいにしか考えてなかったのです。
あと <a href="https://www.amazon.co.jp/">Amazon</a> のお節介な Recommend 機能が嫌いってのもあったんですが,
この Web 2.0 の時代に今更そゆこと言うのも大人気ないかも。
</p><p>
というわけで,
本気で <a href="https://www.amazon.co.jp/">Amazon</a> に乗り換えようか思案中です。
</p>