プライバシーを重視する人は不誠実? (正しい問いの立てかた)

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Tumblr では reblog 済みだが,なんか面白かったのでこっちでも紹介してみる。

エフセキュアの最近の調査では、「あなたには何か隠すべきことがありますか?」という質問に対し、英国の回答者の83%が「ない」と回答しました。
ショーンは、当社の最新の脅威レポートで次のように述べています。「これは、『あなたは不誠実な人間ですか』と質問しているようなものです。感情的な質問であり、回答者は当然自衛的な反応をします。83%もの人が『ない』と回答したのはごく自然なことだと私には思えます」。
ショーンはこの議論を組み立てなおすための別の質問を示しました。「あなたは自分の生活に関する全てを、誰とでも、どこでも、いつでも、そして永遠に共有したいですか?」というものです。
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「そして、私の予想が正しいと証明されました。89%の回答者が、自分を見せびらかしたくはない、と回答したのです」とショーンは述べています。
エフセキュアブログ : プライバシーに関する議論を変えるかもしれない質問より

以前 Google が保持している移動履歴を削除する方法を紹介したが,あれを見て(頭では分かっていても実際に地図と連携で見させられると)ギョッとなる人は結構いるんじゃないだろうか。 この情報を知っているのがストーカーじゃなくて Google なのは幸運なのかどうなのか。 でも Google は可視化してくれる(そしてユーザ側で削除可能にしてくれる)だけまだマシな方で, Google にできるのなら Apple にだってできるし,キャリア企業や警察にだってできるのだ。

アンケートの質問をいかに組み立てるかという話は昔からあって,確かそれなりに theory もあるはずなのだが,実際にはアンケートは「調査」ではなく「宣伝」に使われることも多い。 意図的に偏った質問を投げることで回答者の意識も引っ張られてしまう。 その典型例が「あなたには何か隠すべきことがありますか?」という質問なのだろう。

もっと広く「問題を解く」ことを考えた場合,一連のプロセスの中で一番重要なのは「正しい問いを立てる」ことだと思う。 もし「正しい問い」が立てられたなら,その問題は半分くらいは解けたも同然なのである。

故に「正しい問いを立てる」ことはとても難しい。 だから何度も問い直すのである。

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不過視なものの世界
東 浩紀
朝日新聞社 2000-10
評価

セカイからもっと近くに (現実から切り離された文学の諸問題) (キー・ライブラリー) 動物化する世界の中で―全共闘以降の日本、ポストモダン以降の批評 (集英社新書) サイバースペースはなぜそう呼ばれるか+  東浩紀アーカイブス2 (河出文庫) 存在論的、郵便的―ジャック・デリダについて クリュセの魚 (NOVAコレクション)

東浩紀名義で唯一手元に残してる本(ほかは全部売った)。中身はインタビュー集。20世紀末の本で中身は古いが参考にはなる。

reviewed by Spiegel on 2014/11/08 (powered by G-Tools)

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いかにして問題をとくか
G. ポリア 柿内 賢信
丸善 1975-04-01
評価

いかにして問題をとくか・実践活用編 数学的思考法―説明力を鍛えるヒント  講談社現代新書 数学×思考=ざっくりと  いかにして問題をとくか 数学ガールの秘密ノート/数列の広場 授業研究に学ぶ高校新数学科の在り方

数学書。というか問いの立てかたやものの考え方についての指南書。のようなものかな。

reviewed by Spiegel on 2014/09/26 (powered by G-Tools)