踊る PKI
ありがちなようで(もしかしたら)深い話。
- Distrusting New CNNIC Certificates | Mozilla Security Blog
- GoogleやMozillaが中国の認証局が発行する証明書を「信頼できないもの」として失効させる - GIGAZINE
- グーグル、中国の認証機関CNNICのルート証明書を排除へ - CNET Japan
事の発端は先週のこれ。
- Google Online Security Blog: Maintaining digital certificate security
- マイクロソフト セキュリティ アドバイザリ 3050995
- Revoking Trust in one CNNIC Intermediate Certificate | Mozilla Security Blog
エジプトの企業 MCS Holdings が CNNIC(China Internet Network Information Center)から取得した中間認証局証明書を悪用し google.com
, google.com.eg
, g.doubleclick.net
, gstatic.com
, www.google.com
, www.gmail.com
, googleapis.com
各ドメインの証明書を偽造していた問題。
こういう話は頻繁にあるわけではないが珍しいことでもない。 たとえば2013年にも
という話があった。 ただし,このときは実際に不正を行った中間認証局(の証明書)をブロックしただけだったが,今回は CNNIC のルート証明書を(一時的? にせよ)ブロックしている。 この影響はかなりデカくて
ふつう,証明書の有効性は(権威的)CA 側が判断するもので,アプリケーションにすぎない Chrome 等のブラウザがやることではない。 そういうことをアプリケーション側がやらざるを得ないってのが現在の状況だということだ。 もちろんブラウザ側の判断が常に正しいという根拠は何もない(今回の判断は妥当だと思うけどね)。 私たちはただ状況に応じて「選択」することしかできない。
こうやって少しずつ(X.509 型の)PKI は壊れていくんだねぇ。 EV SSL なんか鼻くそほどの役にも立たないという証拠である。