安全なメッセージング・アプリ(ちょびっと改訂)
EFF の “Secure Messaging Scorecard”がアップデートされている。 以下に差分のみ抽出してみる。 以前書いた「安全なメッセージング・アプリとは」と併せてどうぞ。
要件1 | 要件2 | 要件3 | 要件4 | 要件5 | 要件6 | 要件7 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
◯ | ☓ | ☓ | ☓ | ☓ | ☓ | ☓ | |
Telegram | ◯ | ☓ | ☓ | ☓ | ◯ | ◯ | ☓ |
Telegram (secret chats) | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ☓ |
ちなみに7つの要件を再掲載しておくと
- Encrypted in transit? (メッセージは暗号化して送られているか)
- Encrypted so the provider can't read it? (プロバイダーに読まれないように暗号化されているか)
- Can you verify contacts' identities? (連絡先の確認が可能か)
- Are past comms secure if your keys are stolen? (キーが盗まれた場合でも過去の通信が安全といえるか)
- Is the code open to independent review? (コードが開示されているか)
- Is security design properly documented? (セキュリティ・デザインは正しく文書化されているか)
- Has there been any recent code audit? (コードがしっかりと監査されているか)
である。(日本語訳は ASCII.jp の記事を拝借した)
まぁ QQ を使う日本ユーザは多くあるまい。 Telegram が Perfect Forward Secrecy をサポートし始めたのは朗報だろう。 Telegram は複数のプラットフォームに対応しているのが特徴。 iOS や Windows Phone にも対応している。
うん,まぁその通り。 しかし PIN コードを(「証明(certification)」ではなく)「認証(authentication)」として使うことに誰もツッコミを入れないのだろうか。 個人的には(パスワードより弱い PIN コードを認証に使う時点で)アウト! なのだが。
(てな話を Facebook でしてたら,ユーザ層の広い LINE では TOTP のような仕組みを入れても騙される人は騙されるかも,という意見があって,それはそれでなるほどと思ったのだが)
Peerio というツールが登場したらしい。
今ひとつよく分かってないのだが,何処にも鍵を保持しないということは,鍵の強度は(鍵自身の強度ではなく)パスフレーズの強度で決定してしまう(パスフレーズが第3者に漏洩しないという前提で)のだが,それって「使える」の?
いや,これって「サービス間で同じパスワードを使いまわす人」や「パスワードに 123456
と入れる面倒くさがり」がターゲットなんでしょ。 ダメなんじゃないの?
(そもそも OpenPGP を「少々使いづらい」とか言ってる時点でダメダメだと思うけど。 ちなみに GnuPG にもパスフレーズから生成した暗号鍵で暗号化するオプション(-c
または --symmetric
)がある。 単独ではあまりお勧めではないけど,通常の OpenPGP 暗号処理(--sign
や --encrypt
)と組み合わせて使えるのが利点)
これなら XMPP/OTR のほうが全然マシだと思うのだが,どうだろう。 まぁ Peerio はしばらく様子見かなぁ。