「インターステラ―」が意外にも面白かった
(この記事はもしかしたらネタバレを含んでいますので,好きなオカズを最後に残すタイプの方は読まないほうが賢明です)
いや,実際のところ「インターステラ―」には全く期待してなかったのよ。 だって予告編
見ても「面白い!」と思わせる要素なんか何ひとつないし,なによりネットの評価が酷かった。
何が酷いっていわゆる「SF者」が絶賛してるのよ,この映画。 そんなんで観る気になると思う?(いやない!) でもネットの評判に振り回されるのも癪だし,今年はまだ1本も映画を見てないし,年末年始は「妖怪ウォッチ」目当ての餓鬼おっとお子様達でごった返すに決まってるので,今のうちに見ておこうかと思ったのよ。
観た結果は... 面白かった。 予想外に。
なんというか,久しぶりに上質のスペースオペラ第1楽章を観た! って感じかな。 予告編で気になってた,ハリウッド映画にありがちな「近代的「家族」を人質にお涙を頂戴するゴミ映画」でもなかった。 「SF者」が何か薀蓄を垂れてたが, SF の知識は一切不要。 タイムパラドックスとかワームホールとか重力による時間の進み遅れとか,いまどきそんなのはラノベ程度のネタで全然珍しくないし,作り手は当然色々計算して作ってるんだろうけど,見る側はそんなこと全然考える必要がない(てか,見る側に楽屋裏を気にさせるような作品は下種だよね)。
例えば,今回のタイムパラドックスネタはいわゆる「Polchinski のビリヤード」の変奏だろうけど(てか大概のタイムパラドックはこれの変奏だけど),日本ではこれを使った超有名なラノベ作品がある。 つまり「涼宮ハルヒ」シリーズである。 なので,日本人には全然難しくないのだ。
問題は「インターステラ―」が SF ネタのガジェットを積み上げただけのジャンクアートなのか,きちんとエンタテインメントとして成立しているかということだ。 そしてこの作品はきちんとエンタテインメントしている。 これで必要十分だ。
これなら劇場でもう一回くらい見てもいいかなぁ。 いや,見ない(つか見る暇ない)けどね。
- ブラックホールと時空の歪み―アインシュタインのとんでもない遺産
- キップ・S. ソーン Kip S. Thorn
- 白揚社 1997-07
映画「インターステラ―」の元ネタらしい。が,値段お高めで買えないなぁ。