SNS の「本名」問題の顛末

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そういえばそんな話題もあったっけ。

Google+ の場合は明らかだ。 SNS 市場において Facebook に敗北したのだから,同じポリシーを避けるのは当然の帰結で,むしろもっと早く気付けよと小一時間問い詰めたい(個人的には Instagram と連携しない SNS なんて存在しないも同然だけど)。 まぁ私の場合は意地を張って Google+ への本名登録を徹底的に避けていたので(幸運なことに BAN されなかったけど)今更だけど。 でも,これで少しは風通しが良くなるかな。

インパクトが大きいのは,やはり Facebook ページだろう。 LGBT(Lesbian Gay Bisexual Transgender)を含む性的マイノリティに(寛容というより)無頓着な多くの日本人にはピンと来ないかもしれないが,(性的マイノリティに対して「嫌悪」を刷り込まれている)近代欧米社会のサービスが「LGBTコミュニティーに謝罪」しポリシーを変更するなんて一大事なのである。

もともと Facebook は「友愛結社」的なサービスとしてスタートしている。 「友愛結社」は社会的包摂で成り立つもので,必然的に(結社にとっての)マイノリティは排除される。 つまり「LGBTコミュニティーに謝罪」というのは,「実名ポリシー」云々なんて小さい話ではなく,もっと大きな括りでの転換(paradigm shift)を指していると私は思う。

もっとも Facebook の実質において「友愛結社」的な性格はもっと前に崩れていると思う。 Facebook における本名の強制は「友愛結社」を維持するための initiation であり dress code でもあったわけだが,おそらく近年 Facebook にアカウントを作る人で本名で登録するなんてうっかり者は少数ではないかと思われる。 そもそも Facebook はもはやメインで使われるサービスでもない。

マイノリティも併せ呑むほどに巨大化した Facebook にとって「実名ポリシー」なんてもはや議論する意味のないお題目だ。 つまり Pseudonymity の問題は有名無実化しつつあるのである。

というわけで,個人的には「スノーデン以後の匿名性(Anonymity)」についてもっと議論していくべきだと思うのよ。 特にプライバシーに関する議論が薄い日本ではなおさらね。

参考図書

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つながりっぱなしの日常を生きる: ソーシャルメディアが若者にもたらしたもの
ダナ・ボイド 野中モモ
草思社 2014-10-09

閉じこもるインターネット――グーグル・パーソナライズ・民主主義 プライバシーの新理論―― 概念と法の再考

とりあえず発注してみた。

reviewed by Spiegel on 2014/10/15 (powered by G-Tools)

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暴露―スノーデンが私に託したファイル―
グレン・グリーンウォルド 田口俊樹
新潮社 2014-05-14

スノーデンファイル 地球上で最も追われている男の真実 文藝春秋 2014年 11月号 [雑誌] ジャーナリズムの現場から (講談社現代新書) CIA諜報員が駆使するテクニックはビジネスに応用できる ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか

reviewed by Spiegel on 2014/10/15 (powered by G-Tools)