青色発光ダイオードの功績

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青色発光ダイオードの功績が認められ,赤崎勇名城大学教授,天野浩名古屋大学大学院教授,中村修二カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授の御三方がノーベル物理学賞を受賞されたとか。 めでたいことです。

皆さんご存知のように,ノーベル賞は非常に政治色の強いもので,世界的な功績があったからといって必ずしも受けられるものではないし,国家間の政治・外交の差が如実に出てしまう生臭いイベントでもあります。 それでも功績が認められたことは素直に喜ぶべきだし,御三方には賞賛の拍手を送りたいと思います。 本当におめでとうございます。

だって青色発光ダイオードですよ。 最後の1色ですよ。 当時この発見が世界にどれだけの驚きをもって迎えられたか。 私は当時の「日経サイエンス」のバックナンバーをいまだに取ってあります(魔窟部屋のどこかにある)。 それだけインパクトのある出来事だったのです。

時は流れて。

日本はとっくに「先進国」から転げ落ちました。 文化的にも技術的にも,もはや日本は二流国です。 COOL JAPAN なんて言われてたのはもう10年も昔の話です。 今,技術で日本国が世界に誇れるのはロケットと新幹線くらいしかありません(ひまわり8号の打ち上げ成功,おめでとうございます)。 そういう意味では,今回の受賞は日本が「先進国」だった頃の残滓と言ってもいいかもしれません。

また青色発光ダイオードは,企業と個人と特許の関係について考えるきっかけになりました。 企業に包摂されがちな「技術者」個人の存在意義について考えるきっかけになったとも言えるかもしれません。

毎年この時期になると同じような話が出てきますが,私は日本は後進国で二流国でいいと思います。 今の日本に自らの国際地位を上げるようなパワーはありません。 そのような方面にパワーを割くくらいなら,もっと日本の内面(ソフトウェア)を磨くべきでしょう。 上位国からの搾取を避けるために下位国から搾取するという力任せでヤクザな方程式は捨てるべきです。

過去の功績は功績として。

これから日本が積み上げていくべき功績はおそらくノーベル賞の対象にはならないと思います。 それでもそれは未来の日本にとって必要なことだと思うのです。