日本の「算数」は壊れてる?
たまたま Twitter で見かけたんだけど酷いね,これは。 以下は黒木玄さんの tweets から。
#掛算 添付画像はhttps://t.co/UI6niWtpmn より。子供が交換法則を理解して掛算の順序はどちらでもよいと論理的に正しく考えることを算数教育ワールドが防ごうと努力しているという驚愕の事実の証拠物件の一つ。 pic.twitter.com/9UbgPgXkl1
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014, 9月 26
#掛算 https://t.co/Toc86mX0VY で紹介されているZ会のこれ(添付画像)はひどいね。日本の算数教育界にはびこる完全に間違っている考え方をもろにそのままコピーしてしまっている。 pic.twitter.com/2i9gIUCSi6 続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014, 9月 26
#掛算 Z会曰く【数学的な見地からいえば~誤りではありません】こういう言い回しがもろに日本のダメな算数教育ワールドの流儀そのもの。「数学的な見地からいえば」???「算数としても当然誤りではありません」とどうして言わないのか。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014, 9月 26
#掛算 続き。「算数は数学とは違う。数学では掛算の順序はどちらでもよいが、算数ではそうではない」というような言い方をする人はまさしく算数教育ワールドにおける困った考え方を受け入れている人そのもの。自分たちのローカルルールにしたがわせることを「算数」と呼んでいる。ひどすぎ。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014, 9月 26
#掛算 続き。今まで何度も引用している全国36校の調査によれば掛算の式の順序を問う典型的なひっかけ問題の正答率はかけ算を導入する小2の段階であっても半分程度に過ぎない。小2で正答率が半分程度に放置したまま先に進むのが普通なのだろうか?まさかそんなことはないだろう。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014, 9月 26
#掛算 続き。おそらく、学校や先生によってかけ算の導入段階での順序強制の度合いは大幅に異なる。ツイッターでも反応もこの推測に矛盾していない。小2での正答率がせいせい半分程度ということは、厳しく順序強制する先生とそうではない先生は小2でも同じオーダーで存在するのではないか?
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014, 9月 26
#掛算 算数の検定教科書そのものを見てもそう簡単に過激なデタラメが通っていることは見抜けない。しかし、文科省が一切タッチしていない教科書の教師用指導書(一般人には購入不可!)を見ると、教科書出版社のデタラメな教え方を進めようとしている態度がよく見える仕組みになっている。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014, 9月 26
#掛算 続き。算数の教科書出版社には全国の小学校における算数教育に影響を与える力があります。しかも、影響力を行使するための有力な経路である教科書のアンチョコは文科省のチェックを通っておらず、一般人には購入不可にしています。万人による批判を逃れてやりたい放題。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014, 9月 26
#掛算 続き。小1~小2にかけての足算と掛算は全部の数(もしくはより一般的には全体のサイズ)を求める演算として直観的に導入されます。「a×b」は「a個の塊がb個あるときの全部の数」として導入しないとまずい。しかし、実際には「全部の数」を求めるという最も重要な~続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014, 9月 26
#掛算 続き~実際には「全部の数」を求めるという最も重要なポイントを無視して、あたかも「a×bはa個の塊がb個ある場面や状況を意味する」かのような教え方がされている場合もあるようなのです。全部の数ではなく、場面や状況をa×bと表わすことにしてしまっている!これはとてもまずい。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014, 9月 26
いや,数学の問題で解き方が異なってたら不正解にするとかそういう話は昔から耳にしてたので,まぁ「世の中にはそんなダメダメな教師もいるんだなぁ」くらいには思ってたのだが,まさかこんな初歩の初歩でやらかしてるとは知らなかった。 そもそも a×b≠b×a なんて教えてたら中学で代数と方程式を習う段階で確実に挫折すると思うのだが(加算や乗算の交換法則は「刷り込み」レベルの基本的な概念だろう)。 またそれを小学生低学年に対して教えてるというのがヤバさに拍車をかけている。
もうひとつ驚いたのは,いわゆる「あんちょこ」が文科省のチェックを通ってないらしいってこと。 私は「教科書検定」って「あんちょこ」のほうでやってると思ってたよ。 だって指導の仕方は「あんちょこ」の方に書いてあるんだから。 子供の頃,教師の「あんちょこ」を見て「先生要らないから「あんちょこ」のほうをくれ!」と思ったもんだ。 それくらいインパクトのある内容なのにノーチェックだなんて。
「水からの伝言」のときも相当驚いたが,理科や算数で嘘を教えて子どもの発達を阻害するようなことをして何のメリットがあるというのだろう。 本気で理解に苦しむ。
「算数」がこのような有様なら,もう「算数」すっとばして「数学」から習ったほうがいいのではないか(私は小学生の頃,理科の授業で明らかな嘘を教えるので「先生から理科は学ばない」と悟った。その教師は音楽の先生だったので今から考えれば無理もないと思うところもあるけれど)。 自己防衛として結城浩さんの『数学ガール』シリーズを読むことをお薦めする。 最近は小学生高学年くらいなら理解可能な易しい内容のもあるからさ。 あと親は自分の子供が学校や塾でどんな教科書使ってるかひと通り見たほうがいいかもねぇ。