「プロテクト破り」への攻撃に注意せよ!
また文化庁がやらかしそうな気配である。 要注意だ。
今さらそんな話かよ! と突っ込みたいところであるが,どうやら文化庁はどうしても自分の権限でマジコンを規制(権益を拡大)したいようで,ちょっと洒落にならない感じである。 ちなみにいわゆる「プロテクト破り」への規制については DMCA のときにさんざ議論されてる。 いまから10年以上前の話だ。
いや,このページがまだあるとは思わなかった。 ありがたいことである。 当時はずいぶん勉強させてもらった。 リンク先が切れてるものも結構あると思うが,こういう議論があったということは感じて欲しい。
んで,最近の DMCA はどうなっているかというと,実は DMCA は3年毎に見直しがされていて,最近はむしろ緩和傾向にある。 一番最近だと以下の記事あたりが耳に新しいのではないだろうか。
そもそも旧来の「技術的保護手段」を用いた DRM など時代遅れのシロモノである(拙文「監視をコントロールする」を参照)。 DRM は新しい段階に入っている。 欧州委員だって
「今日、私たちの崩壊した著作権システムは、芸術の本質に適応できていません。つまり、そこにフロンティアは存在しないのです。そのシステムは、アーティストよりもむしろ、その仲介者に強力な役割を与えることになりました。」とクロースは言う。
「アーティストが触れて欲しいと願うモノに市民がアクセスできないことがしばしばあり、市民を苛立たせることになります。それこそが、違法コンテンツによって生み出される空白を維持し、アーティストが手にするべき報酬を奪っているのです。また、著作権執行は、プライバシーやデータ保護、ネットの中立性といったセンシティブな問題に、しばしば関わってきます。」
(「欧州委員、国家や企業を超えた、クリエイターと市民のための著作権改革の必要性を訴える」より)
とか言ってるご時世だよ。 それなのに10年前の議論を蒸し返すようなことをする文化庁は何を考えているのか。
ちなみにマジコンを規制すること自体は個人的にはありだと思っている(議論の余地はあると思うが)。 ただしそれは「著作権によって」ではない。
要するに,この手の規制は文化庁の縄張りではないのである。
稚拙な現政権によって政局は混迷を極めているが,この機に乗じておかしな事を言ってくるものも増えてくる。 彼らの言動には十分注意した方がいい。 また(輸入権の時みたいに)直前になって騒いでも遅いのだ。
(気をつけるといえば,電子書籍に関連して,隣接権等の設置を目論むものもいるようである。 これも気を付けないとエラいことになるよ)