中年だって本は買うぞ
失敬な話(笑)
私は四十路過ぎの中年だが本は買うぞ。 たしかに10代20代の頃に比べれば読むスピードは落ちてるけど相対的な量が減ってるだけで読まなくなったわけじゃないし, 読みたい本は買ってでも手に入れる。 「「書籍」と言えるような本」という括りがそもそも謎だけど, いわゆるハードカバー本や文庫・新書を指すというのなら3~5千円/月程度のペース。 それに仕事関係の本や雑誌・漫画を含めていいなら1~2万円/月程度かな。 あっノンフィクションなんかは基本的に読まないですから。
うちの母親は年金貰うようになって物凄い勢いで本を読み始めた。 私が実家に置いている筒井康隆さんのシリーズはあっという間に読破したらしい。 更に(少ない収入の中から)月に1,2冊程度のペースで文庫本などを買っているようだ。 しかもジャンルが無差別。
学生時代は図書館の本をサルのように貪ってたけど, 自分で本を買って読むようになったら図書館はあまり利用しなくなった。 でも昨年からまた図書館を利用し始めている。 私が今図書館を利用する最大の理由は, それが本屋には売ってないからだ。 図書館で借りて読んで面白かったらネットで注文するというのが最近のスタイル。 特に目的もなく本屋や図書館に入って山ほど並ぶ本の中からその場で「これ!」ってのを選び出す楽しみ。 そういうイレギュラーな出会いこそ本好きの醍醐味というものだ。 本を読むってのは「記号の消費」とは違うのだよ。 だからこそロング・テールが成立する余地がある。
件の記事では中高年が本屋で本を買わない理由を
- 多分もう家に充分以上の本があるから。
- 本を読むのに「待つ」ための時間があるから。
としているが最初の1フィートで破綻している。 だいたい家に有り余るほど本があって本屋で買う必要がないのなら図書館で借りる必要もないだろ。 それに図書館にはそれこそ有り余る本があるんだから「待つ」必要などない。 「そこにある」興味を引く本を借りればいいのだから。 まっ, もっとも最近は図書館もネットワーク化が進んで, 欲しい本はネットで検索してあらかじめ予約した上で図書館には受け取りと返却に立ち寄るだけって感じかもしれないけど。
ネット(特に Web)上のコンテンツは本の代替にはなりえない。 それは本よりも端末である PC のほうがまとまった文章に対するブラウジング能力が圧倒的に劣っているから。 ケータイなんて論外。 それは例えば「ネットから長文が消えたいくつかの理由」にも通じる話。 全く同じ内容の文章が PDF (無料)と本(有料)で提供されているのなら, 私は迷わず本を買う。 ネットに書籍コンテンツがある意義は, その方がコンピュータにとって探しやすいからであり「ハイパーテキスト的に思考すること」に向いているからだ。 まぁ個人的には電子ペーパーが早く個人で使える時代になって欲しいんだけど。
そういえば, ある友人は買った本を読んだ端からブックオフ等に売り飛ばす。 本に限らず何でも貯めこむ習性のある私から見れば信じられない暴挙だが, そういうスタイルもアリなのだろう。 世の中には色んな人がいる。 図書館を書庫代わりに利用する人もいれば読んだ端から売り飛ばす人もいる。 私みたいに貯めこんで部屋が魔窟化する人もいる。 それは世代やジェンダーに関係のない話である。