潔癖症な社会システム
なんちうか, いつから日本はこんなに潔癖症になってしまったのか。
最近の不二家絡みのニュースを見ているとまるで日本人が綺麗好きであるかのような錯覚を受けてしまう。 確かに今回の不二家の不祥事は問題だけど, それに対する巷の過剰反応は完全に潔癖症のそれだよね。
ここで言う潔癖症は嗜癖(Addiction)の症状のひとつ。 嗜癖の症状ってのは単体で起こるものではなく, (例えばあるアルコール依存症の人が実はタバコ依存症でセックス嗜癖だったとか)いくつかの症状が複合して起きることが多い。 つまり症状そのものはほんの表層に過ぎず, その内面に大きな問題を抱えているということだ。 しかも嗜癖ってのはある意味で病気じゃない。 嗜癖が問題なのは, それ自体が適応の一種であり, しかも自己破壊的同調であるという点だ。
これは食品衛生だけの問題ではない。 環境問題だってそうだし, コンピュータあるいはネットワークのセキュリティや最近流行の「内部統制」なども既に潔癖症の様相を呈している。 サイバーカスケードもそんな感じか。 著作権の強化もそう。
やってることは基本的にみんな同じ。 「不潔」なものを探し出してそれを徹底的に排除する。 「徹底的に排除する」っていう部分に耽溺するためには常に「不潔」なものが存在しなければならない。 つまり潔癖症の人ってのは「不潔」なものに依存してるんだよね。 そうやってあらゆるものを排除しようとする。 こういったことが社会レベルで起こっているということだ。
社会レベルで起こっている嗜癖を「嗜癖システム」と呼ぶ。 では「嗜癖システム」は何故起こるのか。 どう問題なのか。 詳しくは以下の本を読め, ちうことで。
A・W・シェフ著 / 斎藤 学監訳
誠信書房 (1993.2)
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ただし, この本の原書が出たのは1987年なので, その辺を勘定に入れて読まないと読みにくいかも。
よしよし, これでこの本の読書感想文も終わったな。 まだ感想文書いてない本は1冊か。