「秀丸」離れ計画 -- 導入編

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私は Windows 3.1 時代(試用期間も含めると Windows 3.0 からですが)からの「秀丸エディタ」ユーザです。 現時点でも全く支障なく使えているのですが, 現在の職場で秀丸エディタが使えない事態になってしまい急遽別のエディタを調達することにしました。 今回はその辺の話を。

なお, あなたが優れたテキストエディタをお探しならここの記事は全く参考になりません。 そういう事例もあるよってことで軽く読み飛ばしていただければ幸いです。

そもそもこういう事態になった理由ですが, 今の職場は制式ソフト以外の個人が持ち込むソフトについてフリー(自由)で無料のものしか認めないという規定があって, シェアウェアである秀丸エディタはこの規定に思いっきり引っかかってしまうのです。 しかし, この規定自体は納得できるものです。 開発の過程で客先に納入する機材を直接いじる事はよくあることだと思いますが, その作業において納入品に含まれるツールを使ったのでは効率が悪いことがあります。 利用に何らかの制限がある (例えばフリーライセンスではなかったり「基本的にフリーだけど商用利用する場合にはお金を払ってね」といった)ソフトウェアをうっかり残して客先に納入してしまった場合は後々相手に迷惑をかけることになりますし, 相手に迷惑をかけてしまうことによってこちら側の信頼も失うことになります。 ヘボ医者が手術の際に患者の身体の中に手術道具を残してしまうようなもんですね。 そういったミスを未然に防ぐためにも「フリーでないツールは使わない」よう習慣付けることは合理的です。

昔はフリー(自由または無料)なソフトを使うことを品質上の保証がないという理由で忌避する企業が多かったのですが, 最近は FOSS の台頭によって品質に対する不安感は薄らいでいっている気がします。 むしろ(少なくとも汎用アプリケーションに限っては)製品の利用に際し排他的なライセンスを結ぶほうがリスクになりつつあります。 プライベートや仕事などで複数のコンピュータを渡り歩いている人が増えてきています。 故にそのソフトウェアが「使えるソフト」であればあるほどライセンスの問題がのしかかってきます。

しかしそうは言っても長年(数えてみたら12年以上)秀丸エディタを使って禄を食んできた身としては, それによって染み付いた癖のようなものはどうしようもありません。 もう「秀丸がないとものが考えられない」って感じで「秀丸」依存症と言ってもいいかもしれません。 なので乗り換えるにしてもできるだけ秀丸エディタの操作感覚に近いものでないと困るわけです。 さあ, 困った。

ネットを少し漁ってみましたがあまり有用な情報はないようです。 その中でも比較的参考になったページをいくつか挙げておきます。

これらのページで挙げられている以外にもいろいろあったのですが, 今回はスルーします。 何せ早く決めないと「メモ帳」で仕事する羽目になっちゃいますから(笑)

最終的に TeraPadサクラエディタとでどっちにしようか悩んだけど, 結局サクラエディタに決めました。 サクラエディタのインストールパッケージは関連ファイルや設定があらかじめ同梱されていて, インストール後すぐに使うことができます。 また SakuraDown を使えばソフトのアップグレードも簡単にできます。 この辺結構大事。

サクラエディタに決めた理由は2つ。 ひとつは以前の仕事でサーバのメンテ用に使ったことがあること, もうひとつは設計コンセプトが秀丸エディタに似ている(ように私には見えた)こと, です。 ユーザインタフェース設計で一番重要なのは「変えない」ことです。 実はこれが一番難しい。 またあるソフトから別のソフトに乗り換える際にもこの点が一番ネックになります。 学校教育の現場でコンピュータ環境が変わって「Microsoft製品でないと「高校と違う」という苦情」が聞かれるそうですが, ある意味その学生さんたちに同情します。 「操作」というのは頭よりも身体で覚える部分が大きく, それだけ変化に対する適応が遅れる傾向にあります。 だから極力「操作」は変えてはいけないのです(特に年取るとねー)。 まぁでもソフトは絶えず変化するものですし, いつかは思い切らないといけないんですけどね。

次回は(もし次回があるのなら)サクラエディタを使ってみた感想等を書いてみましょうか。