"The Sudden Morning"

no extension

毎年8月6日は広島市では「原爆記念日」としてお休みとなります。平和公園などでは派手な式典をやっていますね。私は今年は 「2005年8月6日広島 ワールドワイドインターネットアートプロジェクト「突然ノ朝」」 という企画にエントリーする事にしました。 Flickr でも同様のグループができています。

実はテーマを決めて写真を撮るというのは(天体写真を除けば)はじめての経験で,前日まで何を撮ろうかあれこれ悩んでましたが,結果的にはいつもの「お散歩カメラ」の感覚で撮ることができました。一応 Spiegel 名義で3枚ほどエントリーしたのですが,他にも何枚か撮っているので併せて紹介します。

alley

今回の企画とは別にどうしても行ってみたいところがあって, まずそこを目指す事にしました。 しかし途中の路地があまりにも狭くて嬉しくなり思わずシャッターを切ってしまいました。 こういう人同士がすれ違うのも難儀な狭い路地とか好きなんです。 広島市内にもまだまだこういう場所があるんですねぇ。

 
Shinto shrine

で, 行きたかった場所というのがここ。 アストラムラインから見ると住宅地の中に背の高い2本の木がにょきにょきっと伸びていて, 「神社か何かだろうなぁ」とは思っていたのですが(追記: 久保山神社というらしい)やはりそうでした。 何となく後光がさしているように見えるのは逆光で撮っているからです。 CONTAX の T* レンズは逆光に強いとは聞いてましたが, さすがです! 惚れ直しました。

 
Bon lantern

広島名物「盆燈籠」です。 毎年この時期になると店頭に並べられていて(コンビニでも売ってる!), これを見ると「あぁ,もうすぐお盆だなぁ」って感じがします。 もしかしたら60年前のあの時にもこんな風景が見られたのかもしれません。

この盆燈籠はお墓に立てて飾るのでだそうです。 私の田舎ではこんなものはなかったのですが, 他の地域にもこういうのはあるのでしょうか。

 
Shinto shrine

先程の場所から少し歩いたところにある「才ノ木神社」の本殿を後ろから撮ってみました。 逆光ご容赦。 かつ神社好きですみません。 拝殿から本殿に昇る途中に狛犬がいます(写真では分かりませんが両サイドにいます)。 私の田舎の神社ではそんなものなかったので「へぇ」ってな感じで撮りました。

 
platform

広島市内を走る「アストラムライン」駅のホームです。 この写真を撮った時がちょうど 8:14 で列車が来る直前の映像です。 広角で撮ったのをほとんど補正なしでアップしているためやや歪んでますがご容赦を。

 
Gate for wheelchair

乗り物を乗り継いで広島大学千田キャンパス跡地まで足を運びました。 ここはかつて「北門」と呼ばれていた場所です。 変なものがあるなぁ, と思って近づいてよく見ると車いす用のゲートでした。 この輪ッかの中に車椅子を入れてゲートを回転させて出入りするようです。 バイクや車の出入りを制限するためとはいえよくこんな面倒な事を思いつくものです。

 
Schoolhouse

理学部1号館。 被爆建物です。 千田キャンパスがここにあった頃から壁のレンガとか剥がれ落ちたりして結構危なかったです。 夜の1号館はホーンテッドハウスみたいで恐かったし。

今では 柵で囲まれて入れないようになっています。 写真じゃ分かりにくいかもしれませんが, かなり荒れ放題になっています。 学生時代をここで過ごしたものにとっては心の痛む光景です。 本当にどうするつもりなんでしょうねぇ。 保存する気もなくて朽ちるまで放置プレイにするつもりなら, いっそ取り壊してくれた方が気が楽です。

 
Metasequoia

かつて森戸道路を飾ったメタセコイアの木。 前にも書きましたが, こちらも全く手入れをされてる様子がなく荒れ放題になっています。 「生きてる化石」なんだよ。 知ってる?

 
Schoolhouse

理学部1号館の裏手側です。 こちらは表側より更に痛ましい姿を晒しています。 ホンマに何とかしてくれよ。 昔はたくさんの植物が植えられていたのです(ジャングルみたいでちょっと入りたくない感じでした)が, かなり整理されてしまってます。

 
Bank of Japan

千田キャンパスを出て袋町方面へ移動。 こちらは旧日本銀行広島支店。 やはり被爆建物です。 今回の企画では, 当日送られてきた写真を大型スクリーンで投影して展示されていたそうです。

この建物もかつては取り壊すとかどうとか騒がれていましたが, 今では市民向けのギャラリーや演劇会場として利用されているようです。 他の被爆建物に比べれば比較的幸せなパターンです。

 

もちろん私達の多くは被爆体験などないのですが, こうした機会を通して少しでも「その時」に思いを馳せていただけると嬉しいです。

最後にパキスタンの理論物理学者 Pervez Hoodbhoy 教授による以下のテキストを紹介します。 先の大戦で亡くなられた(広島の方々を含む)全ての方々のご冥福を60年後のこの時点からお祈り致します。