CONTAX U4R の歪曲収差
カメラのレンズで見た映像は肉眼と全く同じというわけではありません。 色がにじんだり, 明るさにムラがあったり, 像が歪んだりします。 これらのレンズ特性を引っくるめて「収差」と呼びます。 もちろん各レンズメーカーはこれらの収差をできるだけ抑えるように設計を行うのですが, 完全に収差を取り去るのは容易なことではありません。 CONTAX U4R で使われているツァイスレンズは独自の設計でかなり収差を抑えているのですが, やはり完全ではありません。 特に目立つのは「歪曲収差」と呼ばれる収差です。
歪曲収差を簡単に測る方法を探していたのですが, トイレの壁を見てこれを撮影すればいいと気付きました。 お食事中のかたゴメンなさい。
![[歪曲収差]](/spiegel/photo/Tile-before.jpg)
画像ファイルの Exif 撮影情報を見れば分かると思いますが, この写真はワイド端(5.8mm,35mm 版カメラで 38mm 相当)で撮影したものです。 ズームレンズの宿命で広角側にするとどうしても収差が大きくなってしまいます。
![[歪曲収差 補正後]](/spiegel/photo/Tile-after.jpg)
Image Filter では歪曲補正のパラメータをあらかじめ INI ファイルに登録しておくことができます。
Windows フォルダ(C:\WINDOWS
または C:\WINNT
)内の IFDistortionLog.ini を開いて(ない場合は作成します)以下の記述を追加してください。
[CONTAX U4R] 580,-176,0 1010,-38,0 1740,38,0
5.8mm (ワイド端),10.1mm,17.4mm (テレ端)の3点での補正値です。 とはいえワイド端以外では歪曲収差はほとんど気になりません。 逆にマクロ撮影ではズームがワイド端に固定されてしまうので歪曲補正が必須になってくるでしょう。
参考文献: