減塩生活
(この記事は「もっと辺境から戯れ言」に投稿した記事からの転載です)
今月号の『Software Design』の表紙を見て「夏休み大特集」と書いてあるのを見て 「あぁ、この雑誌って学生がターゲットだったのか」 と今ごろ気づく今日この頃(「夏休み」... 遠い言葉だ)、 皆様いかがお過ごしでしょうか。 今回は「減塩生活」についてです。
入院中、 食生活で特に言われたのが「減塩」生活。 私としてはある程度気をつけているつもりだったのですが、 まだまだ足りないようです。 実は入院中に減塩についてレクチャを受けたので、 そのときの内容を中心に書いてみます。
塩分の取りすぎは代謝機能に影響を与え高血圧の原因になったりもします。 また日本人はほかの国に比べ塩分の摂取量が多いと言われています。 ある統計によると、 日本人の塩分摂取量は昭和62年ごろまで下がってきていたのですが、 その後は再び上昇を続けているそうです。
日本人が目安とすべき1日あたりの塩分摂取量は10グラムと言われていますが(世界的には6グラム前後と言われています)、 実際には10数グラム、 地方によっては20~30グラムというところもあるそうです。 また私のように循環器機能に問題がある人は更に減塩が必要で、 1日あたり7~8グラムを目安にするように言われています。 間食をせずに1日3食食べる場合を想定すると1食あたり2グラム見当となります。
この目標は一見難しそうですが、 自分で食事を作って栄養管理している場合であればそれほどでもありません。 例えば以下に食塩1グラム相当の調味料を挙げてみます。
調味料 食塩(グラム) カロリー(Kcal) 塩 1 - 醤油 7 - 減塩醤油 10 - 中味噌 8 16 白味噌 16 32 ウスターソース 12 - トマトケチャップ 28 37 味付けポン酢 11 - めんつゆ(2~3倍希釈) 12 8 コンソメ 2 - 和風だしの素 3 - マヨネーズ 56 300 フレンチドレッシング 33 130 醤油入りドレッシング 20 80
一見味の濃そうなソースやケチャップやマヨネーズなどが塩分の観点からは意外に有利であることが判ると思います。 また上記の調味料以外でも「うまみ」や「酸味」を上手に利用することで塩分を抑えることができます。 減塩は「薄味」とは違います。 食材や調味料をうまく組み合わせることで食事を美味しくいただくことは可能なのです。
問題は加工食品それも惣菜物です。 これらは比較的塩分が多いためできるだけ避けたほうがよいようです。 しかし、 一人暮らしで自炊が苦手、 あるいは出張等で外食に頼らざるを得ない場合はどうすればいいのでしょう。
惣菜を主に利用している方は、 1食あたりの惣菜の量を減らすことで減塩になります。 買った惣菜を半分に分けて2食にするだけでもかなり違うでしょう。 もの足りない分は野菜サラダや果物などで補う手もあります。
外食が多い人は漬物や味噌汁など塩分が多いおかずを残すようにすることで塩分調整ができます。 例えばラーメンは1杯あたり5グラム以上の塩分(ほぼ1日分)を含みますが、 汁を残すことで摂取量を半分にすることができます。 ちなみに大抵の定食や丼物は1食あたり4~6グラムの塩分を含んでいます。
実はレクチャの中で「レストランの定食とコンビニの弁当ではどっちがヤバイですか」と訊いたのですが、 できるだけコンビニの弁当は避けろと言われました。 これはよく考えれば当然なのですが、 コンビニの弁当は防腐目的のため通常よりも塩分が多いそうです。 普通の白飯にも塩分がかなり含まれているという話も聞きました。 また弁当は定食と違って「残す」ことによる摂取のコントロールが(心理的に)しにくく、 つい全部食べてしまうので、 それならば定食のほうがいくらかマシということのようです。
最近ではスーパーの惣菜やコンビニの弁当を見るとカロリー表示がされていることが多いです。 レストランでも定食メニューにカロリー表示がされていることがありますよね。 しかしカロリー以上に見えにくいのは塩分です。 食べて分かる場合はまだしも味覚として顕れない「塩分」もあるのです。 カロリー表示をしてくれるのなら塩分も併せて表示してくれるとうれしいのに、 と思ったりします。
これは私の個人的な感想ですが、 減塩生活は結局は「慣れ」の問題です。 私達はインスタント食品や外食や惣菜や弁当などで濃い味に慣らされてしまっているのです。 入院して1週間も減塩食を続け、 その後「紅塵の巷」の食事に接するといかに「しょっぱい」かわかります。 しかしそれもまたしばらくすると「慣れ」てしまうのです。 減塩生活というのは巷の「しょっぱい」味付けに慣らされないための知恵だと思うのです。