CCPL パブリックコメント
(この記事は「もっと辺境から戯れ言」に投稿した記事からの転載です)
Creative Commons Japan からドラフト版に対するパブリックコメントとその回答が公開されています。 またこのパブリックコメントについての記事もありますので参考にしてください。
確かにパブリックコメントの内容を見ると CCPL の利用を躊躇してしまうかもしれませんね。 こうなってしまうのにはふたつくらい理由があるように思えます。
- 現在の著作権法が複雑過ぎて全体を見通すことが難しくなってきている。
- CCPL は多くの人および多くの作品に利用されることを目指しているため汎用的な構成にならざるをえず, かえって杓子定規な内容になっている。
例えば「著作者人格権」ひとつをとってみても人により作品によりスタンスは異なる筈です。 物凄く「人格」にこだわる人もいれば「著作者人格権」を全く行使しないと宣言してしまう人もいるかもしれません。 しかし CCPL ではこういった「個々のケース」についてはフォローしきれません。 そこで, 様々なケースを想定して「こういうこともできるよ」「こうなることもあり得るよ」という話を FAQ としてまとめよう, というのが現在の作業のようです。
ネットではよく「まず FAQ を見よ」などと言われますが, CCPL の FAQ に関しては「困った時の虎の巻」的な利用方法がいいと思います。 CCPL およびその FAQ には最悪のケースを想定して色々書かれていますが, それらを生真面目に深読みし過ぎると何もできなくなってしまいます。
CCPL はできないことを強要するものではありません。 「自由」には必ず「責任」がついてまわります。 それを踏まえて行動することが大前提ですが, どんな人でも無限の責任を負うことはできません。 「自由」と「責任」のバランスを調整する仕組みが CCPL をはじめとする「自由なライセンス」の役割のひとつなのです。
CC/CCPL については, 以前書いた「ローレンス・レッシグ インタビュー」もご参考にどうぞ。