TeX Live 2014 for Windows
サイトのリニューアルがひと段落したところで「そういえば TeX Live 2014 ってもう出てるよなぁ」と思い出した。 さっそく TUG へ。
前に書いたとおりinstall-tl.exe for Windows からインストールするのがお薦め♡
(←超意訳)と書いてあるので,仰せのままに。 インストーラを起動するとあの画面が。
ここで「既存リポジトリを変更」にチェックを入れるのを忘れすに。 チェックを入れた状態で「次へ」進むと以下の画面になる。
ここで国内のリポジトリを指定する。 何となく利権(おっと!)理研のサーバを忌避してしまったのに深い意味はありません。 あとは終わるのを待つだけだが相変わらず長い...
インストールが完了したらコマンドプロンプトでバージョンを確認しておく。
> platex -v e-pTeX 3.14159265-p3.5-130605-2.6 (sjis) (TeX Live 2014/W32TeX) kpathsea version 6.2.0 ptexenc version 1.3.2 Copyright 2014 D.E. Knuth. There is NO warranty. Redistribution of this software is covered by the terms of both the e-pTeX copyright and the Lesser GNU General Public License. For more information about these matters, see the file named COPYING and the e-pTeX source. Primary author of e-pTeX: Peter Breitenlohner.
はい。 OK ですね。 おお, e-pTeX のバージョンが 3.14159265 まで進んでる。 (オリジナルの TeX はバージョン 3 で既に fix されていて,メンテナンスでバージョンが上がると円周率の数字列で桁が上がっていく仕組みになっている。 fork 版もそれに追随してバージョンが進んでいくのだ)
インストールが終わったら日本語環境用の設定を行う。
まず {$InstallFolder}/texmf-dist/web2c/texmf.cnf を開いて shell_escape_commands
に関する記述を探す。
shell_escape_commands = \ bibtex,bibtex8,\ kpsewhich,\ makeindex,\ mpost,\ repstopdf
これを以下のように変更する。
shell_escape_commands = \ bibtex,bibtex8,bibtexu,upbibtex,biber,\ kpsewhich,\ makeindex,mendex,texindy,xindy,\ mpost,upmpost,\ repstopdf,epspdf,extractbb
これを保存したら mktexlsr を実行するのを忘れないように。
> mktexlsr
フォントの埋め込みもこれまでどおり。 kanji-config-updmap を実行すれば良い。
> kanji-config-updmap ipaex
TeX Live 2013 までは文字コードの自動判別のオプションがなかったが, 2014 では {$InstallFolder}/texmf-dist/web2c/texmf.cnf の末尾に追記されている。 めでたい。
% Guess input encoding (SJIS vs. Unicode, etc.) in pTeX and friends? % Default is 0, to not guess. guess_input_kanji_encoding = 1
ただし自動判別は絶対ではない。
うまくいかないようなら -kanji
オプションを使う手もある。
> platex -kanji=utf8 -v e-pTeX 3.14159265-p3.5-130605-2.6 (utf8.sjis) (TeX Live 2014/W32TeX) kpathsea version 6.2.0 ptexenc version 1.3.2 Copyright 2014 D.E. Knuth. There is NO warranty. Redistribution of this software is covered by the terms of both the e-pTeX copyright and the Lesser GNU General Public License. For more information about these matters, see the file named COPYING and the e-pTeX source. Primary author of e-pTeX: Peter Breitenlohner.
PXjahyper パッケージの導入
今公開している spiegel-im-spiegel/charset_document で PDF の目次が文字化けするという報告を受けていて,これを解消するのに PXjahyper パッケージを使うのがいいらしい。
導入するには {$InstallFolder}/texmf-dist/tex/latex/ フォルダに PXjahyper フォルダごと突っ込めばいいらしい。 そのあと mktexlsr を実行すればいいのかな?
LaTeX 文書ファイルに入れるのも簡単で, hyperref パッケージの直後に指定すればいいみたい。
\documentclass[a4j,10pt,fleqn]{jsarticle} \usepackage[dvipdfmx]{hyperref} \usepackage{pxjahyper}
おおっ,楽ちんになったなぁ。 でも,うちは Windows 環境なのでちゃんと改善しているかどうかわからない(Mac 環境で文字化けするらしいのだ)。 問題があればここのフィードバックか最寄りの SNS に報告下さい。
そうそう
PDF の閲覧は「自由なソフト」を使いましょう。 プロプライエタリなソフトを強制してはいけません。 分かってますか? 文科省の中の人とか。
charset_document について
spiegel-im-spiegel/charset_document で使用している図は大昔(20世紀末!)に Visio で起こしたものだが,もう Visio なんか持ってないし,この機会に LibreOffice の Draw にファイル変換した。 これを SVG 形式で export し,更に Inkscape で読み込めるようにしている。
したがって最終的に EPS ファイルを出力しているのは Inkscape である。
Inkscape は SVG をベースにしているので draw 系のお絵かきに向いているが,これで絵本やコミケのパンフとか作っておられる人もいるらしい。
個人的にはそこまでの絵心はないが,簡単な絵なら Inkscape で必要十分なので(RDFa 入門
の絵も Inkscape を使っている)今後もこれで行きたいと思う。
こーやって絵とかも「オープンデータ」(オープンソースっていうとどっかから怒られるので)になっていくと面白いんだけどねぇ。
参考
- [改訂第6版] LaTeX2ε美文書作成入門
- 奥村 晴彦 黒木 裕介
- 技術評論社 2013-10-23
- 評価
- ドシロウトが無料ソフトInkscapeで絵本制作&Kindle出版
- ますや かつひさ
- tomotomobooks 2013-11-16
- 評価